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■RO(リレー)小説 -第2章- Lv.4【再来】■

1 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/13 05:16 ID:wqhjVERK
さっきまで…ここには■RO(リレー)小説 -第2章- Lv.3【復活】■というスレがあった。
匿名掲示板の一角で、まったく面識のない者達が、一つの物語を綴っていた。
主人公、ケイオス達がおりなす素晴らしい冒険。

しかし。
スレの性質上、スレ乱立荒らしにはとことん弱い。
今回もまた残念ながら落とされてしまった。
だがこの物語を楽しみにしている者が、いる。・・・・・・はず。
そう願って今一度スレを立ててみました。
もし、もしめげていないのであれば・・・

書 か な い か ?

2 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/13 05:20 ID:wqhjVERK
■ルール■
・ なるべく「1レスにつき6行以上の長文」で綴ること。
・ 他人の作品の文句は決して言わないこと。
・ 黙ってこの小説の行方を見守ること。
・ 厨房や2ゲットなどは完全放置すること。
・ このスレ内に感想を書き込まないこと。(被った時のスルー要請などは可)
・ 新規参入文師どしどし大歓迎ヾ( ゚д゚)ノ゛

↓過去スレ
■RO(リレー)小説 -第2章-■
  http://live4.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1059735101/
■RO(リレー)小説 -第2章- Lv.2■
  http://live4.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1062220589/
■RO(リレー)小説 -第2章- Lv.3【復活】■
  http://live4.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1063033305/

3 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 05:23 ID:vFWMECNS
test

4 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 11:08 ID:pWFXmUid
前スレの最後はこの方のでいいのかな(・ω・)?


26 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン sage 03/09/12 19:41 ID:vhu9tRKa

彼女は泣き顔だったが笑顔を作ると闇の中に消えていった。
私は涙を拭き残された少女のリボンを見つめる。
「もう一人の・・・『私』か・・・。」

しかし感傷に浸っている暇はない。
ジャハル達は今頃、私の干渉できない空間で「己」と戦っているのだろう。
何とかして探し出すのが先決だ。

5 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 11:12 ID:0DPFTMG/
>>1さんの文末の言葉があの「やらないか」をイメージしたものならばそれは間違いです。
「やらないか」に?は付けちゃいけないんです。
以後気をつけて頂ければ幸いです。


6 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 11:19 ID:pWFXmUid
>>5さんへ。
前スレを立てた者です。

前スレはそれをイメージしてたので「?」は付けなかったんです(・ω・)
今回の>>1さんがどうかは分からないけれど、紛らわしいテンプレもどきを作っちゃったのがまずかったかな……。
使ってもらってるのは嬉しかったけどね(*´∀`)σ)Д`*)

7 :1:03/09/13 13:11 ID:qcywsc7j
>>5
>>6
ごめんよ無知で・・・(´・ω・`)ショボーンというか_| ̄|○ガクー

8 :6:03/09/13 13:27 ID:pWFXmUid
あぁ!立てっぱなしで誘導してなかったー!
感想スレも立てますた。 コチラヘモ ドゾー(・ω・)シャリシャリ

■RO小説 議論・感想スレッド Lv.3■
http://live4.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1063419742/

9 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 19:18 ID:5ImFLy9a
一方フレイヤの姿を見失い仕方無く、辺りをうろつくジャハル。
スフィンクス像の前に燃えるたいまつの影に一人の男を見つける。

「・・・誰だ?」
「・・・。」

無言で出てきた男はまさにジャハルと変わらない、ジャハルそのものであった。

「お前を・・・始末しにきた。」
「何?」
「お前を殺し、俺が完全なオリジナルになる・・・!」

ジャハルの「影」は剣を手に取り、獲物をハンティングする獅子の如くジャハルに襲いかかる。

ジャハルはかろうじて剣を構え攻撃を受け流す。
「貴様・・・俺のコピーか?」
「コピーは貴様だろうが。俺が『本物』のジャハルだ。」
「馬鹿な!俺が本物だ!!」
「貴様は俺の模造品のようなもの。お前が表でのうのうとでしゃばっているのを見ると反吐が出る。」
「戯言を・・!」
再び剣を交えるジャハル達。
僅かに影のジャハルが押している。


10 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 19:19 ID:5ImFLy9a
「・・・なかなかやるじゃないか。しかし所詮はコピー。」
ジャハルの「影」は両手剣に念を込める。
「ボーリングバッシュMAXレヴェル!!」

ドゴォォォォォン!!

激しい轟音と共にジャハルの体が吹っ飛ばされる。

「ぐはっ・・・!」
そんなジャハルの元に歩を進める「影」。
「どうした俺?そんなもんじゃ全然面白くないぞ??」
「・・・・ぐっ・・・。」
「影」はジャハルに尋ねる。


「お前は・・・強くなりたかったんじゃないのか・・・?」

ジャハルは体中が痛む中、考えた。
どうして俺は強くなりたかったのだろうと・・・。

11 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 22:11 ID:zvCyO0Ud
・・・強く、なりたかった。
「お前は自分の心がどの程度まで痛みに耐えられるか知っているか?」
騎士として、自分の力量を誇れるほどに―――
「お前の心は弱い。周りは・・・いや、自分でも気づいてないだろうがな。」
魔物の脅威から、ミッドガッツの民を守れるように―――
「少しの痛みですぐに心が壊れてしまう。
 そして、自分の心に痛みを与えるような事があれば無意識に忘れようとする。」
テスタメントを止めるために―――
「その忘れてきた記憶が、お前が否定してきた全ての事実を具現した姿がこの俺だ。」
フレイヤの心を守れる位に―――
「お前はテスタメントが闇に堕ちた事を知っても何もする事ができなかった。
 そして、何もできなかったという事実から逃げようとした。
 自分の弱さを否定しようとしたんだ。」
俺は―――

12 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 22:11 ID:zvCyO0Ud
「ただ逃げているだけのお前が、
 自分の弱さに、心の闇に・・・痛みに敵うはずがない。」
・・・・・・
「終わりだ。自分の弱さを知ろうともしない奴が、強くなれるはずもない。」
『影』が構えるのが見える。
間違えるはずも無い、あの構えは自分がボウリングバッシュを使うときの構えだ。

「・・・それならば、」
吹き飛ばされた時に取り落としたのだろう。
手元から離れていた剣を拾う。
「俺はお前を越えて見せる―――自分の弱さを、越えて見せる!!」

そして、ジャハルと”ジャハル”が対峙する。

13 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/13 22:21 ID:3aLW+cMQ
保持age

14 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァン:03/09/14 11:22 ID:tkah8h01
あげあげ

15 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 15:20 ID:bUIJeDHT
ゲームのお金が、現金に!!!
ttp://www.ex-web.net/rmt/
これってどうやるの???

16 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 15:42 ID:OlGW1bqw
「何・・・?」
『影』が剣を止める。
ジャハルは目を閉じ剣を構える。
「さぁ・・・。来い・・・!」
「馬鹿め、俺の最大出力のボーリングバッシュをお前如きのカウンターで見切れる筈がない!」
「お遊びはここまでだ!散れ・・・!!」

・・・・・ガスッッ!!

『影』のジャハルは脇腹を押さえ込み倒れる。
「くっ・・・何だ?何故カウンターを取られる・・・?」
吐血しながら答える『影』を見るジャハル。
「お前は俺を取り込むことしか考えていないようだが、俺は守るべきものがあると悟った。
お前は俺・・・つまり俺の意思力によってお前の力が弱まる。そういう事だな。」


17 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 15:43 ID:OlGW1bqw
「くっ・・・馬鹿な!・・・バッシュ!!」

ドンッ

「どうした?攻撃力が弱まっているぞ?せいぜいLv3といったところだな。」
バッシュを平然と受けたジャハル。とはいえ流血は否めない。
「くっ・・・。」
「まさに天秤だな。一方の力と反比例している。だからこそ・・・」
跪く『影』に手を差し伸べるジャハル。
「俺はお前なんだ・・・。」
「・・・。」
言葉を失った『影』。やがて口を開く。

18 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 15:43 ID:OlGW1bqw
「情けを・・・かけるつもりか?」
「ああそうだ。お前は俺なんだからな。」
「・・・・・。」
「・・・フ。俺の完敗だ。土壇場でお前の意思力が俺の意思を上回ったようだな・・・。」
「俺は再びお前の心の奥深くに戻り、お前の生き様を見てゆこう。しかしな。」
「もし、お前が信念とやらを失った時には俺がお前をのっとる。それを肝に銘じておけ。」
「ああ。その時は遠慮なく俺を取り込んでくれ。」
「・・・ああ。」
『影』はうっすらと消えていき周りの歪んでいた空間が晴れていく。

「もう一人の俺・・・。最大の好敵手であり・・・理解者・・・だな。」
ジャハルが呟くと後ろからフレイヤの声が聞こえてくる。
ジャハルはフレイヤの方に視線をやる。


「俺はアイツを・・・仲間を・・・守り抜いてみせるっ!」


19 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/14 18:44 ID:3b7RaA+V
気が付けばランディも半漁もいなく、エミリアは1人、突如現れた女と対峙していた。
その女は顔も声も体つきも、エミリアと全く一緒であった。
唯一の違いは、女は白い憲兵服を着ていたことだ。

「あなたは誰?憲兵の真似事は重罪でしょう」
「私はエミリア。あなたそのものよ」
「なんですって?」
「力が欲しくて、人殺しがしたくて憲兵になった、あなた自身なのよ」
「・・・ふざけるな!!」
言うが早いか、矢をつがえて放った。
だが矢は「影」に届く直前で力を失い、地に落ちた。
「ニューマ・・・」
「憲兵って便利よね。いろいろスキルが使えちゃったりして」
素早く短剣を抜き取るエミリアを見ても「影」は顔色を変えることはない。
「ただ模範的な態度示してればいいんだから、そりゃ飛びつくわけだ」
「うるさい!!」
エミリアは叫ぶのと同時に「影」へと斬りかかった。

20 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/14 18:45 ID:3b7RaA+V
「影」は罠を駆使してエミリアを近寄らせない。
「あなたは殺人狂。措置と称して人を殺す瞬間が一番燃える」
「違う!」
「人を守るとか言いながらその実、住民や冒険者を見下している」
「違う!!」
「自分に都合のいい時だけ、人を愛してる」
「いいかげんに・・・!!」
「やな女ね、私達って」

エミリアの叫びを無視して「影」は言葉を続けた。
「私たち、死んだ方がいいんじゃないかしら」

21 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 20:52 ID:bUIJeDHT
くだらんこといってないで、
ゲームのお金が、現金に!!!
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これってどうやるの???


22 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 20:54 ID:b4iVRAp1
「そんな事・・・!!」
「本当はいつも自分はそんな人間じゃないかって疑ってたんでしょう?」
「そんな事は・・・」
「明確な理由も持たずただ状況に流されて憲兵になった。
 確固たる信念も持たず、平和の為に働いているという実感も持てずに・・・
 そんな自分が何故人を殺して平然としていられるのか?
 ある時そんな疑問を持った。」
「・・・それは」
「そしてこう思った。
 自分は殺人狂で、人を殺す事に快感を覚え始めているのかもしれないと。
 ―――そして、そんな自分こそ死ぬべきなんじゃないかと思った。」
「・・・」
「ねえ、私のような人間は死んだ方がいいんじゃないかしら?」
・・・確かに、そうかもしれない。
私のような人間がいるからこの世界は・・・

23 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 20:54 ID:b4iVRAp1
「それは違うよ」
声が響く、私のものでも『私』のものでもない・・・
「な!?どうやってこの空間に入り込んだ!!?」
「聖職者をなめないで欲しいね〜。
 こんなちゃちぃ仕掛け、神の御加護で一発さ☆」
そこには、ランディさんが立っていた。
「エミリアちゃん。
 自分のような人間は死んだ方が世の中の為になるとか、
 そういう事を考えているならそれは間違いだよ?」
え・・・?
「うるさい!私のような人間は死んだ方がいいんだ!!」
「自分が殺人狂で悪い人間だから?
 ―――なら、そう言って自分の悪い部分を否定している君は悪い人間なのかい?」
「ぐっ・・・黙れえええ!!!」
憲兵服を着た私がランディさんに襲いかかる。
「違うだろう!君は少なくともちゃんとした゛心"を持っている!
 だから自分の行動に疑いを持つ事ができるんだ!!」


24 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/14 20:55 ID:b4iVRAp1
キィィィィィィン!!
「・・・ま、だからこそ神様に存在を認められているってのは
 うちの教義だから信じなくてもいいけどね。」
『私』の繰り出した攻撃は、私の短剣に阻まれて動きを止めていた。
「・・・何っ!?」
エミリアがランディを庇う形で間に割って入っていた。
「これ以上、自分を追い詰めるのはやめて。」
「クッ!」
『エミリア』が距離をとるために後ろに跳躍する。
「なんでそんなに貴方が『私』を殺したがるのかやっとわかったわ。
 貴方は―――昔の私自身なのね?」

25 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 00:33 ID:rlWkrETC
くだらんこといってないで、
ゲームのお金が、現金に!!!
ttp://www.ex-web.net/rmt/
これってどうやるの???


26 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 00:43 ID:2m5Fi9AM

ここに来て私に命令して!

http://angely.muvc.net/page043.html



27 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/15 04:09 ID:TOxr464J
「そうよ!私はお前!!お前が大嫌いな、お前自身だ!!!」
「でもあなたは、あくまで『昔の私』。今の私とは違う」
「違わない!何も変わらない!だから私と消えろ!!」
「今ランディさんに教えられたでしょ、私は…」
私は『私』の目を見据えて言い切った。
「私は死ぬつもりはない!!」

「あ、あああああ!!」
『エミリア』は顔を押さえてもがき苦しむ。
「私はもう、あなたには戻らない」
「・・・じゃあどうすればいい・・・この気持ちをどこにぶつければいい!?」
「私にぶつければいいわ。ぜんぶ受け止めて・・・でも生きる」

28 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/15 04:09 ID:TOxr464J
『私』の手から短剣が落ちる。砂に守られて音はしなかった。
「私は変れるわ・・・いえ、もう変わった・・・」
「・・・私を忘れて・・また自分が嫌いになったら・・・今度こそ、死ね」
「忘れないわ」
『私』は涙に濡れた顔で天を仰ぐと、そのまま消えていった。
「ありがとう・・・ランディさん、私・・・・・・?」

「ランディさん?」
振り向いても、そこにランディさんの姿はなかった。


「あんな女、ただの『彼女』の代わりだろ〜。もう一回死なすか?( ゜∀゜) 」
また別の空間に閉じ込められたランディと、『ランディ』は向かい合って睨み合った。

29 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 12:26 ID:cYjAEcrG
別の空間で再び対峙し合ったランディ達。
「ムカつくくらい感じるよ。お前ともう1人のお前をよ。
お前は邪魔だ。だから!!」
影はランディに目掛けてソードメイスを振りかぶる。
「はん!冗談は顔だけにしやがれ!!
てめぇみたいな下衆な存在は俺は認めちゃいねぇ!」
ソードメイスの攻撃を盾で受け切るランディ。

「へっ、馬鹿が。お前の仲間は全員自分の幻影に打ち勝ったみたいだけどよ。それは奴等の意思が影より強かったからだ。
それに引き換えお前はどうだ?」
ランディは唾をゴクリと飲み込む。
「信念も糞も微塵もないのはお前なんだよ!」
「う、うぉっ・・・!」
ランディの盾が弾き飛ばされる。
「こ、こうなりゃ・・・・。」
ランディは手のひらに念を集中させ光の弾を作り出す。
「そんな微々たる魔力で、俺と戦おうっていうのかい?
まあ、楽に俺がお前になれるからいいけどね。」

30 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 12:27 ID:cYjAEcrG
「うるせ〜!この光の弾投げつけんぞ!!」
ランディは影にホーリーライトを放った・・・がしかし
影はまるでその軌道を全て読んでいたかのように、ソードメイスで光の弾を弾き飛ばした。
「おぉ〜、よく飛んだな?ホームランか?へへへ・・・。」
「そ、そんな・・・」

31 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 12:28 ID:cYjAEcrG
「お前みたいな貴族出身でママやパパに甘えて過ごしていたボンボンな野郎には俺自身には勝てねぇよ。
その上、彼女が死んだら他の人のせいだと思い込み、贖罪を背負うとかほざいて聖職者気取りか?
おめでて〜な。」
「やめろ・・・言うな・・・・・。」
「まぁ、お前さんみたいなのは、てめーが死なせた彼女の『リース』の事も何も反省する事ないんだろがなぁ。」
「・・・リースの事を・・・口に・・・出すな・・・・っ!」
「ん?どんどんお前の気が弱まっているぞ??こんなんじゃ簡単に乗っ取れちまうな。」
「あれは・・・俺の・・・俺が・・・リースは・・・!」
「まぁだ、真実を見誤っているみてぇだな。その分俺がどんなにお前の汚ぇ心情を押し付けられた事か。
まぁ、なんだ。なら冥土に土産に教えてやるよ。本人の口から事の真実を聞けばいいや。」
「まさか・・・てめぇ!」
酷く動揺するランディの目の前に、花を手にしている、21歳前後の少女が現れた。
彼女は笑っているのか悲しんでいるのか怒っているのか喜んでいるのか、そんなどちらともいえない表情をしている。

「リ、リース・・・・姉ちゃん。」

32 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 12:28 ID:cYjAEcrG
少女はゆっくりとランディに近づき優しい声で囁いた。
「ランディ・・・貴方は悪くないの。もう苦しむ事はないのよ?
あれは事故。貴方は何もできなかった。貴方は何も悪くない。もう一人で悩むのはやめましょ・・?
だから・・・。」
「お・・・姉・・・ちゃん・・・。」

「お姉ちゃんと一緒の場所に行きましょ?」


少女の体はみるみるうちに朽ちていき、半身が腐敗している醜い姿と化していく。
ランディはあまりの恐怖に動くことすらできない。
「お姉ちゃん、ちょっと体が不完全で動けないの。ランディ、貴方の体ちょっと分けてくれない?」

ガジュッ

リースの手から伸びた爪がランディの肩をえぐる。
「うわあああああああああ!」
苦しみ悶えるランディ。その光景を影は腹を抱えて笑う。

「ヒハハハハハ!こいつはとんだお笑い種だぜ!お前の想っていた姉ちゃんに喰われてらぁ!」

ランディは何も考えつかなかった。いや、むしろこれえ自分の罪を浄化できる。
そんな錯覚すら心の中でしていた。

33 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 13:52 ID:SurIqQkr
(リース・・・君に殺されるなら・・・・・・オレは・・・・・)
絶望と歓喜がランディの身体を貫く。

その刹那。
ランディとリースを取り巻く霞を突き破り、小柄な人影が雪崩れ込む。
人影は素早く蹴りを入れ、リースを弾き飛ばす。
「ランディは・・・・・アナタに渡さない!」
「エミリア・・・・・」
ランディは愛しい女性の姿を見てゆっくりと微笑み・・・気を失った。

「成る程・・・この娘、私にそっくりだね・・・私の妹だったりして」
リースが弾き飛ばされた体勢からゆっくりと顔を上げる。
腐乱した顔は、何時の間にか元の愛らしい顔に戻っている。
「私には姉妹なんて居ないッ!」
エミリアは言うなり弓を引き絞り、必殺の矢を放つ。
「しかもハンター・・・・そこまで私と一緒なんてねぇ」
エミリアの放った矢は、向こうから飛来する矢に叩き落される。



34 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/15 14:07 ID:SurIqQkr
「おやおや、しかもその服は私のハンター衣装・・・」
何時の間にかリースはハンター衣装に服を替え、ゆっくりと立ち上がる。
色の抜け具合から解れの場所まで、エミリアの衣装と寸分違わない服・・・。
いや、少しだけ違う。
「この血・・・・・誰の血か解る?」
リースの衣装にはべっとりと鮮血が滲んでいる。

「私はランディの目の前で、犯されて殺されたのさ!」
リースが短剣を構え、エミリアに襲い掛かる。
目に光る涙・・・・
「お前に愛しい人の前で汚されて、無残に殺される苦しみが解るのか!」
斬撃の向こうに見える・・・涙で濡れ、悲しみに歪む顔。

「私には、あなたの苦しみは解らないッ!」
必死にリースの斬撃を受け流し、エミリアが叫ぶ。
「でも、あなたの分まで幸せになる事は出来るッ!」
エミリアの手刀が、リースの短剣を叩き落す。

35 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 07:07 ID:fqy8QqFA
「そんなコト、知ったことかぁぁぁっ!!」
それでもなお、リースの勢いは衰えない。
「そして・・・」
「お前の幸せなど、私が踏みにじってや・・・」
拳を振り上げ、爪を突き立てようとしたそのとき、

「あなたの分までランディを幸せにすることができる。」

静寂・・・

刻が、
一瞬その動きを止めたかのようだった。



36 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 08:14 ID:wbjI6fKw
緊迫の展開保守age

37 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 13:43 ID:qifaYE49
「エミリア・・・これは、俺の問題だ・・・。」
「俺がリース姉ちゃんとは・・・決着を付ける・・・・!」
よろめきながらも立ち上がるランディ。
「ランディ・・・。」
心配そうに見つめるエミリアをよそに影のランディが軽快に笑う。
「ヒヒヒ、そいつぁ俺が創り出した泥人形だぜぇ?
んなもんに情とかうつつ抜かしてる奴だから正真正銘の馬鹿なんだよてめぇは!」
「貴様っ!」
憤怒に駆られたエミリアがランディの影に矢を放つ。
しかし。
矢はランディの影を何事もなかったように貫通する。
「え?・・・どういう事??」
「バーカ。俺に直接ダメージを与えることができるのはアイツ自身しかいねぇんだよ。
よって俺は他の奴等に消される事はない。」
「ぐっ・・・!」

38 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 13:45 ID:qifaYE49
そして影のランディは先のエミリアの一言で立ちすくんでいる「リース」と思われし固体を蹴り壊す。
「な・・・!?」
ランディはその光景を見て呆然とする。
「これがお前の『お望みの形』なんだろ?」
崩れてゆく「リース」の前にいる影はランディの方を見て言った。
「なぁ、もう一人の俺。お前は年上の彼女であるリースと付き合っていた訳だけどよ。
自分より何でも出来て、頭も良くて、友人も多くて・・・」
「尊敬もしていた。」


39 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 13:49 ID:qifaYE49
「でもな?心のどこかで嫉妬してたりしたんだろ??
小さい頃からいつも周りからは貴族出身だからと仲間外れ。いつも彼女といても感じていた疎外感。」
「お前はだからあの時、リースが犯されていても助ける事なかったんだ。嫉妬の塊が到々化けの皮を脱いだんだな。
いや、むしろ心から楽しんでいたんだろ?皆のアイドル的存在だったリース姉ちゃんが犯されるのを見ててめーは優越感にすら浸っていたんだ。」
「それを全部記憶の片隅に放っておいて今度はその女に目ぇかけやがって。
つくづくお前も大したタマだよ。ヒハハハハ!」

ランディは何も言い返す事ができなかった。
影の一つ一つの話す事全てが「真実」だからだ。
ランディは意識の中で思考を巡らせていた。

(へへ・・・全部影の言ってる事が正しいじゃねぇか。
そうさ、俺は・・・聖職者になったんだから昔の罪は拭い去れると思っていたんだ・・・。
とんだお笑い種だよな・・・。リース姉ちゃんに似たエミリアに今度は夢中になって・・・
それで・・・それで・・・・畜生・・・!)



40 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 14:24 ID:Jf7P0XF9
犯されたってレイープされてたのか?
ギシギシギュッポギュッポ(´ω`)ハァハァ

41 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/16 16:25 ID:A/EszrXG
「ランディさん、彼女はあなたを許していると思うわ・・・」
エミリアが口を開く。
「・・・リースが・・・俺を・・?」
「だってそうじゃなきゃ!泣いたりしない!私への攻撃をやめたりしない!
彼女はランディさんに幸せになって欲しいんだ!!」
「姉ちゃんが・・・」
「ハハハ・・!!」
影はエミリアの叫びを一笑に伏す。
「おめーが同じ目にあったらどうするんだよ?あ?許さなねえだろ?俺たちに恨み言ぶちまいて死ぬんだろ?」
「同じ目になんかあわない」
エミリアは断言した。
「ランディさんがそうさせないから」

42 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/16 16:25 ID:A/EszrXG
「・・・じゃあそのランディさんに殺されてみろや!!」
影はエミリアに向かって手の平を向けた。光が手に収束していく。
「お前も姉ちゃんと同じだ!消えろ!!ホーリー・・」
「ホーリーライト!!」
影を強烈な光が貫いた。影は体の一部を焼け焦がせてバランスを崩して倒れこむ。
「エミリアに手を出すんじゃねえ」
「・・ヒヒ・・手を出した俺は・・・お前だぜ・・?」
「その通りだ・・・だがエミリアは守る。お前に取り込まれるわけにはいかねえんだよ」
満身創痍の影に向かってランディは言い放つ。
「姉ちゃんが許してくれても、俺はお前を・・いや、自分を許さない」
「俺の過ちを忘れないために・・お前を消したりはしねえよ。・・・だから今は引っ込んでろ!!」
「ヒハハ・・・強気じゃねえか・・いいだろうよ。せいぜいやってみろよ・・・
どうせ・・・失敗してまた落ち込んで俺がお前の体をもらうだけさ・・・・・」
うめき声をあげて影は消えていった。
「もう失敗しないっつってんだろ。また光の弾ぶつけんぞ」

43 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/16 16:26 ID:A/EszrXG
「姉ちゃん・・・許してくれなんて言えないけど・・ごめんよ・・」
もはや顔半分ほどを残して泥に還りつつある「リース」の前に跪いた。
「リース」は微かに優しげな笑みを浮かべると、完全に崩れ落ちた。

「ランディさんありがとう・・えと、その・・・・・・・幸せになろう、ね?」
「もちろんさ〜!なんなら誰もいない今ここで!!(*´Д`)ハァハァ!!」
直後に股間に憲兵謹製バッシュLv10が直撃した。
なむ。

44 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 19:02 ID:X3tLV5Qj
「ちぃっ、気力が戻り始めたか・・・。まぁいい。
どっちがオリジナルかって事を思い知らせてやるよ!」
影は禍々しく変形したソードメイスを手に取る。
「お前から吹き出ている血だって元は俺のなんだ。俺が正真正銘の本物のランディだっ!!」
「・・・来いっ!ランディ!!」
「うりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

ランディは影の振り下ろしたソードメイスを手で受け止める。
彼の手の平から血がとめどなく流れ出す。

「な・・・、俺の攻撃を素手で受け止めやがった・・・?!」
「俺は・・・逃げない!」
「まだまだ俺の方が魔力も腕力も上だ!このまま押しつぶされろぉっ!!」
ランディは手でソードメイスを受け止めたまま仁王立ち状態であった。
エミリアは見てられずにヒールをかけようとする。
「ランディ!支援するわ!!ヒー・・」
「よせ!」
「え・・・?」

45 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 19:03 ID:X3tLV5Qj
「これは・・・俺自身の戦いだ!・・・けじめなんだ。」
ニタニタ笑いながら影が嘲笑する。
「な〜にがけじめだよ。その前にお前の体がおしゃかになるんじゃ無駄だろが!」
「・・・そうでもないぜ?」
「あぁん?」
「俺が何でお前の攻撃を避けずにこの場所で耐え抜いていたか分かるか?」
「俺に殺される為だろが!」
「不正解・・・それは・・・」
ランディは何やら熱いオーラが感じ取れるクリップを影にちらつかせる。
「ま、まさか・・・てめぇ・・・?!」
「これが俺の温存していた力・・・そしてリース姉ちゃん、エミリア、仲間達から与えてもらった力だ!」
「ち、ちぃっ!」

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!マグナムブレイク!!!」



46 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 19:03 ID:X3tLV5Qj
ドゴゴゴゴゴゴゴォオン!!

「ぐほぉっ!」

影は大きな「気」の波動に吹き飛ばされ空中に放り出される。
「ち、畜生め・・・。今ので相当ダメージを負ったぞ。今のうちにヒールを・・・」
「!!?」
空中に舞い上がっている影の目の前、コンマ秒数の間の空の世界に先着がいた。
「テレポートってのはな・・・こんな使い道もあるんだぜ?」
「て、てめぇ!」
「これが俺の最大出力だ!・・・全魔力解放のホーリーライト!!(SP280分※ランディ談)」

シュィィーーーーン!!


47 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/16 19:04 ID:X3tLV5Qj
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
ホーリーライトの衝撃により空中から地面に叩き落される影。
既にランディの意思力と引き換えに「影」の動く力は残されていなかった。
ランディは動くことすらできない己自身に歩を詰め寄る。

「悔しいが・・・てめぇの勝ちだ。・・・殺せ。そして俺を取り込むがいいさ。」
「結局は・・・俺はオリジナルになりきれなかったんだな・・・俺は・・・。」
影は大の字となり、夜空を見上げたまま微動だにしなかった。
ランディはそんな影を見つめて言った。
「オリジナル?そんなもんで俺達は片付けられる存在じゃないだろ?」
「俺とお前は・・・」


「同じだ。」



48 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/17 18:07 ID:AuzA9ms7
「へっ・・・。」
影は力なく笑うと淡々と語り始めた。
「リース姉ちゃんは・・・確かに野党共に殺された。
しかしな、お前を守る為に自ら犠牲になったんだよ。」
「・・・ほ、本当か・・・?」
「ああ。奴等は貴族出身のランディの財産を狙ってお前の側まで来ていたんだ。
しかし、リースが巧く奴等を誘導しお前の所から離れさせた。」
「・・・。」
「気付かなかったか?お前が見ていたあの凄惨な光景は、リース姉ちゃんの使った幻覚剤のせいだったんだ。
リース姉ちゃんはアルケミスト志望だったからな・・・それくらいの薬は作れたんだろよ。」
「結果リース姉ちゃんの死体が森で発見される事になったが、ランディという少年を守ることには成功した訳だ。
リースは全部俺達の事を理解していた・・・。あのような光景さえ見せれば恐怖のあまり逃げる事とかもな・・・。」
「あれはリース姉ちゃんが望んでやった事なんだ。てめぇが全部の罪を被る事はねぇ。」

49 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/17 18:07 ID:AuzA9ms7
「・・・・リース・・・。」
目に涙を浮かべ肩を落とすランディ。
「それを俺が逆手に取ってお前の精神を乱そうとしたんだが・・・そうも巧くいかなかったわな。
お前はいい人を見つけたよ。」
「あの頃のお前は逃げてしまった。でも今はさっきみたいに俺の攻撃を受け止めるぐらいの気迫で・・・」

「大切な人を守るんだ。」

「俺はお前の影・・・。また別次元に姿を隠すが俺はお前をいつでも見ている。
俺も『ランディ』だ。表舞台はてめぇに任せてやるからくれぐれも泥塗るような真似すんじゃねぇぞ?」
「ああ・・・分かったよ・・・・。」
「よし、いい面だ。ランディ。」


50 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/17 18:08 ID:AuzA9ms7
「さっきの見せしめにしたノービスは殺してはいない。他の奴等の影も誰も殺しちゃいねぇ。枝を撒いただけだ。
お前は聖職者だろ?倒れてるてめぇ自身なんか相手にしてないで他の仲間と合流して傷付いた人達を解放するってのがスジだよな?」
「アイリスはモロクから離れていったみたいだが、奴の召還した宿舎の化け物共は殺戮を繰り返しているだろう。
・・・急げ・・・。」

「お前の生き様。俺が見届けてやろう・・・。」

影は静かに・・・音も無くランディとエミリアの前から消えていった。
あたりの歪んでいた空間がなくなり、元の広い光景が視界に広がる。

「ランディ〜!どこいるの〜!!」
「ランディは〜ん、どこでやんすか〜??」


51 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/17 18:09 ID:AuzA9ms7

仲間達の声が聞こえる。

ランディはよろめきながら立ち上がる。
がしかし、バランスを崩し地面に倒れ・・・そうになった時
誰かがランディの体を支える。
「エミリア・・・?」
「みんなが待ってるわ・・・行きましょ?」
「ああ・・・そうだな・・・・行こう!」
ランディはエミリアの肩を貸してもらいながらもフレイヤ、ジャハル、ハンギョの元へと歩いていった・・・。

52 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/18 17:42 ID:1HWFzYLL
「・・・よっ。待たせたねぇ。」
ランディはエミリアの肩を離れ苦笑しつつフレイヤ達に声をかける。
「みんな・・・自分達と戦ってきたのね・・・。」
フレイヤは感慨深く先の出来事を思い出す。
「感傷に浸ってる場合じゃないぞ?」
ジャハルは炎々と燃えさかるモロクの街を見た。
「まだ街にはモンスター共がうろついている。俺達も加戦しに行かなければ・・・ぐっ」
ジャハルは横腹のあたりを押さえる。先程の戦いでの怪我であろう。
「まっ、先を急ぐのは当たり前だけどさ、とりあえず・・・」
「サンクチュアリ!」
ランディが唱えると地面から白き光が溢れ出す。
みるみるうちにフレイヤ達の体の傷が癒えてゆく。
「・・・ん?」
ジャハルが何かに気付く。
「ランディ・・・お前、魔力上がってないか?」
「・・・ぇ?」
「お前のサンクチュアリだと完治するのに数分かかるのに数秒で完治してしまったぞ?」
「あ、そういえば・・・」
フレイヤもその事実に気付く。
「もしかして・・・」
エミリアは矢を一本スフィンクス像を覆う壁に放った。
すると、矢は岩を貫通して遠くへ飛んでいく・・・。

53 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/18 17:43 ID:1HWFzYLL
「私達・・・自分との戦いで何か変わったんじゃないかしら?」
「うむ・・・。」
「あっしも何か変わってるんでしょかねぇ?」
ハンギョはキョロキョロと自分の体を確かめる。
「え、えっと・・・確かに変わってるわ・・・。」
「ま、まぁねぇ・・・。」
「鱗が光沢を帯びてるわ・・・('A`;)」
「さ、さいですか・・・。」
とはいえ何気に喜んでいるハンギョ。そして嬉し涙を見せながら喜ぶ騎士が一人。
「ハンギョよ・・・。これからも俺達は強くなるぞ!」
「旦那・・・!」

「やれやれだわ・・・。」


54 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/18 17:44 ID:1HWFzYLL
フレイヤは呆れつつ苦笑する。
その時街の方から何かが聞こえてきた。

wwwwwwwwwwwwww

オーホッホッホホ!虫けら共、跪きなさいぃぃぃぃ!

「あれ?」
「何か・・・聞こえたよな?」
「へぇ・・・聞こえましたなぁ・・・。」
「新手のモンスターか?!」
ジャハルは剣を構える。
「いや・・・ちょっと待って・・・。」

55 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/18 17:45 ID:1HWFzYLL


マ〜グヌ〜ス〜〜〜


フレイヤは何かに感付く。
「これって・・・」
周りも気付いた。


一同「マンク、ヒメ?!!」
フレイヤ「・・・とボンも・・・ね。」

「と、とにかくあの方々がいるんでしたら強力な助っ人この上ないでやんす!
向かいやしょう!!」


フレイヤ達はモロクの街の方へ足を急がせた・・・。



56 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/18 19:11 ID:pt7I/8kC
「オーホッホッホ!!!豚は死になさい!!!」
夜の暗闇に白く輝く光の絨毯が広がり、モンスターたちを駆逐していく。
マグヌスで倒せない敵、ヒメに向かってくる敵はマンクがことごとく斬り伏せていた。
「うはwWw風本げっちゅwwwwwwww(ぉ」
悠々と拾い上げ、荷物袋に放り込む。動作中も一切敵の攻撃は当たらない。

強引にヒメのペットにさせられ連れまわされていたボンゴンは
(ム、ムナック〜;;;怖いよこの人たち・・・)
内心で、遥かフェイヨンダンジョンに残してきた彼女に愚痴をこぼす。

57 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/18 19:12 ID:pt7I/8kC
「マンク!ヒメ!」
「ぉwww話があって来てみたら凄いテロだねwwww」
「モロクはこれだから嫌ですわね〜アルデバランは快適でしたのに」
手を休めることなく余裕で雑談モードの2人。
「ついでにミストレスも倒しちゃったりwWw」
「それですのよ、聞いてくださる?カード出ましたのよ、ミストレスC!!」
「す、すごいわね・・・('A`;)」
さりげなく凄い内容に呆れつつ言葉を返すフレイヤ。
「でも、それをダーリンったら・・」
「そ、その先は言わなくてもwwwwwwwww(滝汗」
「間違ってヘルムに挿しましたのよ!!」

一同「( Д) ゚   ゚   」

「ヘルムオブジェムストーンなんてどうする気ですのよ!?」
「え、えとw・・・じゃ、じゃあこれはジャハルにあげるよwwww」
「お、俺!?」
「一応+8まで精錬済みのやつだからさwwwも、もらってくれるとありがたいかなw(ぉ」
「・・・防御力と思って・・もらっておこう・・」
ヒメの痛い視線を受けつつ、ヘルムオブジェムストーンをつける。

58 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/18 19:16 ID:pt7I/8kC
「あ、そうそう忘れるところでしたわ」
気を取り直してヒメが言った。
「ケイオスたちが見つかったそうですのよ」
『早っ!!Σ(;゚Д゚)』
全員で一斉にツッコむフレイヤ達。
「とりあえず元気っぽいから安心していいよwサリエルがついてるしねww」
「そうか・・・じゃあ」
「ここのモンスターをキレーに掃除すっか!」

数時間後には全てのモンスターが倒れ伏していた。

59 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 16:36 ID:SNz0VcOk
モロクのモンスターの群れが綺麗さっぱり片付いた頃、上空でインキュバスが腕を組みその光景を眺める。
「こりゃまたアイリスも派手に暴れたもんですなぁ・・・。」
インキュバスはテスタメントに耳打ちする。

(テスタメント様、アイリスの引き起こしたモロク強襲は収まりました。)
(そうか・・・。インキュバス?)
(ははっ)
(とりあえずゲフェンフィールドの結界は解いておいたよ。
今のアイリスにはケイオスには興味は消えたようだし、フレイヤ達がケイオス達と合流しようと問題は無い。)
(とりあえずキミは僕の元へ戻っておいで。ボク達も移動しよう。ヤーウェ様御一行も向かっている・・・)
(シュバルツバルド共和国の浮遊都市ジュノーへ。)
(一般人にはまだ入れぬ場所ですよね?)
(そうだな・・・。しかし時期に交易が盛んになる事は間違いない。こちらの目的を果たすには十分な場所だ。)

耳打ちを終えたインキュバスは遥か上空に飛んでいき姿を消していった・・・。

60 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 17:10 ID:SNz0VcOk
一方、グラストヘイム城から出てきたケイオス達。

レイドリックは木陰に身を任せ音を立てずに睡眠を取っているようだ。

「レイドリックっていびきとかするのかな・・・?」
ガリィが僕に尋ねる。
「そ、そんな事知らないって!」
こんな呑気な会話がゲフェンの平原で続く中、レイドと同じく寝ていたサリエルさんが目を覚ます。
「ん?」
「どうしました?サリエルさん?」
「ゲフェンの結界がなくなったっぽい。」
「結界?」
「ケイオスとガリィが仲間に耳打ちできなかったり、一定の場所から動けなかった原因。」
「なるほど・・・。」
「・・・・。」
「・・・。」
「・・・・。」
サリエルさんが何も返答しないのでガリィと僕は困っていた。
「な、何か言ってくださいよ・・・(汗」
「ん?」
「これからどうしたらいいのか・・・とか・・・。」
「う〜ん。」

61 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 17:11 ID:SNz0VcOk
「マンク達の所へ行くのもいいし、この世界をケイオスとガリィとレイドでブラブラと見て回るのもいいかも・・・。」
「マンクさん達の所に戻ろうかと思っているんですが・・・みんな心配してるだろうし・・・。」
「じゃあそうしよっか。」
サリエルさんはレイドの方へ歩く。
「つんつん。」
「・・・・はっ!敵襲でありますか!??」
「いや。移動するの。」
「あ、承知いたしました!」
レイドは剣を担ぎ、いつでも歩けるように準備する。
「それじゃサリエルさん、行きましょう!」
「あ。」
「その前にヒメにゲフェンまで迎えにきてくれるように頼まないと。」
「あ、そうですよねぇ・・・。」
一旦座るガリィ。
「耳打ちしてみる。」
サリエルさんはいつもの座禅だか何だか分からないポーズで耳打ちを始める。

62 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 17:12 ID:SNz0VcOk
(んと、サリエルです。)
(あらあら?どうしましたの??)
(ゲフェンまでよろwww)
(な・・・何ですのその言葉っ!)
(ヒメが喜ぶようにマンクみたいに話してみた。駄目だった?)
(駄目も糞もなぁぁぁぁぁんで貴方がぁぁぁ!)
(ごめん。)
(・・・と、とにかくゲフェンまで行けばよろしいのね?)
(今プティMAP近く。)
(・・・。)
(・・・街までぇぇ歩けぇぇぇ!こんの天然ヴォケxデfえfjt)

プツリ。

「ヒメが歩けって。」
一同「へ??」

な、何なんだろう・・・一体・・・・??(´・ω・`)


63 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 18:03 ID:tEAmNo/Q
とりあえずゲフェンまで歩くことになり、僕らは快調な足取りで歩きだした
「でも、良かった」
「何がですか?サリエルさん」
「ケイオスたち、強くなったみたい」
「あ〜そういうことですか」
「私はともかく、ケイオスはどうか知らないケド☆」
ガリィ・・・楽しげに子犬なんて狩りながら、なにげにヒドイことを・・・
と、

ぴろ〜ん

「あ、おめ」
「おめでとうガリィ」
「あ〜りがと、これで・・・」
「?」
「どうしたの?ガリィ」

「いつのまにか・・・ジョブ・・・41になってる・・・」

64 :sage:03/09/19 22:09 ID:IPbYilWX
「さて、と」
ヒメが立ち上がり、くるりと皆の方に振り返る。
「ケイオス達を迎えにゲフェンまで行ってきますわね。
それとも皆様も一緒に行きま...」

ぎゃぁぁぁああ

街の一角から大勢の金切り声がこだまする。
逃げまとう人々に漆黒の影が覆い被さり、辺り一面を真っ赤な鮮血で染めてゆく。
じっと目を凝らして様子を伺っていたフレイアが叫んだ。
「オシリス!!」


65 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 22:10 ID:IPbYilWX
「何でこんな所にオシリスがいるのだ?」
「私にだって分からないわっ。でもあれは間違いなくオシリスよ」
「もしかしてアイリスの仕業とか?」
「現在のパッチでは町中にオシリス召喚不可能です。」
「俺達だけで鎮圧出来るモンスターでは無いぞ?どうすれば..」


66 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/19 22:10 ID:IPbYilWX
動揺を隠せないフレイア達をよそに
光速のごとくオシリスに突進してゆく二つの流れ星。
「wwwww」
「おーほっほっほ。独占狩りですわ〜」

一同:「( Д)゜゜!!」

マンク達の接近に気づいたオシリス一行は、当然のごとく迎撃に向かえる。
「やっぱ普通のオシリスじゃ無いねww」
「そのようですわね。取り巻きにイシス4.50匹とエンシャントマミーが
4.50匹なんてどう考えても普通じゃありませんわ(笑」
「ウホッ!!Sグローブたくさん出たらどうしようwww」
「あぁん。またゼニーの処分に困ってしまいますわね☆」

マンクとヒメが漫才?をしている時、取り巻きが一斉に襲いかかってきた。
と同時に、二人の目つきが変化する。

「お遊びはここまでですわ。汚らわしいゴミは消滅しなさい。」
ヒメの額を飾るティアラ(+10)がカァッと閃光を放つ。
「不浄なる闇の住人よ。立ち去れ。マグヌスエクソシズム!!」
この上ない神聖な光が、辺り一面を覆い尽くす。

67 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/20 09:46 ID:hiylxLJU
「さてと、こっちもいくぞwwwwwヒメ、アスペよろwWw」
「ええダーリン。アスペルシオ!!」
光の中で身を焼かれ溶けていくモンスターを見ながら、
ヒメは聖水を取り出しマンクの剣にかける。
「ありwww・・・・いくぞ!!ツーハンドクイッケン!!!」
マンクの体が黄金色に輝くき、常人を遥かに越えるスピードで取り巻きの一体に踊りかかった。
「ボーリングバッシュ!!」
渾身の一撃でエンシャントマミーが粉々に砕け、
凄まじい衝撃波に巻き込まれた取り巻きたちが吹き飛び、またも砕けていく。
尋常では無い数の取り巻きを
これまた尋常では無い強さでなぎ倒していく2人の動きには全くの無駄がなく、
誰が見ても見惚れるような、美しさがあった。

68 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/20 09:47 ID:hiylxLJU
「さて・・・この前来た時は結局狩れなかったんだけどw」
まだノービスだったケイオスを助けたんだ・・・
結局降臨時間には遅刻してしまい、残念な結果に終わってしまっていた。
ほんの少し前のことなのに、随分と懐かしく思えてくる。
「せっかくだからアサシンダガーあたり出してくれないかなwwwww(ぉ」
軽口を叩こうとも。目は射抜くようにに相手を捉える。
クレイモア(+10三ツ星)を構え、オシリスと対峙する。

69 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/20 19:41 ID:jHkEsAC9
マンクはヒメのマグヌスにより弱ったオシリスを一刀両断する。
「グヌォォォォォォォォォ!」
真っ二つに裂け絶命するオシリス。

「うはww聖痕だけwwww」
「ついてないですわねぇ・・・。」

モンスターの群れが消え去り砂塵が舞い散る中・・・とある二人の影が見える。
砂塵のせいか姿形までは見て取れない。
「なんかさ、ドラゴンボールの溶〜けた氷のな〜かにって感じだよねwwww」
「あらあら、例えが上手いですわねぇ〜♪」

「もしもし〜wどちらさん?wWw」

砂塵から出てきたのは・・・
マンクもヒメ見覚えのある二人であった。

「あ・・・」
「え・・・?」

呆然とするマンクとヒメ。

70 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/20 19:42 ID:jHkEsAC9
砂塵が収まり、マンクとヒメの瞳に移ったのは
白銀の鎧、兜で身を固めた騎士。
その後をオドオドと付いていくアコライト。

「ど、どうして・・・昔の俺が・・・?」
「あ・・・あ・・・あれ・・・私じゃなくって・・・??」

動揺する二人を見ながら白銀の鎧を纏った男は口を開く。
「全く・・・呆れたな。これが俺の未来の姿と思うとゾッとする。」
「・・・。」
アコライトは一言も喋らない。
「な、なんで俺が・・・昔の聖十字騎士団の頃の俺・・・が?w;」
「今の何の目標も見出せぬ俺自身を戒めに過去からやってきた。言わばお前の影といったところか。」
「そんな戒めなんてさ〜、俺とお前は同じってんなら仲良くやろうよ?ね??www」
手を甲冑で身を固めたマンク自身に差し伸べるマンク。

71 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/20 19:42 ID:jHkEsAC9
「触るな!汚らわしい!!」
マンクの影は盾を思いっきりマンク目掛けて投げつける。
その盾は弧を描くと影のもとへ戻ってゆく。
「とうとう騎士道精神すらなくしたか!貴様は・・・俺が裁く!!」
マンクの影は大剣を手に取り襲いかかる。
「うはっwちょちょっとタンマタンマ・・・ヒメ、キリエよろ・・・って?あれ??」
後ろにさっきまで居たヒメの姿はどこにもない。
「・・・・・・・・・マジ?(汗」

一方、別のテリトリー。
「・・・。」
「む、昔の私だか知らないけど何様のつもりですの?!外界とのコンタクトが取れなくってよ!」
「何を・・・無茶してるの・・・?」
「え?」

72 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/20 19:43 ID:jHkEsAC9
「強がって。相手を見下して。」
「え・・・。」
「強がっていてもダメ。あなたは私。一人じゃあなたは何もできないの。」
「・・・。」
「よ、余計なお世話ですわ!もう一人の私だか知らないですけど叩きのめすわよ?!」
「・・・・ほら。」
「な、何ですの!」
「本当は・・・怖がってる。マンクが横にいたら・・・そんな事ばかり考えてる。」
「・・・っ!」
「私が昔のあなた。いつからそんな強がった口調になったの?ねぇ、どうして??」
「・・・・うるさいっ!」
ヒメはソードメイスを手に取りアコライトだった頃のヒメの影に殴りかかる。

73 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 01:25 ID:3/doAmi3
アコライトのヒメは淡々と口を開く。
『そんなに厚化粧なんかして...恥ずかしく無いの?』
「今流行の頬紅よッ!!3Mで買ったんですわよッ」
『そんな物興味ないわ...』
「キィィィ!な、なんて失礼極まり無いのかしら!!」
『失礼って何?』
「なっ。わたくしを誰だと思ってらっしゃるの?」
『あなたは私。それ以下でも以上でもないわ..』
「私は由緒正しき名門のオスワリ家第一子女、ヒメ=ナノデ=オスワリですのよっ?』
「だからどうしたと言うの?家柄がそんなに重要なの?」
『...それ以上口答えすると本当に許しませんよ...』
ヒメは青ざめた面もちでワナワナと震えている。

74 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 09:52 ID:+wY1GcP2
ゲームのお金が現金やWMに替えられる!!!
ttp://www.ex-web.net/rmt/
残り期間わずか?

75 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 11:39 ID:3ItX92A7
『そんなウジウジした自分なんてとうの昔に捨てましたわ!黙らっしゃい!!』
ヒメがアコライトに殴りかかった。が。
『!?』
アコライトには避ける気配すら感じない。
『ちょ、ちょっと本当に当たりますわよ!』
「・・・・。」
『〜〜っ!』
ヒメは寸前で攻撃を止めた。
「もう少しで・・・私の額を割ることができるんだよ?何故攻撃しないの??」
『な、情けですわ・・・過去の私といえど所詮一次職。私ほどの者が一次職相手にムキになる事なんてないですのよ。』
苦し紛れに言い訳するヒメ。いや、本当は踏み込む勇気がなかったのだ。
ヒメは自身の心でその事を悟っていた。

76 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 11:40 ID:3ItX92A7
『・・・・ん?』
アコライトの様子が何かおかしい。
「・・・・情け・・・?自分より下だから・・・??」
『な、何ブツブツ言ってらっしゃるの!はっきりお言いなさい!!』
「・・・・ざけてんじゃねぇよ!」
『!?』
アコライト、昔のヒメは顔を豹変させどこから取り出したのか分からないアイアンドライバーで殴りにかかる。
ドゴッ!
ヒメは防御魔法すらできずに肩を強打される。驚きの感覚がなくなるほどの激痛が走る。
「そうやってよぉ、相手を見下しやがって。とことん救われねぇ♀ブタだなぁオイ?」
以前、ケイオスがホード相手に見たヒメのもう一つの本性。まさに今のアコライトのヒメはそれである。

77 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 11:41 ID:3ItX92A7
『あ、あなた・・・何て下品な言葉遣い・・・。』
「下品だぁ?てめぇだって意識吹っ飛んだら無我夢中で殺戮繰り返すってのによぉ!」
ゴスッ!
『・・・がはっ!』
今度はヒメの腹部に重いアイアンドライバーでの一撃が入る。
「そんで、目が覚めたら私何してたの?だってぇ??はっ、とんだお転婆なお姫様じゃねぇか!」

初めて意識のある中で影の自分と対峙したヒメ。
絶対絶命のピンチではあるが隣にマンクも、サリエルも、仲間達もいない。
ヒメはこの状況下、オスワリ家での過去の記憶を辿っていた・・・。


78 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 19:09 ID:+wY1GcP2
ゲームのお金が現金に替えられる!
ttp://www.ex-web.net/rmt/
残り期間わずか!!!

79 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 19:17 ID:jatFSs2B

「ヒメ〜、エルダ133匹狩ってきたよ〜♪」
「うん・・・ルナ・・・ありがとっ。」
人で賑わう通称エルダ森にアコライトとシーフの少女がいた。
「えっと・・・1kぐらいのヒールでいいかな・・・?」
「平気平気!一度もまだ喰らってないもん。」
「そっか・・・。あ、ルナ?」
「な〜に?」
「今ね。おうちから青ポが運ばれてくるからヒメのSPは気にしなくていいから・・・。」
「うんうん♪」

その光景を疎ましく見ている集団が2つ・・・3つ・・・。

「おい、そこのアコライト。」
その集団のうちのアーチャーがヒメに声をかける。
「え?・・・ヒメの事??」
「そうだよ、そこのさっきからず〜っと座ってるアコライト。」
「う、うん・・・。」

80 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 19:18 ID:jatFSs2B
「お前自分の力で戦おうとか思った事ないの?」
「え・・・?」
「みんな必死で戦っているのにお前はお座り公平。あそこのアコライトさん見ろよ。
ひ弱な攻撃だけどちゃんと殴ってるぞ?」
「だって・・・疲れちゃうし・・・ルナが倒した方が効率いいし・・・。」
「あ〜あ。駄目だ。全く聞く耳無しかよ。行こうぜ。
・・・。お前いつか一人になったときすんご〜く苦労するぜ?」
ルナが割って入る。
「いいでしょ!そんなの私も好きで前衛やってるんだから!!
人の狩り方とかに指図しないで!」
「あ・・・ルナ・・・。」
ルナはグラディウスをアーチャーに突きつけるそぶりを見せる。
「いやぁ〜、アコライトばかりじゃなく相方も相当いっちゃってるなぁ。
もういいや。んじゃな。」
アーチャーとその仲間達はヒメ達の前から去っていく。

81 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 19:18 ID:jatFSs2B
「ヒメ・・・気にしちゃ駄目だよ?あんなのただの妬みなんだから・・・。」
ルナは優しくヒメに声をかける。
「・・・・ヒメ・・・どうして責められるの?ちゃんと役目だって果たしているのに・・・。」
「ぐす・・・ぐすん・・・うぇぇ〜ん」
「ほ、ほらぁ〜、泣かない泣かない!次はここじゃなくてゴブリン森行こっ?」
ただ泣くヒメをルナはそっと彼女のおでこを撫でる。


82 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/21 19:19 ID:jatFSs2B
「お嬢様〜!青ポーション120個持ってまいりましたぞ〜!!」
オスワリ家の執事と思われる人物が青ポーションを胸に抱え込んでやってくる。

「ほら!執事さん来たよ??・・・行こっ?」
「・・・うん。」

ヒメ、ルナ、共に17歳の出来事であった・・・。(Lvは30くらい。)



83 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/22 02:11 ID:pc8AQ88j
やがて2人とも転職間近となり、ノンアクティブばかりの狩場では辛くなってきた頃・・・
おもちゃ工場のLOVEのオブジェのVの部分に座っていたヒメは、
傷だらけで戻ってきたルナにヒールをかけつつ、おずおずと切り出した。
「ルナぁ・・・あの兵隊さん危ないからヒメ、ニューマするね」
「平気平気♪そんなの避けちゃうんだから」
「でも〜・・・」
「・・・ま、こんな傷だらけで言っても説得力ないか。
じゃあ私がちゃんと守るから安心してついてきて」
「うんっ!」

「ヒメ!もうちょっとニューマ早く!!」
「え、ご、ごめ・・・ニューマ・・!」
逃げ回りルナに押し付けるのが精一杯でなかなか手が回らない。
「・・あの・・ごめんねルナ・・・ヒメ慣れてなくて・・・」
「ん、いーよいーよ。気にしないで」
ルナは笑うけれど、ヒメはどうもよそよそしいものを感じた。

と。
「ヒメ!!後ろ後ろ!!」
「え?」
振り向くとそこには氷で出来たトナカイさんが
よい子の1次職に血飛沫をプレゼントしながら突っ込んで来るところだった。

84 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/22 18:56 ID:C2804CFM
「キシャァァァ!」
二足歩行する氷のトナカイは大きな氷剣をヒメに振り下ろす。
「ヒメ!」
ルナが咄嗟の判断で、バックステップにより瞬時に怯えて動けなかったヒメを救い出す。
「グ・・・?グヒィ〜!!グヒィ〜!」
氷のトナカイはちょっと怒った。
そして自分の周囲にクリスマスを彷彿とさせるサンタ帽子を被ったゴブリンを召還する。
「ヒメ!大丈夫!?」
「う・・・うん・・・」
「私達の勝てる相手じゃないわ!逃げましょう!!」
ヒメとルナは一目散に駆け出し、おもちゃ工場入り口を目指した。
幸いトナカイの化け物は鈍足でもはや見えない距離まで逃げ切れたが、サンタ帽のゴブリンはしつこく彼女らを追尾する。
駆け行く道には無残にも殺された人達で溢れかえっている。
おもちゃの人形がケタケタ笑っているのが何とも今では恐怖とも思えた。
「5〜6匹・・・私達だけで倒せるかしら・・・?」
腹を括ったルナがヒメに話し掛ける。
「で、でも・・・ルナは深手の傷だし・・・私SP今ちょっとしかないから・・・。」
「それでもやらなきゃ殺されるでしょ!?」。

85 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/22 18:57 ID:C2804CFM
「で、でも・・・。」
「私達、こんな所で終われないわ!」
ルナはくるりと振り返るとグラディウスを構える。
「・・・かかってらっしゃい!」
相手はサンタ帽のゴブリンだけではなく、鉄砲を持った兵士も数体混ざっていた。
ルナではこの数でははっきりいって凌ぎきれないのは明確であった。
「・・・・くっ!」
次々と被弾していくルナを見ながらもヒメは何も出来ずにただSPの回復に徹し座ることしかできなかった。
「ル、ルナ・・・・・きゃっ!!」
心配そうに見守っていたヒメへ鉄砲兵がターゲットを変える。
「あ・・・あ・・・うっ・・・」
ルナとは対照的に鉄砲兵の攻撃一つも避けれずに次々と被弾していくヒメ。
「・・・・・ヒメ?!」
瀕死の身で防戦一方であったルナはヒメの方を見る。
「ヒメ!」


86 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/22 18:58 ID:C2804CFM
ヒメはこのままでは自分は死ぬと確信していた。ルナと自分だけではこの場は切り抜けられないという事も。
同時に自分のSPが魔法一回分ぐらいに回復している事に気付く。

「・・・ルナ!」
消え入りそうな声でヒメがルナに話し掛ける。
「・・・絶対助けにくるから!絶対戻ってくるから!!」
涙混じりのぐじゃぐじゃの声でヒメはルナに言葉を投げかける。

「・・・テレポート!」
・・・・。
ヒメは一瞬の光を発したと同時に消えていった。
「・・・・・え!?」
信じられないといった表情でルナは諦めと落胆・・・そして絶望の表情と顔が変わった。
もう防戦とかどうでもいい。流れのままに敵の集団の攻撃を受けるルナ。
そして・・・ルナは多くの血飛沫をあげ倒れる。

87 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/22 18:58 ID:C2804CFM
流血と涙でどろどろになった顔はもはや誰の顔なのかすら分からない。
散り行くモンスターを呆然と見ながら、ルナは意識が消える前にぽつりと呟いた。
「・・・ヒメ・・・どう・・・して・・・?
・・・信頼して・・・たんだよ?・・・いつも・・・一緒・・・だった・・・のに。」
ルナの瞳からは血混じりの涙がこぼれる。


その後、ヒメとルナはお互いに二次職になるまで顔を合わせた事はなかった・・・。

88 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/23 04:32 ID:NJwSC1+8
アコライトは倒れるヒメを踏みつけて、ヒメの心の中を見透かしているかのように言った。
「てめぇはルナを見下してたんだよ。
素性の知れない薄汚いシーフとお嬢様じゃ格が違うってな。
その証拠にあそこへは戻らなかった」
「行こうとしましたわよ!!でも・・・」
「周りに止められたからか?はっ!親友ならそれでも助けに行けよ!
おかげでルナは人間不信。覚えてるだろ?ルナにまた会った時、あいつが持っていたカタール・・・」
「・・・『裏切り者』」
「そうそう!てめぇに相応しいじゃねえか!!」
「ル、ルナが勝手に勘違いしただけですわ!!」
「また『私が悪いんじゃないもん』か?その時もそうやってルナをさんざん罵倒して逃げたんだっけな!!」

89 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/23 04:33 ID:NJwSC1+8
「相変わらず公平お座り?いい気なものね」
忘れるはずもなかった声。振り向けばアサシンへと転職した、かつての戦友の姿。
「ルナ・・生きてらしてなによりですわ」
「良くないわよ裏切り者。所詮私は経験値吸い取るだけの使い捨てか」
素直に謝るにはもう時がたちすぎて、ヒメは素直になれずに
「・・ふ、ふん、あんな所で死にかけるほうが悪いんですわ。
だいいち、テレポがなければ蝿を使えばいいのに」
「いつからそんな高慢ちきになったのかしら?ヒメ」
「高慢?私が死んだら狩りは成り立ちませんの。上に立つ者の余裕とお言い!」
「あ、そ。そういうつもりだったの。なら私はあんたを容赦なく殺せるわね」
「・・ほほ、対人戦最弱のピクミンが何ムキになってらっしゃるのかしら」
「な・・んだと・・・ヒメェェェェ!!!」
「おとといいらっしゃいなこのピクミン!テレポート!!」
ルナの突き出した殺人用のカタールは虚しく空を切った。

90 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/23 04:34 ID:NJwSC1+8
「ウジウジした自分が嫌ぁ?
周りからちやほやされていい気になってるだけだろうがよ!!
気に入らないことは責任転嫁してキレて、それで自分のやった事もまた私に責任転嫁して忘れて。
私はお前の本性。私が本物のヒメだ。お前は単なる隠れ蓑なんだよ」
「そんなわけ・・・私が本物ですわよっ・・!」
「おやおやずいぶん気弱だな。
分かってるわよ〜。本音では罪の意識があるんでしょう?
無茶ばかりしても苦しいだけ。もうそういうはやめにしない?」
アコライトのヒメは一瞬だけ優しい声音になったが、
次の瞬間にはまた邪悪な笑みを浮かべていた。
「私が乗っ取ってやるよ。気に入らない奴等を残らずブッ殺してやる。
手始めは・・てめぇを助長してきたその最たる、
てめぇの大好きなマンクからにしようか」

91 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/23 16:01 ID:rvTuzkvi
「見ろよ。」
空間の中から必死に過去の己と戦っているマンクの姿が映し出された。
「マンクは今攻撃を避けるだけで精一杯だ。そこでだ。」
「今私がマンクに速度減少かけたらどうなると思う?」
「・・・!?」
「避けれねぇだろうなぁ〜。アイツは結果防戦も虚しくてめぇに殺されるんだよ!」
「・・・お願い・・・やめて・・・」
「何ぃ〜?聞こえねぇな。・・・もっとデカい声でお願いしやがれ!!」
「お願いします・・・やめて・・・やめて・・・ください・・・!」
「ほぉ〜、高慢ちきな態度も消えちまったなぁ。まぁやりがいがあるってもんだが。」
「・・・。」
ヒメはもう自分の態度、そんなものなど気に止める事などできなかった。
マンクには助かって欲しい。それだけしか思っていなかった。

92 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/23 16:01 ID:rvTuzkvi
「黙ってねぇでもっと媚びやがれ!土下座して哀願しな!!」
土下座するヒメ。
ボスを今まで前線で狩り続けていた彼女にはまず有り得ない光景であった。
(私を救ってくれたのは・・・狭い闇から光の中へ戻してくれたのは・・・マンク・・・あなた・・・。)
(死なせは・・・しない・・・絶対!!)
(大事な人が・・・私の周りから去っていくのは・・・もう・・・嫌っ!)


93 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/23 16:24 ID:rvTuzkvi
おもちゃ工場の件以来、ルナとの連絡は途絶え、生死すら執行機関に届け出しても分からず終いだった。
「お願いします・・・!捜索を続行してください!・・・私の・・・唯一の親友なんです!」
「・・・お察しください。(;_ノ`)」
執行機関本部から追い返されるアコライトのヒメ。

「う、うぅっ・・・ルナぁ・・・。」
悲しみに明け暮れ膝をつき泣き崩れるヒメ。

そこに白銀の鎧と兜を身に纏い、ロザリーを首にぶら下げた剣士。
鬼の角のような頭装備に草の葉を口にくわえたシーフがヒメの前に現れた。
剣士は夕陽の中でただひたすら泣くヒメに話し掛ける。
「君・・・どうしたの?w」
「・・・居場所・・・なくなっちゃった・・・。」
シーフも口を開く。

94 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/23 16:25 ID:rvTuzkvi
「パーティーとか出されちゃった?」
「・・・ううん。私のせいで大事な人が。大事な人がね・・・。」
そこから先には声にならなかった。
「・・・そっか。」
「ヒメ・・・また一人ぼっちになっちゃった。もう自分なんて・・・ダイキライ。」
事情を大体察した剣士は優しい顔でヒメを見つめる。
「でもね、ヒメさん・・・だったかな?自分をあんまり責めちゃいけないよ?
自分がいたから、その大事な人にも巡り合う事ができた。違うかな?w」
「・・・・そうだよ・・・そうだよね。」
泣くのをやめ暮れゆく夕陽を眺めるヒメ。
「私も・・・強く・・・ならなくちゃ。」
「うんうんwww」
「あの。」
「・・・何?」
「もう泣き終わったみたいだから、これ使う?」
シーフはポケットの中からハンカチを取り出し、ヒメに渡す。
「・・・・ありが・・・とう。」
そう言った途端、また泣き出すヒメ。

ヒメ。マンク、サリエルとの出会いであった。


95 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/24 10:00 ID:gMNkuIk+
「マンクのためならプライドだって捨てます・・・ってか。
マンクに会ってからは幸せの絶頂だったもんなあ!」
アコライトは土下座をしているヒメを髪を掴んで笑い飛ばす。

「ワガママをなんでも聞いてくれて」
「守ってくれて、そして頼ってくれて」
「愛してるなんて言ってくれて」
「幸せすぎて周りのことなんかどうでもよくなって」
「世界は自分中心だと…思い込ませる原因になった優しいマンク」
す、とアコライトはマンクに向けて手を伸ばす。
「生かしておけるかよ!!速度減…」
「レックス・ディビーナ!!」

96 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/24 10:01 ID:gMNkuIk+
「…!」
アコライトのヒメの口からは吐息のような声にならない音が漏れるだけだ。
「マ、マンクに手を出すんじゃありま」
アコライトのヒメは無言でアイアンドライバーを振り下ろす。
グシャ!!
脇腹に命中すると鈍い音とともにヒメは倒れる。
「・・・・・う・・・ぐ・・ヒール・・・」
意識が飛びそうになるのを懸命に堪えてヒールをかける。
「マンクの悪口は止めて…悪いのは私…」
魔法の効果の切れたアコライトのヒメは口を開いた。
「そうだな、悪いのはてめぇだ。ようやく分かったかこの雌豚!」
その言葉にヒメは顔を上げた。
「…そう、ようやく分かりましたのよ。あなたは…」
ヒメはアコライトの目を見据える。
「あなたは私の、私に対する怒りなのですわね」

97 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/24 10:01 ID:gMNkuIk+
「…」
「でもそれを自分にぶつける事ができなかっただけですわ。自分可愛さに…」
ヒメは目に溜まりはじめた涙を袖で拭う。
「私が招いた事ならば、私が責任を取らないといけませんわね」
自分にヒールをかけると、ヒメはすっと立ち上がった。
「私はもう逃げませんわ。自分のしてきた事の責任を果たしましょう」
「ふん、小心者のてめぇに何が出来る!てめぇはここで消えやがれ!!」
「私がいたから、大切な人達に逢えたんですの。その人達のために、消える訳にはいきませんの」

「かかってらっしゃい!私は!この道を極めたプリースト!!あなたには負けませんわ!!」

98 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/24 16:20 ID:3An7JDxY
「・・・言われなくてもそうしてやるよ!」
アコライトはアイアンドライバーをヒメ目掛けて振り下ろす。
「私の詠唱速度をナメてもらっちゃ困りますわ!キリエエルレイソン!!」
即座の対応で目の前にバリアを張るヒメ。
そのバリアに弾かれアイアンドライバーが遠くに吹っ飛んでいく。
「ちっ・・・野暮な真似しやがって!糞がっ!!」
身を引くアコライト。
「こちらから行きますわよ!」
ヒメはソードメイスを手に取るとアコライト目掛けて突進していく。
「かかりやがったな?」
「え・・・?」
アコライトは素手でヒメのソードメイスを弾き飛ばす。

99 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/24 16:20 ID:3An7JDxY
「あ・・・!」
「てめぇなんざ素手で十分だ!」
アコライトの鉄拳がキリエが解けたヒメの脇腹にヒットする。
「ぐっ・・・!」
「てめぇも素手、私も素手。どうだ?お互い武器に頼らねぇで拳で勝負しようぜ??」
「・・・。」
「はん!おじけついたか!?」
「いえ・・・受けてたちますわ。」
「そうこなくっちゃなぁ!」
とはいえ、ヒメは拳で敵を殴った事など一度もない。
しかしヒメには秘策があった。

100 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/24 16:21 ID:3An7JDxY
「ミンチになるまで殴り潰してやるぜ!」
アコライトは駆け出し、ヒメの方に突進してくる。
9m・・・8m・・・7m・・・6m・・・・
(・・・今ですわ!)
「ワープポータル!」
「・・・・な・・・闇ポタっ?!」
アコライトは光の柱の中に消えていく・・・
「て、てめぇ〜!・・・けどな、すぐお前の元になんか影の私にゃあたわいもない事・・・!」
そう言い残し姿を消すアコライト。

101 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/24 16:22 ID:3An7JDxY
そして、再び姿を現したアコライトは先程の空間の中に戻ってきているという事を確認する。
「へっ、とんだ小細工を。・・・アイツはどこだ?」
後ろで声が聞こえた。
「誰が貴方を遠ざけるなんて言いましたかしら?」
「な・・・!?」
「喰らいなさい!イムポシティオマヌスで強化された私の鉄拳を!!」
アコライトが振り向いた時には遅かった。
ヒメの全身全霊を込めた重い拳がアコライトの顔を歪ませる。
「・・・・・がぁっ!!」
アコライトは数メートル先に吹っ飛ばされピクリとも動かない。
「・・・本来闇ポタはよろしくない事ですけど・・・まぁ、自分相手ですし。」
ヒメはよろめきながらもアコライトである「己」に近づいていった。


102 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/25 23:49 ID:8JpoJgmO
保守ageします(・ω・)シャリシャリ

103 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/26 08:42 ID:o8JXfWGS
「う・・・く・・」
アコライトのヒメは体をぴくりと痙攣させるが、それ以上動く事はできない。
アコライトは唇を噛み締めて、ヒメを睨みつけた。
ヒメはそんなアコライトに手を差し出した。
「なんの・・つもりだよ・・・また・・情けか・・?」
「いいえ。・・仲直りをしましょうと思いまして」
「・・は・・・ぁ?」

104 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/26 09:04 ID:MC4HUtXA
つまらんsage

105 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/26 15:04 ID:AOxp/AaC
「素直にして差し上げます」
ヒメは電動の張型を取り出し、アコライトの菊座にねじ込んだ。
「うぐあぁぁぁぁぁ(ry!」
「ふふふふふふ・・・」
ヒメの目は歪んだ獣欲と、畜生道をなぞらえる快感で潤んでいた。
「親睦を深めるには晩餐を共にするのが一番」
「?!」
アコライトはそれが黄金Play・・・飲んだり食べたりの犬畜生にも劣る
行為を意味しているとは気が付かず、ただ口からヨダレを垂らし
白目をむき、アウアウと泡を吹きながらのた打ち回るのだった。
ヒメの手は止まらない

106 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/26 15:30 ID:PQz74mX+
ソファーに座って豪快に大股開き。
オナニーはもちろんタップリ時間をかけて愛撫されてます。
おいおい大丈夫か、というくらい奥まで指を入れられ気持ち良さそう!
挿入シーンでは色んなアングルから結合部分が楽しめますよ。
僕はセーラー服が大好きです。無料動画でヌキまくり!
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107 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/26 18:26 ID:vO0m0ypi
「・・・どういうコトだ?」
「聞こえなかったかしら、仲直りを提案したのだけれど」
「何を企んで・・・」「貴女ッ!本当にワタクシッ!?私が言っている意味が解らないとでもいうの!?」
「な、なにを・・・」
「このアタクシがっ!自分からっ!言っているのよっ!?」
「あ・・・」
頬を上気させて叫ぶヒメと・・・呆然と立ちすくむヒメ
「嘘・・・だろう?」
「・・・このアタクシに、3度も言わせる気かしら?」
「・・・・・」

「意味が、解るでしょうに・・・貴女もワタクシなのだから。」

108 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/27 18:36 ID:CbWxdNjw
「・・・・ルナを助けてあげてくれ。」
「今は・・・ルナが闇の中で一人苦しみもがいてる。」
「お前しか・・・ルナは救えねえんだ。」
「・・・。」
黙ってその言葉一つ一つを聞くヒメ。
「ルナを『親友』って思う気持ちがあるならよ、助けてやれや。」
「私はお前の隠された『本能』みたいな塊だ。それを打ち破ったてめぇだ。
ピンチの時は私の力を自由に使いな。制御はもう今のお前だったらできる筈だしな。」
「貴方は・・・これからどうなさいますの?」
「これからはお前の心ん中にゃあ介入しない事にするさ。お前の・・・ヒメの意思だけで正しいと思った事を遣り抜き通せ。」
「・・・んじゃな。ヒメ。」
アコライトは薄々と姿を景色に消していく。

結界が解けた。
辺りを見回すとモロクの街の人々が復旧作業に勤しんでいる。
ヒメは首にぶら下げているロザリーをギュッと握り締める。

「マンク・・・どうか・・・無事で・・・。」
今のヒメにはマンクを助けることも何もできない。
ただ祈るだけ。
それだけしかできなかった。


109 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/27 19:02 ID:CbWxdNjw
一方マンクとマンク。
白銀の鎧を身に纏ったマンクの一つ一つの正確に狙いが定まった攻撃が容赦なくマンクを痛めつける。
「ちっ・・・!」
マンクが相手の右の剣の攻撃を避けようとすれば、左の縦の攻撃が待っている。
攻守万全とはまさにこの事であろう。

「いくら避けても無駄だ。騎士道精神すら語る資格すらない貴様は私の敵ではない!」
「元クルセイダーだった貴様は、敢えて剣士としての道を再び歩み、騎士となった。」
「しかし今の実態はどうだ?ただの一介の賞金稼ぎではないか。」
カキーンッ
「ぐおっ!」
剣の重さに吹き飛ばされるマンク。
「恩師ヤーウェ様が失踪した後にはお前は聖十字騎士団の意思も継ぐ事無くのうのうと何をしていた?」
「それがただの自由奔放に生きる賞金稼ぎだとはな・・・心底呆れ返るわ!」

「・・・違う!違うんだ!!俺は・・・っ!」
「ならば俺を倒し証明してみろ!」
過去のクルセイダーであったマンクに切りかかるマンク。
その攻撃を影のマンクは盾で防ぐ。
「・・・・はっ!」
影が気合を込めると盾から衝撃波が走る。
再びマンクは吹っ飛んだ。

110 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/27 19:03 ID:CbWxdNjw
「リフレクトシールド。序技だぞ?よもやそんな事すら忘れてはいないよな?」
「う・・・」
完全に忘れていた。剣技はともかくクルセイダーの技の性能すらも・・・
立ち上がる事のできないマンクに白銀の鎧を身に纏う影は歩み寄る。
「これが俺の未来の姿だと思うと背筋が凍りつくほど怒りを覚える。」
「・・・。」
「・・・・ホーリークロスっ!」
影は念を込めると剣を十字に振り、マンクの胸を斬りつける。
マンクの胸に十字の傷ができあがり、勢いよく血が噴出す。
「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!」
「・・・これがお前が背負うべき十字架。悔いることだな。」

(駄目だ・・・これが信念の差なのか・・・?)
(自分自身と戦う事だけしか頭に入れてなかった。ちょっと苦戦するかなとか思っていた。)
(・・・甘かった。)
(今、目の前にいる昔の俺は、今の俺と比べれば全て上回っている。)

111 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/27 19:04 ID:CbWxdNjw
(何よりも・・・自分自身を大切にしてる・・・。)
(今までも俺なんかこの体にも無理させてきたよな・・・)
(それが・・・差・・・。)

意識を失いかけたマンクはハッと我に返る。
体の傷が癒えている。しかし夢ではない。
目の前にはマンクがいる。
「ヒールをお前の体に施した。ほぼ全快に近いだろう。」
「お前は自分に何が足りなかったのか消え行く意識の中で思い出してきたようだな。」
「そう、それでいい。」
「このまま俺は、お前を更生させる。」
「それを拒むなら死んでもらおう。さぁどうする?」
マンクは戸惑いを見せずに影を見る。
「ああ、やってくれ!・・・御教授願おう。」
「・・・目に活気が戻ってきたな。・・・場所を変えるか。」
影は青いマントを靡かせると結界を解き、マンクを街の外の砂漠に案内する。

112 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/28 13:04 ID:RfWBKz7l
ラグナロクのゼニーが現金に替えられる!!!
●ゼニー引換所
ttp://www.ex-web.net/rmt/
●RMTを楽しく語るスレ
ttp://game3.2ch.net/test/read.cgi/mmosaloon/1063856003/

現金化は9月いっぱいまで!!! 残りわずか!!!


113 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/29 18:04 ID:JR3g47Sg
ソレは、悪夢だったのだろうか?
虚ろだった瞳に、鈍く力強い光が灯り、ようやくのことヒメは覚醒した。
辺りを、睥睨するように見渡す。
「・・・?」
誰を、見つけようとしたのだろうか?
それが自分でも解らなかった。
勝利を伝えたかった人が、居たはずなのに・・・

風が一陣吹いた。
現実にも、
最愛の人を闇の奥に堕とされた、ヒメの心の中にも。

114 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/29 18:59 ID:UTWhDnBQ
「ヒメ、大丈夫か!?」
ジャハルたちがヒメの元に駆け寄った。
「オシリスが消えたと思ったらヒメ達も急にいなくなったから…もしかして…」
「影が出たの!?」
「…貴方がたもさっきのと戦いましたの?…でも問題ありませんわ」
「はぁ〜・・・よかったわ〜」
安堵の溜息をつくフレイヤを見て、ヒメはフッと微笑む。
「心配してくださるのね、ありがとう」

一同「キモッ!!!」

「なああああああんですってええええ!!!!」
ジャハルたちの見事にハモったツッコミに瞬間湯沸し器の如く頬を上気させるヒメ。
「そうかお前は影のほうか…」
「んなわけないでしょう!!私を何だとお思いですのっ!!」
「おーいつものヒメだな」
「・・・もう!冗談はおよしになってくださいまし!」
「はいはい、ごめんねぇ」
フレイヤはあんまり反省していないようにケタケタ笑う。

115 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/29 19:00 ID:UTWhDnBQ
「ところでマンクはどうした?まだ影と戦ってるのか?」
「…そのようなんですけれども…心配ですわ…」
「いんや、結界みたいのはないみたいだけど…」
ランディが目を細めてあたりをうかがう。

「つまんない」
とのとき、彼等の頭上から声がした。
「せっかく最高の舞台を用意してあげたのにさ」
民家の屋根の上に座って心底つまらなそうな声で言う。
「役にたたない影だったね」
彼等のよく知った声で。彼等のよく見知った顔で。
「…ケイオス君…?」
エミリアが訝しむ。
「アイリス!!」
フレイヤが叫んだ。

116 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/29 19:01 ID:UTWhDnBQ
「アイリス?あいつがか?」
「ケイオスそっくりだぜ・・・」
ジャハルたちは驚きを隠せない。
「ケイオスの名前を出すなよ。気分が悪くなる」
アイリスは怒りの表情を向けた。

「でもまあ」
アイリスはちらりと後ろに視線をやる。
「ひとり手に入れたし、よしとするかな」

「あ・・・」
ヒメがソードメイスを取り落とす。
そこにいたのは虚ろな目をした、マンクだった。

117 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/29 22:00 ID:wTSUhGqE
遅くなったがさとうきび畑の唄に号泣してしまった…(つA`)

118 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/29 22:01 ID:wTSUhGqE
誤爆…。><;

119 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/30 06:59 ID:dzT6XJ+8
「さてと、んじゃ帰るよ。コイツを使ってするコトもあるし。」
マンクを、モノを見るような眼で見下ろすアイリス。
「まて・・・」
呼び止めるジャハルの制止も構わず、アイリスは足元にポータルを詠唱し消えていった・・・

「・・・」
脱力感が場を支配する。
「ケイオスたちに、なんて言ったらいいんだ・・・」

120 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/30 20:22 ID:1gBq5PAv
「行ってしまったか・・・」
思わず振り向くジャハル一行。
そこにいたのは・・・

燃え上がる様な赤い逆毛。
揺ぎ無い意思を湛えた力強い瞳。
強靭な肉体を包む重厚な白銀の鎧。
そして、身に纏うオーラは先程の騎士と同じ感覚を与える。

「マ・・・・マンク?」
「いや、あの装束はクルセイダーだ。マンクは騎士だぞ?」
「あなたはダーリンなの?」

逆毛のクルセイダーは手を肩の高さに揃え、「やれやれ」といったポーズを取る。
「オレが本物のマンクだ。騎士のマンクは、オレの影だ・・・。」

121 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/30 20:35 ID:1gBq5PAv
「オレは聖騎士団の時、一つの呪いを掛けられた。」
衝撃冷めやらぬ面子に、淡々と語るマンク。
「ヤーウェ様が黒に染まった時、オレの中の一部分がオレ自身を侵食する呪いだ。」
ヒメの顔が悲しみに沈む。
「その呪いで、オレは影に追いやられた。」
「奴はオレの名を持ち、騎士道を捨て去って剣士の道を再び歩んだ。」
「それが、貴様達の知っているマンク・ルポだ。」
「オレはアイリスがオレを再び発現させた時、奴にその現実を教えてやった。」
「奴自身には、オレが本体で奴が分身であるという認識は無かったからな。」
かちゃり。クルセのマンクは剣の鞘を鳴らす。
「オレは奴とアイリス、そしてヤーウェ様を討伐する!」
マンクの瞳が怒りに燃える。
「さらばだ。再び会う事も無いだろう・・・。」

「ま・・・待って!」
ヒメの言葉は、立ち去るマンクの背には届かなかった。

122 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/30 23:41 ID:godWtzld
ヒメはぺたりとその場に座り込んだ。
放心したような顔から涙がぽろぽろと零れていく。
「う……うう…っ…ダーリン…」
「ヒメ、大丈夫よ…大丈夫。きっとなんとかなるわ…」
根拠はないが、それでもフレイヤはヒメを慰める。
ボンゴンも心配そうにヒメを見ている。

「ん、んじゃ俺っちがケイオス達を迎えにいく、な?」
ゲフェンだっけ、とポータルの準備に入るランディ。
「私はモロクの憲兵に会ってきます。テロの誤解を解けるかもしれないから…」
エミリアはそう言って立ち上がった。

123 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/30 23:41 ID:godWtzld
一方ゲフェン。

「ジョブ41か。もう転職できるね」
サリエルさんが言った。
「えへへ〜やった♪あ、ケイオスは?」
「え、僕?えっと…40になってる!」
「2人ともおめ。転職する?」
「えっと…もうしちゃっていいんですか?」
「うーん、俺は50まで上げたけど」
「す、すごいですね・・・」
「でも50まで上げてまで取る必要あんまりないし」
・・・サリエルさん・・・なんかそれ悲しいです・・・

「しかしまず転職前に一度合流すべきであります!」
「そうだね〜」
ガリィが相槌をうった。

そうこうしている内に、僕達はゲフェンへと到着した。

124 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/01 08:34 ID:Ggzjbysm
ゲフェンに入った途端、僕にwisが飛んできた。
「あ、あれ?これ耳打ち??」
慣れないことに戸惑いつつ僕はwisに答える。

(お〜〜〜〜〜〜〜い、ケイオスいるかい?)
(え?えと・・・ランディさんですか?!)
(そうそう、無事でよかったよ。いまゲフェンについたんだけどさ。)
(迎えに来てくれたんですね!今どのへんですか?)
(んー、ゲフェン塔前で待ってるよ。)
(ゲフェン塔?)
(中央にでっかい塔があるだろ〜?そこの入口にいるからさ〜。)
(あ、はいわかりました。)

「ランディさんがゲフェン塔に来てだって。」
「…ヒメじゃないの?」
サリエルさんが首を傾げた。

125 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/01 08:35 ID:Ggzjbysm
「ランディさーん!」
「お〜ガリィちゃん無事で何より〜。僕のお嫁さんに何かあったら大変だったよ」
「やだもうランディさんったら〜!いくら私が可愛いからって〜★」
ガリィ・・・なんかすっかりなんというか・・・
・・・ノリがよくなったね・・・
それからランディさんはサリエルさんの方を見て、
それから足元を見てオーラに驚きつつ
「あっと。あんたがサリエル…?俺はランディ、よろしく。」
「うん。」
(男か・・・)
ランディさんの呟きを僕は聞き逃さなかった。

「そっかそっか。もう転職か〜早いな。てか早すぎだ!!」
「そ、そうなんですか・・・?」
「か〜っ!お前ら支援プリの修行の辛さをだなぁ・・・!!」
拳を握って泪流して語りに入りそうな気がする。

126 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/01 08:36 ID:Ggzjbysm
と。
「・・・ヒメじゃないの?」
流れを完全無視して唐突にサリエルさんは切り出した。
「…ん?あ、ヒメか・・・ヒメはいまちょっとアレなんで代わりに俺が・・・」
妙に言葉を濁すランディさん。
「何かあったんですか…?」
「ああ…そうだな、説明するよ」

ランディさんは僕達にモロクでの出来事を聞かせてくれた。
モロクにアイリスが来たこと。モンスターを呼び出して大規模テロを行ったこと。
みんながアイリスの呼び出した「影の自分」と戦った事。
事情をよく知らないサリエルさんにアイリスのことも説明を付け加える。

「それから…これはちょっと言いにくいんだけどさ」
ランディさんは腕を組んでう〜ん、と唸った。それから一つ溜息をついて
「・・・マンクがアイリスについちまった」
「もう1回言え」
突然、ランディさんの胸倉を掴んで、サリエルさんが低い声で凄んだ。

127 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 12:35 ID:vG2xnvCV
普段は穏やかなサリエルさんがここまでピリピリした声を出すなんて・・・。
「・・・な、なぁ・・おいおい・・。」
「サリエルさん・・・。」
「・・・ごめん。」
サリエルさんはランディの胸倉を離すと深々と御辞儀する。
「ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかな?」
「ああ?何だい?」
「アルデバラン北近くのポタ持ってる?」
「おう、あるぞ。」
「出してくれると嬉しい。」
「うむ。」
「・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・。」
「えと・・・」
「い、いきなりなじぇ・・・?」
「アイリスの気は分からないけど、マンクのいる場所なら大体察知できる。」
「長年の付き合いだったからね。」
顔の表情は一つも変えないが遠くを見つめるサリエルさん。
「今ここでマンクの体を取り返しておかないと。」

128 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 12:35 ID:vG2xnvCV
「・・・しゃあねぇなぁ。そんじゃ早速出すぜ?」
「ガリィとケイオス、レイドは先にモロクに戻ってなっと。ワープポータル!」
「ありがと。」
ぺコリと軽くお辞儀サリエルさんが光の柱に消えていく。
「・・・ケイオス。」
ランディさんが僕の方を見てポータルの柱を指差す。
「やっぱお前はサリエルについてった方がいいかな?」
「え・・・?」
「・・・興味あるんだろ?・・・もう一人の自分ってのに。」
「・・・そうですね・・・。」
「ならお前自身の目でもう一人の自分ってのを見極めてこい。何か分かる筈だ。」

129 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 12:43 ID:vG2xnvCV
「ブレス!」
ランディさんの唱えた魔法により僕の心の奥底から力が湧き出てくる。
「・・・行ってきます!」
「おし!ど〜んと行きたまえ!!」
「ケイオス、気をつけてね!」
「御武運を祈っております!!」

そして僕もサリエルさんに続き光の柱の中に姿を消した。


先にアルデバラン北門に着いたサリエル。
彼からは普段見せていなかった紫色のオーラが放たれていた。
サリエルはアサシンマスクを着用すると鋭い眼光で目の前のモンスター共を視野に入れる。

「・・・俺は今怒ってる。」


5分後、僕がサリエルさんのいる場所にきてみるとおびただしい数のモンスターの残骸が積まれていた。
その死臭の中で僕はサリエルさんを見付けた。

130 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 13:37 ID:5fxjiIgy
一旦CMにはいります

131 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 15:00 ID:vG2xnvCV
「サリエル・・・さん?」
僕は何とも近寄りがたい雰囲気を放つサリエルさんに近付く。
「・・・ケイオス。下がって。」
サリエルさんが睨む先にはもう一人の僕・・・そう、アイリスがいた。
「ここまで追ってくるなんて人間にしちゃ勘が鋭いね。・・・ん?」
アイリスは僕の方に気付く。
「あれれ?ケイオスお前もいたんだね?」
いつものように無邪気に笑うアイリス。
「そういや僕の新しい『玩具』に用があるんだっけ?」
アイリスは生気すら抜けているマンクさんを指差す。
「戦闘に長けた人間だってほんの心の弱みを握ればこのザマだよ。まぁ、後でじっくり色々楽しませてもらうけどね。」
だらんと項垂れるマンクを見てアイリスは笑い続ける。人間を嘲笑するかのように。
「何かさ。」
サリエルさんが口を開いた。
「何だよ?・・・・っ!?」
アイリスの目の前にサリエルさんが何時の間にか立っている。


132 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 15:01 ID:vG2xnvCV
「武器使うのも嫌んなってきた。」
「いつの間に僕の目の前に・・・ソウルスト・・・」

ドガッ!

サリエルさんの拳がアイリスの顔面を歪ませる。
丘の壁面に衝撃で叩きつけられたアイリスは何が起こったのか分からない表情だ。
「な、殴ったな・・・!・・・パパにも殴られた事ないのに!!」
「・・・お前は。」
間髪入れずアイリスを殴りつけるサリエル。
「マンクを冒涜した。」
「殴らなきゃ気が晴れない。」
「ぐはっ・・・!こんなことって・・・・」
信じられない・・・。あのフレイヤさんをも軽い一撃で気絶させたアイリスなのに・・・
圧倒的にサリエルさんが。・・・いや、アイリスを武器を使わずに素手で圧倒している。
「ちくしょぉぉ!」
アイリスは怒りと共に周囲に巨大な手の形をした泥のようなモンスターを召還した。
「お前はたぶん速さに特化しただけの人間。この数に囲まれたら避けるに避けれないだろ?」
「これで終わりだ!」
形勢逆転を悟ったのかニヤリと笑うアイリス。

133 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 15:02 ID:vG2xnvCV
「うぬぼれ過ぎ。」
サリエルさんは短剣を双方の手に取る。
そして周りの5匹の巨大な泥の手と対峙する。
いくら何でもあの数では・・・
「サリエルさん!援護します!!」
僕が走りサリエルさんのもとへ向かおうとした瞬間。
ズザ、ズザザザザッ!!

・・・僕の目の錯覚だろうか?泥の手全員にサリエルさんの攻撃が行き渡っている。
巨大な泥の手は1分も経たずに全て土に還った。

「う、嘘だ・・・お前・・・何で全体攻撃ができるんだよ!」
「サイドライク。」
「ま、説明しなくてもいいか。」
サリエルさんは再びアイリスに歩を詰め寄る。
「お仕置きの時間だ。」
「ぐ・・・こんな所で・・・!ソニック・・」
「させない。」
今度はサリエルさんの足刀がアイリスの顔面を叩きつける。
「ぶはっ!」
「・・・ん?」
サリエルさんは何かの気配に気付く。
「隠れてないで出てきなよ。」

134 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/02 15:15 ID:vG2xnvCV
パン。 パン。 パン。

拍手を送り、影からひっそり出てきたのは僕も忘れはしないあの男。
ヤーウェだった。
「・・・ヤーウェ!」
僕は叫んでいた。衝撃に駆られたのだろう。
「・・・いやはや。」
「見事な腕前。我が子アイリスをここまで子供扱い・・・いや、子供ではあるが。」
「ここまでの実力の持ち主。さすがツァバトがライバル視する理由もよく分かる。」
「パ・・・パパ!」
「やはり子供の成長は親は気になるものでね。かといって見捨てる訳にもいかない。」
「我が子アイリスの度が過ぎた悪戯は詫びよう。マンクの体も無条件で返す。」
「・・・ここは引き取ってもらえないかね?悪くない話だと思うが。」
「本当だな?」
「二言は無い。私達はこの場から去ろう。あとこれを渡しておこう。」
ヤーウェは裾からイグドラジルの種を差し出す。
「仮にも私の教え子であるマンク。情けぐらいはある。これを使えば意識は取り戻すだろう。
・・・意識だけは・・・な。」
「・・・ども。」
「礼には及ばん。それでは私達は失礼するよ。・・・行くぞアイリス。
さらばだ、ケイオス。」

135 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/02 23:00 ID:dKBxE15F
「イグドラシルの種…本当に治るんですか?」
「わかんない。でも」
サリエルさんはマンクさんの頬をぺちぺちと叩くけど、
全く無反応・・・。
「試してみるしかないね」
続いて頬をつねって引っ張る。やっぱり無反応・・・。
ていうか遊んでませんか・・?

今のマンクさんがどんな状態なのかよく分からないけど
「実」がガリィの呪いを解いたくらいだから、種もきっと効果あるよね・・・?
そう希望的観測を出しながら…

ふと、ガリィの呪いを解いたシーンを思い出してしまった。

136 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/02 23:00 ID:dKBxE15F
「?顔赤いよ?どうしたの?」
「い、いいいいえなななんでも!!」
やばい、なんでこんな挙動不審になってるんだ、僕!!
「んじゃ、・・・どうやって食べさせようか」
えーとですねそれはそのつまりそのあのこの人はなんかとんでもないことやりそうな。
「ヒ、ヒメさんが食べさせたほうがいいのでは・・・」
「んー。いやヒメには元気なマンク見せてあげたいかなって」
あーだめだってば。

「ほい」
サリエルさんはマンクさんの顎を掴むと
イグドラシルの種をそのまま口の中に放り込んで無理矢理飲み込ませた。

ムチャクチャだこの人・・・。

137 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/02 23:01 ID:dKBxE15F
しばらくするとマンクさんの体がぴくりと動いた。
・・・やった!?
「・・・ぉ・・・ぉ」
何かしゃべっているみたいだけど・・・

「オクレ兄さん!!!」

叫ぶなりバタンと倒れてぴくぴくと痙攣しているマンクさん・・・。
何この種・・・

「…ヒメに見せなくて正解だったかも」
「…100年の恋も冷めますね」
大丈夫なのかどうかはさて置き…

138 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/03 06:09 ID:wWYqvuFR
どことも知れぬ空間にヤーウェとアイリスは来ていた。
「パパ、どうして来たのさ」
アイリスは思いきり不満気に顔を歪ませ、ヤーウェを睨みつける。
「先程言ったとおりだよ。お前の様子を見に来ただけだ」
それに来なければ奴に負けていた、と付け加える。
「ぐっ…」とアイリスは唸った。
「油断しただけだよ、今度会ったら八つ裂きにしてやるんだ」
「…そうだな。だが今のお前はまだ不完全だ。さてアイリス、お前に言いつけたことは何だったかな?」
「ケイオスの居場所をなくす…」
「そうだよ、アイリス。だが今度は相手の力量を見極めることを忘れてはいけないよ」
「…わかってるよ」

139 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/03 06:10 ID:wWYqvuFR
「我等はジュノーへ行く。間もなく一般の者が渡航可能になる。その前にすることがあるのでね」
「じゃあ僕も行きたい。気晴らしにそっちでも誰か殺したいんだ」
「いやお前はお留守番だ。この国で待ちな…」
ヤーウェは言葉を途中で区切り、突如左へと首を向けた。
「…パパ?パパ?」
アイリスの呼びかけにも答えない。

「なぜその子を解き放ったのですか…ヤーウェ様…」
ヤーウェの視線の先に1人の女性が現れた。
「…セシルか。久しぶりだな」

140 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/03 23:56 ID:hL91SrK6
age

141 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/05 02:19 ID:Q8GpunKz
「お、お前は!?どうやってここに来たんだ!?」
アイリスは驚きを隠せない。
「ヤーウェ様・・・ご自分の子供にまで人を恨むようにお教えになるのですか!」
セシルはそんなアイリスを無視して、ヤーウェを睨んだ。
「ふむ、これは奇なことを言う。」
ヤーウェは平然としている。
「ケイオスからアイリスを分けるのに賛成したのは君ではないか。」
「( Д) ゚ ゚ 」
間抜けな顔をして驚くアイリス。
ヤーウェはセシルの前に歩み寄る。
セシルの手は微かに震えていたが、それでも目だけはヤーウェをしっかりと捉えていた。

「・・・私はケイオスに幸せになって欲しかっただけです。」
「ケイオスから闇の感情と記憶を切り離して閉じ込めて、
それでケイオスが幸せでいられると思っているのかね?」
「・・・ヤーウェ様が約束を破らなければ!」
「永遠に閉じ込めておく、とは言っていない。」

142 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/05 02:20 ID:Q8GpunKz
「セシルよ。君が教会に入ったのは、この事に関して負い目があるからか?」
「そ、そんなことは・・・」
言いながらも目線は下を向いてしまう。
「後悔しても遅い。ケイオスは私の思ったとおりに、見事に成長している。そして・・・」
「いずれケイオスは我等と共に歩む。それが彼にとっての幸せだ」
「違います!!ケイオスはきっと・・・」
「話は終りだ、我が娘よ。今はお帰り願おう・・・ワープポータル!」
「!?ヤーウェさ・・・!」
セシルの叫びは途中でかき消された。

「何で殺さないのさパパ?どう見てもただのアコじゃん。」
「確かにあの子はただのアコライトだ。少しばかり知識や情報に長けているがな。
彼女も我が子には違いない。それだけだよ、アイリス。」
アイリスはただ不機嫌な顔をするだけだった。

143 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/05 20:47 ID:G5BSP0dC

 〜一方、プロンテラ〜

 あれから、2日たった。
 ヒメさんの必死の看護で、マンクさんは正常に戻ってきた。
 その間に、みんな買出しや武具の修理、トレーニングとかをしてたみたい。
 ガリィは、騎士転職クエストのために必要なアイテムとかを調べてる・・・みたい
 みたい・・・か
 よく分からないのは、僕がずっと部屋で・・・

 「あああああああ〜〜〜〜〜〜・・・・」
 ペンを放り投げて椅子にもたれかかるケイオス
 「日記にでもしてみたら、少しは心の整理がつくかと思ったんだけどなぁ・・・」
 あれから2日、誰かに相談するでもなく、ケイオスは宿屋に引き篭もっていた。
 「サリエルさん、強かったよなぁ・・・」
 瞼に焼きつく、サリエルの雄姿。
 「追いかけて・・・追いつけるのかなぁ」
 このまま、アサシンとなっていいのだろうか?
 漠然とした何かがケイオスの転職を妨げるような、そんな奇妙な感じをうけていた。
 「あと1日だけ、考えてみようかな・・・」
 



144 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/06 03:56 ID:xaoSPPxj
「―それで転職を悩んでいらっしゃるの?」
「・・・はい」
1人で悩んでいても何も進展が望めそうにないので、
ベテラン冒険者に・・・隣部屋にいたヒメさんに相談してみた。
ちなみにマンクさんはまだ完治には程遠いようで、今は眠っている。

元々僕はこの世界のことなんか全然知らなくて、
シーフになったのだって「身軽だから」ってフレイヤさんに薦められたからであって・・・
最初から硬い決意を持って旅に出たガリィとは大違いで泣けてくる。

「確かにサリエルのようになるのは難しいですわね。
特にそんな漠然とした気持ちでは、なおさらですわ」
ヒメさんからの手厳しいお言葉。
「まあサリエル、いえ私達の時は道は一つのみでしたもの。悩むことなど出来ませんでしたの」
「その点・・・」
ヒメさんは指を2本立てて僕の前に突き出した。
「ケイオスは丁度いいタイミングで選択肢も増えて羨ましいですわ〜」
「え・・・?アサシンだけじゃないんですか!?」

145 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/07 04:54 ID:RbD15Y0o
「幾つかの職業が、冒険者として新しく認められましたのよ。
例えば剣士からはクルセイダー・・・」
ヒメさんはマンクさんの方を見て、小さく溜息をついた。
「昔のマンクや・・・ヤーウェがそうでしたわね。ただし冒険者ではなく王国直属ですけれど。」
「あの、じゃあ・・・シーフは何になれるんですか?」
「シーフからはローグ。上級の盗賊みたいな感じかしら。隠れたり、奪い取る能力が特出しているようですわね」
「・・・なんか、ちょっぴり良心的にアレですね・・」
「暗殺者が認められているのですもの。細かいことは気にしないことですわ。」

でも、ローグかぁ・・・未知の職業ってものおもしろいかも・・・

「何も今すぐ転職する義務はありませんもの。迷えるのは今だけと思って、ゆっくり考えなさい。」
ヒメさんの言葉に後押しされながら僕は部屋を出た。

146 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/07 13:54 ID:JMrmYQGY
僕は重い足取りで暮れ行くプロンテラの街を歩く。
「ローグ・・・かぁ。」
ヒメさんの説明を思い出す。
『相手の攻撃を記憶して使えるようになる』
まさに最初からこの能力がある僕にはうってつけの隠れ蓑となる職業だと思う。
アイリスも色々なスキルが使用できたし・・・やはりアイリスを越えるには僕もこのぐらいの能力を駆使しなければいけないのだろう。
「よし!まずはローグ転職用の履歴書みたいのでも用意しておこうかな・・・。」
そんな事を考えながら歩いているうちに僕は街外れの墓地の近くまできていた。
色んな人達の墓が並ぶ中、少し大きめのサイズの墓。
そこに一人のアコライト・・・セシルさんが黙祷を続けていた。
思えばフェイヨン攻城戦でヤーウェから事実を聞かされて以来セシルさんと会うのを僕は躊躇っていたのかもしれない。
しかし異母姉とはいえど数少ない僕の家族であったというのは間違いない。
僕は意を決してセシルさんに話し掛けた。

147 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/07 13:54 ID:JMrmYQGY

「・・・こんばんは。」
「あ・・・」
長い沈黙。
その沈黙の中、先に口を開いたのはセシルであった。
「無事で何よりだわ・・・。」
「・・・セシル姉さんこそ。」
「・・・・そう。知っていたのね。」
セシルは墓の方を見つめ嬉しいような悲しい顔を見せる。
「私達の・・・お母さんの墓よ。」
「・・・え?」

『カレン・セントルイス ここに永眠す。』

大理石に文字がそう刻まれていた。


148 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/07 13:57 ID:JMrmYQGY
「カレン様・・・ケイオスはここまで立派に育ちました。見ててくれていますか?
母さんの腕で抱かれてたケイオスが今、あなたの前にいるんです・・・。」

「か・・・あ・・さん・・・」
その文字を見た瞬間、僕の視界は涙で歪んでいた。
初めて会った母親。目にした母親。
しかし母は土の中。笑顔も見る事はできない。
とてもやるせない。・・・悔しい。
僕は土の中にいる母さんに手を合わせる。

149 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/07 13:57 ID:JMrmYQGY

「母さん・・・僕は色々な人と出会いここまで成長しました。
みんなと・・・母さんのおかげです。
・・・僕はローグにこれから転職します。
天国から僕と・・・セシル姉さんを・・・見守っていてください・・・。」

「父と・・・笑顔で再びここに来れる事を約束します。」

「ケイオス・・・。」
セシル姉さんは堪えきれずに涙をこぼす。

教会の鐘の音が聞こえる。
静寂に包まれた空間の中で僕とセシル姉さんはカレン母さんの墓の前で立ち尽くしていた。


150 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/08 19:49 ID:o/62z53C
翌日・・・。

ガリィは今頃、騎士の転職に行ったのだろうか・・・
みんなは首都で僕とガリィが転職するのを待ちわびているだろう。
もっとも、ガリィの身が心配でレイドは彼女に付いて行ったけど・・・。

今、僕はコモド方面にいる。ローグに転職する為だ。
僕はローグギルドで持ってくるように言われた
・亡者の牙10個
・亡者の爪10個
・スケルボーン10個
・青いハーブ6個
をギルド員に渡すとアラガムjrさんのところへ行けと言われた。

「あ、ここ・・・かな?」
僕はコモドの丘の奥にある一軒の小屋を見付けた。

コンコン。
「すいません〜、ローグギルドから来たんですが・・・」
ドアの奥から声が聞こえる。
「例の合言葉を言ってみろ!」
「あ・・・・えっと・・・。」


151 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/08 19:49 ID:o/62z53C

「アラガムは」
「製錬用品を」
「横領していない」

「・・・でいいですかね?」
「うむ、入れ。」

ドアを入るとそこにはターバンを巻いた男性が立っていた。
「よく来た。一つ言っておくが俺の親父は横領なんかしてないからな!!」
「あ・・・はい・・・。」
そんなに凄い剣幕で話し掛けられたら怖いって・・・
「よし、早速最終試験をしてもらおう!」
「て、展開早過ぎじゃないですか!?」
「グダグダ言うんじゃあない!アブドゥルjrとこの後飲みに行くんだよ!!」
「なんて自分勝手・・・」
「何か言ったか?」
「あ、いえ。」
一体何をやらされるんだろう・・・。先が不安だ。

152 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/08 19:50 ID:o/62z53C
「お前は俺の隠れ家から通じるローグギルドへ続く下水道を通って帰還してもらう。」
「それが最終試験内容だ。」
「へ?」
「何だ?」
「あ、あの、そんだけでいいんですか・・・ってこの隠れ家出てちょっと西行けばローグギルド・・・」
「えぇい!決まりなんだよ! 決 ま り !」
「ほら、準備はできたか?!」
「あ、いつでもオーケーですけど・・・。」
「そいじゃ行ってこい!」
僕は地下通路へと入る。


153 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/08 19:51 ID:o/62z53C

・・・・・。

ヒヒーーンヒヒーン。
グォォォォォォォ。
シャンシャンシャンシャン・・・キコキコキコ・・・

「な、何だこれ・・・?」
僕の目の前には無数のゾンビ、マミー、中には以前ルナが召還した騎士のゾンビ。
僕では間違いなく勝てないだろうと思われし黒い甲冑に、旗。そして馬にまたがった黒騎士がいる。

「は・・・ははは・・・。」
笑うしかなかった。他に何ができるだろう・・・。


「ふぃ〜っ、本日はここまでな。」
支度をして隠れ家の扉に『CLOSED』の下げ札をかけるアラガムjr。
そして気付く。
「あ。」
「・・・やっべ。凶悪なモンスターいるからハイドしながら進むって言い忘れてたわ・・・。」
「・・・・。ま、まぁあの坊主なら・・・分かるよな!うん!!」

こうして僕のローグになる為の最終試験が始まった・・・(´・ω・`)

154 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/08 23:29 ID:+vFcsxtx
「通りでおかしいと思ったよ・・。そんなに楽なはずないもんな。」
闇と静寂。そしてそれを乱す無数の足音に包まれ途方に暮れる。
「と、とりあえず安全な場所はないかな・・?」
目を凝らして辺りを見回す。光は天井にただ一つの切れ掛かった電灯のみ。
初めは足下のゾンビの群れしか見えなかったが、慣れるほどに向こう側も見えてきた。
距離はそんなに無い。もともと離れてもいないか・・。

この通路はモンスターが這い出すのを防ぐためか、入り口と出口にそれぞれ高い段差がある。
段差には梯子が掛かっている。
下は広い空間になっていて、そこにはさっきも言っただろう。モンスターの群れ。
落ち着いてきたのか不死系独特の酷い臭いが鼻をつく。
とにかく、向こう側に渡るには下を通る以外に無さそうだ。

「降りてから向こうの梯子まで・・。こりゃ死ぬだろ・・。」




155 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/09 19:28 ID:xPbY2fJ9
と、モンスターが一斉にこちらを向いた。

ええと、死ねってことですか?(´・ω・`)

戦うか!?
一瞬そう考えた。
スキルハックを使えば何とかなりそうだけど・・・でも・・・
出来れば使いたくない。禁止されているから、じゃなくて
そんなものに頼りたくないって気持ちが働く。

「ハイディング!!」
ここはシーフの技術のみで切り抜けられるはずなんだ。
隠れながら、モンスターたちが突然消えた僕を探すべく分散し始めるのを待つ。

156 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/09 20:46 ID:iEmxEKXU
http://www.jaga.jpn.org/game/BTank/
ここ逝け

157 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/10 10:41 ID:H78B7OEo
「今だ・・・!」
モンスターが散らばったスキを狙ってハイドを解除し、走り出す。
途端に追って来るモンスター達。

ザッザッザヒヒーーンヒヒーンキコキコキコキコウーウー
なんか後ろから音が波の様に押し寄せてくる・・・
チラリと後ろを見て後悔した。
怖ぇぇぇぇ!!マジで怖ぇぇぇぇ!!

使ってないのに速度増加+ペコペコ並みのスピードで僕は地下道を走り抜けた。

158 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/10 10:42 ID:H78B7OEo
「・・・おめでとう」
「ゼーゼー・・は・・・・ゼーゼー・・・はい・・ゼーゼー」
完全に息切れしてる僕を呆れるように見つめるギルド員の人。
「じゃ、これローグの制服ね」
と手渡されたのは・・・

トラ柄のジャケット。
髑髏のついたベルト。
トゲつきリストバンド。
パンクなズボン。

確実に笑われる。
僕は気が遠くなりそうになった・・・

159 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/10 13:10 ID:mM8soClV
しかし今までなかった「何か」が僕の奥底から湧き出てくる。
体が以前より身軽くなった気がする。
まぁ、格好がちょっと何か・・・なぁ。野党っぽいけどこれもまた住めば都ってやつかな?
僕は嬉しさを胸にローグギルドの出口へ・・・
っとそこにはジャハルさん、ランディさん、ストロンガスさんが拍手で僕を出迎えていた。

パチパチパチパチパチパチパチ

「Congratulation!」
「おめでとう・・・・・・・!」

待ち伏せされてましたか。そうですか・・・。

僕は3人に今までのいきさつを説明した。


160 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/10 13:10 ID:mM8soClV
「ふむ・・・。災難だな・・・。」
「深淵まで出てくるんかい?・・・まじすか。」
「しっかしさすがアラガム一族。完璧とかほざいといて全然完璧じゃねぇじゃね〜か!」

「しかし・・・。」
ジャハルさん達が僕の服装をジーッと見る。
「・・・・・・・。」
「な、なんですか・・・・。」

「ブワッハハハハハハハハハハハハ!!!」

「・・・いいですよ。どうせそうくると思ってましたし・・・。」
「あ、クク・・いや。なかなかワイルドになってていいと思うぞ?」
「そうそう!何かさ・・・その顔つきとパンクな格好のミスマッチさが何ともカッコイイって・・・ププ。」
「漢らしくなって・・・・・・・ガハハハハハ!」

僕は凄く恥ずかしくなって何を思ったか思わずハイディングしていた。


161 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/10 13:11 ID:mM8soClV
地中の中からでもみんなの笑い声が聞こえてくる。
普通祝ってくれる筈なんだけどなぁ・・・。
「ん・・・?」
僕は地中の中で、ある事に気が付いた。
「あれ・・・?何か地中の中進めるっぽい?」
さっきの試験では土は固かった。
しかし、今は簡単に進めるぐらい土は僕を受け入れてくれる。
(よし・・・あの3人をいっちょ驚かせてやろう。)
僕は邪笑しながら彼等へのちょっとした仕返しを考えた。

162 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/11 07:47 ID:0rXHffIK
「ク、クク・・・これは下手なトレーニングより腹筋を鍛え・・・」
「アッヒャッヒャッヒャ!は、腹痛ぇ・・・!」
「お、思い出すだけで・・・グワハハハハハ!!!」
だんだんと笑い声が引き攣ってき・・・そこまで笑わなくたっていいだろヽ(`Д´)ノ!!
僕は地中をゆっくりと進む。行きたい方向の土が勝手に避けていく感じがする。

・・・でもなんですぐにこんな事ができるんだろう・・・
すぐさまローグのスキルが使えるなんて・・・これもセントルイスの力・・?
考えれば恐ろしい能力だ。
僕はずっと後になって、この時の事を、そんな風に思い出す。

163 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/11 07:48 ID:0rXHffIK
だけど今はただ仕返しする事しか頭になくて、スキルハックとかぜんぜん頭になかったりして。
3人の背後と思われる位置に辿りつくと、ハイディングを解除する。
「笑うなあああああああああ!!!!」
「うおぶっ!!?」
まさかハイド状態で動けるとは知らなかったらしい3人は、
僕のあらん限りの大声に本気で驚いたようで、目を白黒させている。
ランディさんに至っては驚いた拍子にずっこけて額を打ち付けて気絶した。
構わず僕はランディさんに馬乗りになって
どこからともなく取り出した筆に白インクを付けて、
その背中に

バカ

と、でかでかと書いてやった。

164 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/11 18:32 ID:WDH1D5OE
次はストロンガスさんに狙いを定める。
「な、何が起こったんだよ・・・!」
僕はスッとストロンガスさんのズボンを剥ぎ取る。
そこに現われたのはフンドシ一丁の男一匹ストロンガス。
「な、なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
近くを通りかかった女の子のシーフが悲鳴をあげる。
「キャァァ!変態〜〜〜〜っ!!」
「ち、違うんだよ!ご、誤解だ!!ま、待ってくれ〜!」
逆効果なのにそのシーフの女の子を追っていくストロンガスさん。
もちろんズボンなど履いていない。
「来ないでぇ〜!」
その姿を見届けた僕は今ジャハルさんの真後ろに潜んでいる。
本人はまだ気付いていない。
(よし・・・。)
気付かれないように僕は子供じみた落書きを背中に施す。
相合傘で「ジャハル/半漁」
っと。

165 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/11 18:33 ID:WDH1D5OE
しかし全然気付かれないもんだ。こんなに楽々ジャハルさんの背後を取れるとは・・・。


帰り道。

「勘弁してくれ・・・ケイオスちゃ〜ん。拭き取ってくれよぉ〜。」
背中にバカと描かれたランディさん。
「正直・・・すまんかった。・・・だからこれを・・・」
相合傘が描かれているジャハルさん。
「頼む・・・男一生のお願いだ!ズボンを・・・ズボンを返してくれないかッ!!」
もじもじしながら歩く、腰に布一丁のストロンガスさん。

「宿舎に着くまでその格好でいてもらいます。」
キッパリ答える僕。
何だかローグになって僕自身の気が強くなったというか、悪戯心が向上したというか・・・。

「うぉぉぉぉぉぉ!まじ勘弁してくれぇぇぇぇ!!」
泣きつくストロンガスさん。
「分かりましたよ・・・というかストロンガスさんのズボンちょっと臭うんで・・・。」
僕はストロンガスさんにズボンを返す。
「俺は・・・今猛烈に感動しているぞ〜〜〜〜っ!ケイオスは最高だ!」
ズボン履きながらそんな事言われても・・・。

166 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/11 18:34 ID:WDH1D5OE
ジャハル・ランディ「俺達は・・・?」
「あ、すいません。水雑巾無いと消せないんで宿舎まで耐えてもらえますか?」

「ガーン。」

そんな中、周りの人達がランディさんを見て笑う。
「やだ〜。バカって書いてあるよ?あのプリースト。」
「あ。あのプリーストにナンパされた事あるんだけどかなり馬鹿なトークでねぇ、馬k」

「う、うぅっ・・・。」
うなだれるランディさん。


167 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/11 18:35 ID:WDH1D5OE
「皆さん〜!ご無事で何よりでやんす〜!!」
お迎えの使いなのだろうハンギョが駆け寄ってきた・・・が何かに気付き慌てて下がる。
「ジ、ジャハル兄・・・。」
「う、うむ。これには深い訳があってだな・・・。」
「いけないでやんす!あっしらは異種、しかもあっしには妻も子供もいます。」
「いくら何でも雄同士の恋愛基準とかそういうのは持ち合わせて・・・」
「フレイヤさんを捨ててそっちに走るのはよくないと思うでやんす〜!!」

ヒタヒタと走りながら慌てて去っていくハンギョ。
「う・・・・。」
「ケイオス。・・・やられたよ。」
そう言うと手を額に当てて座り込むジャハルさん。

(やり過ぎたかも・・・?)

168 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/12 05:23 ID:DoQCk28X
ケイオス達がそんな事をしているなんて露ほどもしらない私は・・・

「もーぅ!何時間待たせるのよ・・・」
転職試験会場は大勢の剣士で溢れかえっていた。
係員さんが一生懸命整列させているけど、
試験自体に時間がかかるのか、行列は途切れそうにない。
レイドも外で待たせっぱなしだし、ちょっと悪い気もする。
本日何回目になるかわからない欠伸を噛み殺して、そのたびに気合を入れなおす。
念願の騎士になるんだから!
「ふむ、ガリィ・・と。それではクルセイダーの試験に入る。」
「はいっ!」

169 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/12 05:23 ID:DoQCk28X

・・・

はいっ?

「じゃ、じゃなくてちょっと待ってください!!」
「?」
「あ、あの・・・騎士じゃないんですか?」
「・・・ここはクルセイダーの試験場だが?」
「・・・」

「し、失礼しました!!」
私は慌て試験場を飛び出した。
もーやだなんでこんな間違いしたんだろう!
剣士たちのクスクス笑う声が恥ずかしくて恥ずかしくて・・・
「ガリィ殿、試験はお済・・でないようでありますね」
「・・・うん、まだ続くみたい。騎士団の所に行こう」
ぜーーったい黙っておこう。うん。

170 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/12 19:11 ID:50d+zABb
「ん〜、レイドちょっと待っててくれる?」
「どうしたのでありますか?」
「もっかい情報整理しようかな〜と思って案内要員さんに色々聞いてくるの。」
「了解いたしました!」

私は首都を徘徊する。
徘徊していたの・・・だけれども

「キキキキキキキキキキッ」
街路の裏側から甲高い声をした赤い体をした小悪魔がこちらに目掛けて向かってくる。
どうしてこんなところにモンスターが・・・。
「あ、枝か・・・。でも何か可愛いモンスターだなぁ♪」
そんな呑気な事を考えているうちに、小悪魔はもう私の目の前に来ていた。
(私だって一人前の騎士になるぐらいの実力はあるんだから!こんなチビ助ぐらい・・・!!)

甘かった。
剣を大きく振るにせよ全然攻撃が当たらない。
「な・・・・キャアッ!!」
その赤い体をした小悪魔は、見た目はチクチクとしているが重い重い銛での突きの一撃を私に与える。
「キキキキキキ!キキキ!!」
「勝・・・てな・・・い・・・」


171 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/12 19:12 ID:50d+zABb
意識が朦朧としてきた。私、こんな枝で出てきたようなモンスターにやられて終わっちゃうのかな・・。
小悪魔は何やら詠唱を始めている。
(ここで・・・私は・・・)
そんな事を思いながら、薄れゆく意識の中で目を開く。
私の視界には一瞬炎の玉が見えたが・・・しかし。
目の前に全景を包み込んだ、紫色の大きなマント。
白銀の鎧にがっちりと装備されたヘルム。
そこにいたのは紛れもないクルセイダー。
「あ・・・・」
「下がっているんだ。こいつの相手は私がする。」
誰かの声に似ている・・・。でも、誰だったっけ・・・。
そのクルセイダーは小悪魔の攻撃を全て受けきっている。凄い・・・!
「斬ッ!!」
男が剣を十字に振るうと小悪魔は小さな悲鳴をあげて絶命した。
「・・・一難は去ったか。ちょっと待っててくれ。」
「ヒール!!」
剣士系の人なのに、このランディさんを上回るヒールの回復力。
私の傷は一瞬にして完全に癒えていた。

172 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/12 19:12 ID:50d+zABb
「動けるか?」
「はい、助かりました・・・。あの、ありがとうございますっ!!」
「人を守るのがクルセイダーとしての私の役目。それが私に課された贖罪なのだ。」
「礼には及ばぬ。」
「あ・・・は、はい!」
まさに攻守万全。付け入る隙が無い。私はこの人に憧れの眼差しを向けた。

173 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/12 19:13 ID:50d+zABb
「あ、あの・・・お名前は・・・?」
「マンク・・・ルポ。」
「・・・え!?」

驚いた私が話しかけようとすると、そのクルセイダーさんは夕暮れの中に消えていた。
「マンク・・・さん?」
偶然なのだろうか?いや、でもマンクさんは宿舎でヒメさんの看護を受けている筈だし・・・。
「でも声が似ていたような気が・・・。」
疑問が交差する中、私はある一つの決意が生まれた。
「よし・・・!やっぱり・・・!!」


174 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/13 19:00 ID:ZomM1Bv5
「ガリィ殿!転職の情報とか何か掴めたでありますか?!」
待機していたレイドが私の方に駆け寄ってくる。
「レイド。私クルセイダーになる。」
「なんと!な、何故でありますか?!」
「私も誰かを守れるような人間になりたい・・・。
いつもフレイヤさん達、マンクさん達、ケイオスやレイドに守ってもらってばっかり。」
「でも・・・私は変わりたいの!」
「ガ、ガリィ殿・・・。うぅぅぅぅっ!」
「このレイドリック、ガリィ殿のお考えに非常に感銘を受けました!
ガリィ殿にこの剣に誓って一生お仕えいたします!!」
「ありがとう、レイド♪」
私はレイドの鋼鉄の鎧に軽くキスをする。
「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!※☆?>#$6&#2?*+*!!!」
レイドの鎧の中から蒸気が噴き出す。

175 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/13 19:00 ID:ZomM1Bv5
「ちょ、ちょっとレイド!?」
私が慌てて声をかけた瞬間、マグナムブレイクに似たような噴気が露店の品を吹き飛ばしてしまった。
女の子の商人が慌てて商品をせっせと拾っている。
その女の子はぷぅ〜っと口を尖らせて私達に言った。
「もぉ〜、お熱いのは結構なんですけど!そういうのは路地裏とかでやってくださいよぉ〜!!」
「あ・・・ご、ごめんなさい。(´・ω・`)」
「か、かたじけない・・・。」

176 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/13 19:01 ID:ZomM1Bv5

そんな恥ずかしい光景を後にして、私とレイドはプロンテラ城へ向かう。

プロンテラ城内のクルセイダーリーダーの人にもう一度顔を合わせた。
「えっと、ガリィ・・・ん?さっきも来たよね?」
「はい・・・やっぱりクルセイダーになろうと思いまして・・・」
私は予め用意しておいた忠節の証と聖痕をクルセイダーリーダーに見せる。
「分かった。再度試験を受けてくれ・・・健闘を祈る。」
「・・・はい!」

こうして私の2回目のクルセイダーになる為の試験が始まった。
「護りし剣」。
レカードさんの言ってた「護るべき為の自分の信念」を見出す為に・・・。

177 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/13 22:04 ID:aLGFpTWW
「やっと・・・やっとついた・・・」
宿舎に着くなりジャハルさん、ランディさん、ストロンガスさんは力なく座り込んだ。

「おかえりー!転職おめでアハハハハハハハハハハ!!!!」
僕を見るなり盛大に笑い出すフレイヤさん。
その後ろでエミリアさんは僕からあからさまに視線を逸らしている。口元がぴくぴくしていますけど・・・。
「・・・もういいですよ慣れましたから・・・」
僕の後ろから男3人組の「このフェミニストめ」と言わんばかりの視線が飛んでくる。
フレイヤさん達に落書きなんかしたら、その場で殺される気がするので却下です。
「んで、アンタ達その背中どうしたのよ?」
「・・・うう・・・」
ランディさんの「バカ」の字を怪訝そうに見るエミリアさん。
ジャハルさんの相合傘に書かれた名前に殺気のこもった目つきになるフレイヤさん。
しーらないっと。

178 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/13 22:05 ID:aLGFpTWW
「あれ?ガリィは・・?」
「まだ帰ってないわよ。騎士の試験ってそんなに時間かかったっけ?」
「うーむ、そうでもなかったと思うが・・・」
いままさにこの時ガリィがクルセイダー試験を受けているなんて、僕含め誰も思いもよらなかったわけだけど・・・
「ちょいと、ケイオス、こっちこっち」
ようやく落書きを落として自信を取り戻したランディさん。
壁際に僕を連れてって肩に腕をまわして親指を立てた。
「もうすぐ騎士子たんのフトモモが拝めるな、ケイオス」
「ふ、ふとももっ!?」

179 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/13 22:06 ID:aLGFpTWW
騎士”子”って何・・・とか問う前にフトモモに反応する僕。
女騎士ってそんなに露出高かったっけ?
そういえばノービスのときは意識しなかったけどガリィってけっこう足が綺麗だったようn
「バッカ声でかいって!!」
焦るランディさん。
しかし時すでに遅し。
「騎士子たんのハンターとは大違いの頑丈なフトモモがどうかしたのかしら?」
「そこまで言ってねえ!Σ(´∀`;)」
「ええい問答無用!!!」
ランディさんのその後は・・・お察しください。

それにしても遅いなあ。どこも試験は大変なんだろうな。
ガリィ、頑張れ。

180 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/14 15:03 ID:5VwLfKMj
「ここを抜ければいいのね」
プロンテラ城の最下層にある地下監獄。
暗くて陰湿でなんだか嫌な場所。
「で、なんでこんなところにモンスターがいるのかなぁ・・・」
まあ、何もなかったらただの肝試しよね・・・

”一切モンスターを倒さず通り抜ける”のがこの第一試験合格の条件。
攻撃を受けようがとにかくゴールまで行けばいいのだそう。
本当は、痛いのは・・・とても嫌。
ツァバトにつけられた傷のあった場所が疼く。もう綺麗さっぱりなにも残っていないけど。
怖さを押さえようと、私は胸につけていたロザリーを握り締めた。
実はこれママの形見。
ほんの数秒、祈りをこめる。

痛いのは嫌、でも護りたいものが痛い思いをするのはもっと嫌。

「・・・いくわよ!!インデュア!!」
痛みを消すスキルをかけ、私は監獄を駆け抜けた。

181 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/14 18:01 ID:8Tquvlnp
痛みは消えてるんだけど・・・
「しかし、こっ・・・これは・・・」

キィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィキィ
・・・ファミリアが1、2、3、4・・・いっぱい
「UZEEEEEEEEEEEEE!」
発するは怒声。
燃え上がるは使い魔
「あぁ・・・″また″MBを・・・」

ガリィの転職試験は、長く、険しい。

182 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/14 23:35 ID:5VwLfKMj
「・・・私ってひょっとしてクルセイダーに向いてないんでしょうか・・・」
「・・・かもな」
クルセイダーリーダーといっしょに溜息をついたのは、14回目の挑戦をしくじった後だった。
「なぜすぐMBを使う!」
「だって鬱陶しいですしちょっとでも痛いの嫌なんですけど!」
「そこを耐えるのがクルセイダーだろうが!」
「う・・・」
あれだけ大勢いた剣士達は既にみんな転職して私だけが残っている。
やっぱり私は騎士向きなんだわ・・・_| ̄|○
でももうなると決めたし・・!
「ともあれ、今日はもう遅い・・・また明日でも」
「いえ、やらせてください。今度こそMB我慢します!Σd('A`)」
あ、フレイヤさんのクセがうつった。
「・・・分かった、後1回だけ挑戦するがいい」

我慢したわ、猛烈に我慢したわよ!!後でケイオスにバッシュ10かましたいくらい我慢の限界まで我慢したわ!
剣に布撒きつけて抜けないようにして耳塞いでコウモリの音聞こえないようにして目ぇ瞑って・・・
ふ、やれば出来るもんなのよ!係員のめちゃくちゃ呆れたような顔は見なかったことにした。

183 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/15 02:52 ID:QueO8EKy
常識問題っていうのは簡単にクリアした。
・・ってこれクリアできなかったら恥ずかしいじゃない、ネ?

そして最終試験・・・「浄化」
「5分以内で全ての敵を倒す」らしい。
聖水を持って部屋へと移動する。

・・・

「倒していいのね?容赦なく倒していいのね!?いくわよおおおお!!」
いままでの鬱憤を晴らすかの如くとにかく斬りまくって
すごい勢いでモンスターを全滅させた。
・・・浄化というより殺戮だとか言わないでよ!
「・・・最短記録だね・・・」
係の守護騎士さんが苦笑いを浮かべている・・・。

184 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/15 02:52 ID:QueO8EKy
「おめでとう。君もこれでクルセイダーの一員だ」
「はいっ!ありがとうございます!」
クルセイダーリーダーから合格をもらった。
「あんまりそれっぽくはなかったがな・・・」
「あう・・・」
「だがここへ来て試験を突破した、その決意の強さは認めよう」
「はい。私は私の護りたいものの為に戦うってずっと決めてましたから」

「ガリィ殿〜!!ついに転職でありますな!!自分は、自分は嬉しいであります!!」
中身空っぽだから涙は出てないけど男泣きの仕草をするレイド。
「ありがとうレイド!・・・ねえ、これ似合う?」
くるりと回ろうとしてちょっとふらついた。
この鎧、重い・・・
「もちろんであります!!ガリィ殿に似合わぬものなどないのであります!!」
「やだレイドったら〜!」

私達はすっかり暗くなった街を宿舎に向かって歩き出した。

185 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 18:39 ID:AgWw0oL7
私は宿舎のドアをめいいっぱいの力で開く。
「皆さん〜!転職でっきまっしたぁ〜〜〜〜!!」
その声を聞いて早速階段を誰か降りてくる。

ダダダダダダダッ

「フトモモキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」
あの馬鹿な声は・・・ランディさんか・・・。
ってか「フトモモ」って何?

「ガリィ〜!おっかえり・・・・・・・・肇
「あ、やっぱ驚きました?ちょっとした事がきっかけでクルセイダーになったんです。」
やった!驚いてる驚いてる♪
「・・・・・・('A`;)」
「ウワァァァ━━。゜(゜´Д`゜)゜。━━ン!! 」
何か号泣しながら階段を上って2階に帰ってしまうランディさん。意味が分からない。
「レイド・・・どうしてかな?」
「恐らく、自分と同じ感涙ってやつですな!感極まって涙が溢れたのでしょう!!」
「そ、そっか・・・。」
私とレイドは階段を上がり、みんなのいる部屋の扉を開ける。

186 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 18:40 ID:AgWw0oL7

みんなが私の格好に驚く。

「あら、騎士かと思ってたらクルセイダーに転職したのね?」
「うむ・・・ますます戦士らしくなったな。」
「ん〜、なんだ!ガッチリした感じがたまらねぇな!!」
「そうですわねぇ♪不死・悪魔系に強いんでしたらオシ、BAP(ry」
「いい顔つきですガリィさん、頑張りましたね!GJ!!」
「いやぁ〜、ウチも時期にガリィさんに越されますかなぁ・・・。」

「・・・・・フトモモ(´・ω・`)」

部屋の隅っこで何かに取り憑かれたように泣いているランディさん。
マンクさんは・・・まだ放心状態・・・植物人間かぁ。
「あれ?ケイオスとサリエルさんは?」
「サリエルならもうここを去りましたわよ?というか考えが読めませんわねぇ。」
やれやれといった感じでヒメさんは答える。
「そういやケイオスがいねぇなぁ?さっきまではいたんだけどよ・・・。」
「うむ、そういえばいないな・・・。便所か?」
ヒメさんは再度やれやれといった口調で声を発する。
「〜ったく、単細胞ですわねぇ、貴方達。ダーリンやサリエルだったらとっくに気付いてますわよ?」
「・・・ルアフ!」

187 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 18:41 ID:AgWw0oL7
ヒメさんが魔法を唱えると、私の背後に髑髏のベルト、獣皮のベストのパンクな格好をした・・・ ( ´,_ゝ`)プッ
「あ・・・あはははははははっ!」
「ガ、ガリィ殿・・・笑い過ぎですぞ・・・。」
「お、おいっ!あんまケイオス怒らせるな!!」
必死になるジャハルさん。
「え・・・?」
私の持ってた盾に「肉大好き♪」と白いインクで書いてある。
「ち、ちょっとぉ〜!何よこれぇ〜!!?」
「結局ガリィにも笑われるとは・・・僕のささやかな抵抗ね。コレ。」
「〜〜〜っ!ケイオス〜!ちょっと表出なさい!!
・・・スパーリングがてら勝負よ!」
「・・・は?」
「私が勝ったら土下座して謝ってこの落書き消しなさい!」
「はぁ・・・。」
「ケイオスが勝ったら・・・後で考えるわ!」
「へぇ・・・。」

ざわざわとした部屋を出て私はケイオスの首ねっこを掴み外に連れて行く。


188 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 19:31 ID:lgyrUtbP
「ハイディング!」
ガリィが身構えるのと同時に、ケイオスが掻き消える
「・・・え?」
「バックスタブ!ハイディング!」
「バックスタブ!ハイディング!」
「バックスタブ!ハイディング!」
(ry

・・・

「ごめんなさいもうしませんわたしがわるかったですちょうしにのってましたごめんなさいにどといたしませんはんせいしておりますこんごいっさい(ry」
「もう口きいてあげない」
「ウワァァァァァァァァァァン」
「この世には・・・力より強いものがあるのでござるなぁ・・・」レイドは、人の世の理を垣間見た気がした。

189 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 19:39 ID:GEBbznbt
一週間後・・・
「も、もう一回勝負よ!私と勝負しなさい!」
「・・・またやるの?」
「ふん、これを見てご覧なさい?」
私は懐から小さなクリップを取り出した。
「これは・・・クレアボヤントクリップか」
「そうよ、これを使ってあなたなんかけちょんけちょんにしてやるんだから!」
私は沸騰していた。
ケイオス君なんかに舐められるなんて、冗談じゃない。

190 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 19:50 ID:GEBbznbt
プロンテラ大聖堂裏の墓地。
「・・・何でこんな所で戦うのさ」
「いちいち動かす手間が省けるでしょ!」
「何をさ!」
「あんたをよ!」
「僕負けたら埋められるの!?」
「土下座して謝ってからね!」
「うそーん・・・」
この一週間の間、必死に修行してクルセイダースキルはあらかた会得した。
なけなしのお小遣いをはたいて対ハイディングクリップも購入した。
勿論この時の私には、護りたいものの為に戦うなんていう考えは微塵も無かった・・・

そして沸騰している私には、こちらを見つめるケイオス君が
何を考えているかなんて読めるはずもなかった。

191 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 19:59 ID:GEBbznbt
「で、ジャハルよ。これどっちが勝つだろねぇ?」
「マトモにやりあってケイオスが勝てるとは考えにくいが・・・
 何せハイディングが封じられているからな」
「うるせぇ!俺はケイオスに1Mzだ!
 うぉぉぉいケイオス、勝ったらファイアダマスカス作ってやるからなコラ!」
「あら、ケイオスに賭けているのはあなただけみたいね、ストロンガス」

「外野は無視!さぁ準備はいいケイオス?・・・って」
ケイオス君は目を瞑っていた。
「あぁごめんごめん、始めようか」
そう言って短剣を構える。
(出会い頭に凄いのをかましちゃうんだから・・・!)
戦闘開始、血液が沸騰するのを感じた。

192 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 20:15 ID:GEBbznbt
小細工は無理と判断したのだろうか、真っ直ぐ向かってくるケイオス君。
私には秘策があった。
「リフレクトシールド!!」
私は盾を真正面から突き出した。
堪らずケイオス君は吹っ飛ぶ。
「シールドチャージッ!!」
きれいな放物線を描いて飛んでいく。
「あははッ!シールドブーメランッ!!シールドブーメランッ!!シールドブーメランッ!!」
うまく決まってくれた、見たか。
ケイオス君は頭から地面に着陸した。

「・・・えげつなー、僕ちょっとあの娘怖いんですが」
「・・・うむ」
「・・・ええ」
「立て、立つんだケイオスゥゥゥゥゥッ!」

193 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 20:20 ID:GEBbznbt
鼻血を吹きつつ僕は頭から地面に激突した、痛い。
これ以上攻撃を受けると僕は倒れるだろう。
だけど、それでも僕は負ける気がしなかった。
ローグに転職してからだろうか?僕の中に様々な感情が浮き上がってきた。

盗む。

僕は、何でも盗む事の出来る力を会得した。
そう、何でもだ。

「・・・ストロンガスさん、心配しなくてもいいですよ」
「しゃコラ!行けやコラ!コラ!コラ!」
「・・・しぶといわね、まだ生きてたの」
僕は立ち上がり、またガリィの元に向かっていく。

194 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 20:26 ID:GEBbznbt
要はあの盾を奪えばいい訳だ。
「性懲りも無く・・・リフレクトシーってあれ?」
「これの事?はいシールドブーメラン」
僕はガリィの盾を後ろに放り投げた。
「ああッ!私の盾がー!いつのまにっ!」
「物騒なものはしまおうねっと・・・」
「くッ!ホーリークロってあれ?」
「必殺ソードブーメラン」
僕はガリィの剣を後ろに放り投げた。
「な、何でよーっ!」
今だ。
僕は姿を眩ました。

195 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/15 20:31 ID:GEBbznbt
「消えたッ!サイ」
「遅いよ」
背後を取った。
一瞬姿を隠すことが出来れば十分だった。
僕はローグだ。
欲しいものは何でも盗むことが出来る。

その気になればガリィでも。

その気になれば命でも。

「盗ったッ!!」
僕は、ガリィの細い首筋にぎらりと熱く光る炎の両刃短剣を突きつけた。
「僕の勝ちだ」

196 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/16 17:02 ID:wTTuteey
念の為にクレアボヤントクリップもちゃんと奪っていた。僕の勝ちは決まっている!
「あんま使いたくなかったんだけどね・・・。」
「何言ってるんだよガリィ!僕の勝ちだって!!」
「使い勝手は違うんだけど・・・。」
「・・・?」
「急所攻撃!!」


「・・・・・・・・・・・・・・うぼぉっ・・・・・・!」

その時、僕の自信、ローグの誇りは全て崩れ落ちていった。
慢心に溢れていた事のしっぺ返しというか・・・・
声にならない。僕の急所・・・僕の急所・・・

197 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/16 17:04 ID:wTTuteey
ずっさりとだらしなく股間を押さえ立ち上がる事すらできない僕。
「う・・・・・うぅ・・・・・うぅぅぅぅぅぅ・・・・。」
こんなのをランディさんはエミリアさん、フレイヤさんから喰らっていたのか・・・。
ランディさんは凄い人だと思ってしまった。
それぐらい・・・・・悪夢のような痛さだった。
「と、とりあえず・・・」
地中に潜る。潜らなきゃ追い討ちされるだろう。
というか凄く恥ずかしいんです。
「あ、また逃げた!」
ガリィは再び周りの地面を警戒する。
(こんな痛みじゃ接近戦なんて無理だよ・・・。
地中から奇襲かけて一気に畳み掛けないと・・・マズイ・・・。)
僕は既に盾を取ったガリィに必死に近付く。
彼女は辺りを見回しているが・・・何か・・・何かおかしいなぁ。
あのクリップは奪っておいたし・・・なぁ。

198 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/16 17:05 ID:wTTuteey
とはいえ僕もこの激痛の中時間に限りがある。
僕は渦巻く疑問を捨て、ガリィの後方に飛び出す・・・取った!!
・・・・・!?
「あれ・・・?」
ガリィは待ってましたというかのように僕の出現場所を把握していた。
「な、何で・・・??」
ガリィはニヤニヤしながら自分の周りの地面を指差す。
そこには煌びやかに光る黄色い粉。
「これ・・・星の粉・・・?!」
「これで一瞬だけどケイオスの出てくる場所は把握できるって事。
どうやら頭脳戦では私の勝ちみたいねぇ〜。」
(しまった・・・。)
「ア・・・アハハハハ・・・。」
苦笑するしかなかった。

199 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/16 17:06 ID:wTTuteey
「覚悟決めてね?・・・そ〜れ!シールドチャーーーーージ!!」
「ぐはっ・・・・!」
僕は吹っ飛ぶ・・・のだが。
その前にあがいてみようと瞬時に僕は思った。
「ストリップアーm・・・・・」
僕はずっしりと重い鎧を手に持った感触に心の中でVサインしていた。
そして僕は吹っ飛ぶ。
「私の勝ちねぇ〜!さってと土下座してこの落書き消してもらおうかしら?」
外野から声が聞こえる。
「ガガガガ、ガリィ殿〜〜〜〜〜〜!!」
フレイヤさん、エミリアさん、フレイヤさんはあちゃ〜といった表情。
ガリィに勝利を称え熱心に見つめている・・・ようなジャハルさん達男性陣。
「どうしたのかな・・・?・・・・・!??」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


ガリィの咆哮(?)が夜空に響く。

200 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/16 20:29 ID:6WcKJPPt
           ケイオスGJ!!!!! (3/3)
    \                          /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  
                ∩
               ( ⌒)    ∩_
                / ノ     i  ,,E)
              / /      / /"
 _n           / /_、_   / ノ
(  l     _、_   / / ,_ノ` )/ /_、_   
 \ \  ( く_,` )(       /( ,_ノ` )    n
   ヽ___ ̄ ̄   ) ヽ.  ラ |  ̄    \   ( E)
      / ジ  /   \   ヽフ  ス /ヽ ヽ_//

一瞬でチャットルームを作るランディ達。
中ではさぞや談義に華を咲かせていることだろう。
後ろでエミリアが武器を構えフレイヤがLovの詠唱に入っているのにも気が付いていない。

201 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/16 20:30 ID:6WcKJPPt
「ど、どうだ!僕だってただでやられるわけにいkぶベらっ!!!???」
「〜〜〜ッ!!!死ねえええ!!!ホーリークロス!!ホーリークロス!!!ホーリークロス!!!!」
・・・当然というかガリィの鬼神の如き猛攻にハイドする間も無くボッコボコにされる僕。
顔を真っ赤にして涙目になって片手で胸を隠すガリィを見ながら僕は意識を失った。

・・やっぱちっちゃいな・・・

そんなことを思いながら。

202 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/17 18:31 ID:gEkbyg3Z
思えばガリィは僕をボッコボッコにする時、我を忘れてマウントポジションの感じで打ちのめされていたんです。
そりゃあですね、痛いですけど眺めは最高な訳で。
どうやら鎧と一緒にガリィのブラまで剥奪していたとはその時になって気付いたんですけど。
あの時出した鼻血はいやはや、鼻がへし折れて出た血なのか、感極まって出た鼻血なのよく分からないんです。
ハハハハ・・・。

目撃者は語る。

というか僕です。

そして、宿舎の隅っこにゴミのように捨てられた果てた男4人。
女性陣は夜のプロンテラに買い物しにいってしまった。
ジャハルさんも、ランディさんも、ストロンガスさんもピクリとも動かない。

(ケイオス・・・お、お前のせいだぞ・・・)
(いや・・・あれは事故だったんですって・・・。)
(で、でもフトモモじゃないけどいい所見れた訳だし・・・さ。)
(うむ・・・一理・・・あるな・・・)
僕もズタズタの身ではあるのだが、この2人、体が焼け爛れているのによくもまぁ話できるよな・・・と思った。

203 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/17 18:33 ID:gEkbyg3Z
(しっかしちっちゃかったよなぁ・・・。)
ストロンガスさんが意識を覚ます。
(ああ。胸の事か?)
(そうそう!まだ未発達って感じが何ともいい感じだよねぇ。)
(で、でもやっぱヒメさんやフレイヤさんみたいな爆乳の方がいいんじゃないですかね?)

204 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/17 18:35 ID:gEkbyg3Z
(エミリアさんは・・・普通かな?)
(ケイオス、お前結構面白いところに目がいってるな。)
(ハハハ・・・。)
突然何か思い出したようにストロンガスさんがオープンで話はじめた。
何やら凄く興奮していてアドレナリンの分泌が凄そうな感じだ・・・。

205 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/17 18:36 ID:gEkbyg3Z
「俺はとんでもなく凄いものを手に入れたのかもしれない・・・。」
「あの時俺は、あの光景をスクリーンショットで撮っていたんだよ!!」


  _人人人人人人人人人人人人人人_
        >   な・・・・なんだってー!!   <
        ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
        _,,.-‐-..,,_       _,,..--v--..,_
    /     `''.v'ν Σ´        `、_,.-'""`´""ヽ
    i'   / ̄""''--i 7   | ,.イi,i,i,、 、,、 Σ          ヽ
.     !ヘ /‐- 、u.ケ  |'     |ノ-、 'ジ `,_` | /i'i^iヘ、 ,、、   |
    |'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!     iiヽ~oj.`'<_o.7 !'.__ 'ラ ``_,,....、 .|
.   ,`| u       ..ゝ!     ‖  .j     (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\   (二> /      !  _`-っ  / |  7   ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' /        \ '' /〃.ヽ `''⊃  , 'v>、
 !、\  \. , ̄        γ/| ̄ 〃    \二-‐' //

206 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/18 22:36 ID:gj6AAMCt
「ちょ、ちょっとストロンガスさん・・・」
「お、ケイオス君も男の子だねえ」
「まあ今見せるから・・・」
そういってストロンガスさんが写真を取り出したとき、それを別の手が奪い取る。
「ホントくだらないことやってるね、ケイオス君」
「アイリス!!!」
僕が仰向けになった時、そこには暗殺者の姿をしたアイリスが立っていた
「うおおおおおお、俺のお宝がぁぁぁぁ」
「うるさい」
アイリスはストロンガスさんを思いっきり足蹴にして気絶させてしまった
そして、怒りを込めた声で呟いた
「サリエルはどこにいる?」

207 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/18 23:01 ID:gj6AAMCt
「アイリス、貴様ぁぁーー!!!、俺達の密かな楽しみをーーー!!!」
ランディさんが叫ぶ、こういうときだけ熱くならないでくださいよ
「勘違いしないで欲しいな」
アイリスが短剣をランディさんの首に突きつける。
「ボロボロの君達をいつでもボクは殺すことができるんだ、変なことは言わない方がいいよ?」
「スィマセン・・・」
ランディさんが血の気の引いた声で誤る、ホント情けない・・・
というか、この状況は一言で言うならピンチだ。みんな体がボロボロでとてもアイリスとは戦えそうに無い
そう思った僕は渾身の気力を振り絞ってハイディングをして逃げることにした。
「逃げましょう!」
地中に潜るものの、あっさり地上に戻される
「ケイオス、君は死にたいのか?」
ルアフか、これじゃ逃げられそうも無い
「「「ケイオス君・・・」」」
結局、ハイド損とピンチが増えただけか・・・
「もう一度だけ言う、サリエルはどこだ?」

208 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/18 23:52 ID:+WFkXSZY
「あなたなんか会う価値もないそうですわよ」
ヒメさんが僕たちを挟んでアイリスと対峙するように立っていた。
「ヒメさん?!」
「こんな隅で大騒ぎしてるから何かと思えば…リザレクション!!ヒール!!」
ヒメさんは僕たちを見て呆れたように顔を顰めると
ランディさんに向かって魔法をかけた。
「後はお願いしますわ」
「お、おう…」
今度はランディさんの支援を受けて、僕達はなんとか回復していく。

209 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/18 23:53 ID:+WFkXSZY
その間にヒメさんは僕達をかばうように移動する。
「よくもマンクをあんな目にあわせてくれましたわね」
「マンク?あー、あのオモチャ?」
アイリスは突然の加勢にも驚く様子はなく、事も無げにいってのけた。
僕からは見えないけどヒメさんは多分眉がぴくりと動いてる…気がする。
「だいたいさ、あれは僕の呼び出したほうが本物なのさ。
パパの呪いで本物が押し込められて影が一人歩きしただけさ。
いくら意識だけはあるっていっても、自分が影だって分かっちゃった以上はさ…」
アイリスは高らかに笑う。
「一生廃人!それこそ人形だね。あはははは!」
「去りなさい。私の仲間の冒涜は許しませんわよ」
「笑っちゃうね!そんな人形が大切な仲間だって!」
「去りなさい。あまり私を怒らせるものではありませんわ」
前みたいなブチ切れ方をしないのが逆に怖い。

「こっちこそオモチャを奪われるしパパにまで怒られたんだ。謝ってお詫びの品でももらいたいくらいさ」
「それは自業自得ってものですわよ」
ヒメさんの足元のオーラが輝きだす。

210 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/19 18:47 ID:C9gKK8TC
一方、執行機関プロンテラ本部。
城の中には今の文化とは違う、ハイテクな機器のようなものがズラリと並んでいる。
モニターの前に座っている執行機関のオペレーターが何かを察知した。

「アンダーソン様!プロンテラ16時方向の宿舎から大きな気が確認できました!!」
その機関室の真中にずっしりとオーラを放つ男が座っていた。
タイザー・アンダーソン。そう、執行機関のトップに君臨する男。
この世界の法は彼の手にあると言っても過言ではない。
「・・・ほう。」
「あの場所は・・・そうだな。エミリアの仲間達の宿舎か。」
「モンスターの気ではない模様です!しかしこの邪悪な気は・・・。」
アンダーソンはその邪悪な気の正体に感づいたのか舌打ちをする。
「・・・ヤーウェめ。子供のしつけがなってないようだな・・・。」

211 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/19 18:50 ID:C9gKK8TC
彼は立ち上がる。周りがざわめいた。
「ア、アンダーソン様どちらへ・・・?」
「私自らこの件は片付ける。」
「いえ、私達だけでも片付けられるかと・・・」
「お前達では無理だ。・・・各自他の気配を感じたら連絡しろ。」
そう言い残すとアンダーソンは瞬時にワープする。
「アンダーソン様直々に・・・一体・・・?」
残された執行機関の幹部はただ騒然としている事しかできなかった。


そして、宿舎では・・・

「ほら、さっきまでの威勢はどうしたんだよ?」
転職したてとはいえ僕もかなり実力は上がった筈だ。
しかし僕が成長するにつれアイリスも力を伸ばしていたらしい。
「ちっ・・・キリエエルレイソン!!」
ヒメさんもマンクさんとコンビを組んでいないにしろ本当に前線で頑張っている。
フレイヤさん、エミリアさん、ガリィはまだこちらには到着していない・・・。



212 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/19 18:58 ID:C9gKK8TC
「その僕のおもちゃ返してくれたらケイオス達の命だけで勘弁してあげるよ?
僕の気が変わらないうちに早くよこすんだね。フフフ。」
「ダーリンの体を渡してたまるもんですかっ!」
「僕は更に強くなってあのサリエルと同じアサシンになった。
強いんだろ?サリエルって。・・・なら僕の勝ちは決まっている!!」
「べノムダスト・・・!」
宿舎の部屋の床がが一瞬にして毒の沼地になる。
「くっ・・・!」
「こいつはまずいな・・・毒が体を蝕んできやがる・・・。」
「僕が解毒します!」
とはいえこの毒沼状態じゃ何度も同じ事の繰り返しだ。
「そろそろ死んでもらうよ。生意気なプリーストさん。」
アイリスの刃がヒメさんの喉下に・・・
「・・・ヒメさん!!」

タッタラタラララ〜ン♪

「なんだ・・・?この歌は・・・??」

213 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/19 19:07 ID:C9gKK8TC
扉の外から聞こえてくる・・・何だこの歌?
下手だ。音痴だ。
これは酷い。

「誰だ?!出て来いっ!」
アイリスは扉を蹴飛ばす。
そこに立っていたのは、あの時の・・・フェイヨンの酒場で出会った・・・
執行機関のお偉いさん・・・えと、アンダーソンだったっけ?
「フフ・・・『ちゃんとチャットも恋だから』。いい曲だろう?」
アンダーソンは音が出るらしき小さな道具をしまうとゆっくりとアイリスに歩み寄る。
「パパはどうした?」
「うるさいっ!殺してやる!!」
アイリスは余程今の曲で機嫌を損ねたのか真っ赤になってアンダーソンに刃を向けて襲い掛かる。
「私がどうやって、この執行機関のトップに上り詰めたのか教えてやろう・・・。」
「時を制す者は・・・全てを制すのだ。」


「・・・しばらくお待ちください。」

そうアンダーソンが発すると『全て』が止まった。
誰も動けない。時計の針も動かない。風も音もない。
ただこの静止した世界を動けるのは・・・アンダーソンだけであった。
「さて、どうしてくれよう。」

214 :朱弓:03/10/19 19:29 ID:2NvziNi7
小説書きました。誰か評価お願いしますm(__)m
うちのBBSに書き込んでいただけるとうれしいです
http://moonlight-sanctuaryld.hp.infoseek.co.jp/

215 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/20 11:01 ID:RCvhLNBf
アンダーソンは静止した時間の空間の中で、その場で静止したアイリスに詠唱を始める。

「禁忌魔法12番、スキルロスト。」

アイリスの首元に「縛」という烙印が現れる。
「頃合か。」
アンダーソンがパチッと指を鳴らすと全ての時が動き出す。
「バッシュ・・・・!!!・・・?・・・何?」
「どこだ!どこに消えた!?」
「後ろだよ、坊や。」
アンダーソンは背後から軽い掌底をアイリスに見舞う。
しかしその一撃は重かった。アイリスは足を崩し、跪く。
「くっそぉ〜!ユピテルサンダー!!」
アイリスはそう言ったがただ声だけが虚しく響く。
「な、何でだよ・・・。」
「スキルハック・・・他人の努力を掠め取るような醜い才世だな。」
「少しお前に細工を施した。
お前が父から貰った闇の力、スキルハックの能力を封印させてもらったのだよ。」
「お前、パパを知っているのか!?」
「ああ、当然だとも。色々と迷惑してるからなぁ。」
「だから何だ!お前みたいな禿げに僕が負ける訳ないんだ!!」
「ほうほう。」

216 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/20 11:02 ID:RCvhLNBf
面白げにアイリスの必死の言葉を聞くアンダーソン。
「パパから聞いたことがある。執行機関の人間は『この世界の住人』への実力行使は御法度だってね。」
「だからお前は僕を殺せない。だが僕はこれからどんどん・・・」
言葉は遮られた。
アンダーソンは冷静な表情となりアイリスの首を鷲掴みにし持ち上げる。
アイリスには反抗する力は残されていない。アンダーソンの手から体力を吸収されているのだ。
「ぐ・・・・離せ・・・っ!」
弱々しい声でアンダーソンに言葉を発するアイリス。
「・・・お前、まだ自分が死なない、殺されないと思っているんじゃないだろうな?」
アイリスの顔面が蒼白化する。
「お前は気付いていまい。父親に利用された事も、自分の宿命にも。
パパは助けに来てくれぬよ。」
「そして・・・私はお前を平気で殺すぞ?」
そう言い、首元を掴んでいた手を緩め、アイリスは力なく床に倒れた。
恐怖に怯えたアイリスはただブツブツとぼやく。
「力が・・・力が・・・欲しい。」
「力が欲しい・・・か。
かつてその言葉に魅了されどれだけの人が闇に心を奪われたか。」

217 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/20 11:03 ID:RCvhLNBf
「今のお前はただの一介の成りたてのアサシンの実力に過ぎん。
力が欲しいなら『自分』の力で手に入れてみろ。」
「お前が他人の力を頼って薙ぎ倒してきた周りの人間は・・・」
「自分で道を見つけ、自分の力で成長している。」
「・・・。」
「ここにいてはアイリスとやらも一悶着あるだろう?ケイオス君。」
「あ・・・はいっ・・・。」
呆然と今までの状況を見ていたケイオスはアンダーソンに話し掛けられ我に返る。
「アイリス、お前の目的の場所があるなら送ってさしあげよう。」
「・・・ゲフェン。」
「そこがお前の道を切り開く起点となる場所か。」
「・・・うるさいっ・・・。」
「素直じゃないな。」
アンダーソンはすっかり静止したアイリスと同時にテレポートする。

218 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/20 18:03 ID:e8dDGOko
アイリスとアンダーソン。
彼らが着いたのは無限の草原が広がる平地だった。
草が靡く音、木々の葉が涼しげに揺れる音。
どこまでも続くような平原。そこに二人はいた。

「到着だ、坊や。」
「・・・うるさいっ。」
「まだご機嫌斜めなのか・・・どうしたものか。」
「・・・。」
「ここからはお前一人で成長してみろ。誰一人お前の冒険を邪魔する者はいない。」
「パパ達が・・・来たら?」
「おそらく来ないだろうな。お前は・・・」
「言わなくていいよ。」
何かを悟ったようにアンダーソンの言葉を遮るアイリス。

219 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/20 18:04 ID:e8dDGOko
「そうか。なら何も言うまい。」
「もう一人のお前であるケイオスに負けないぐらい頑張ってみろ。」
「何故その事を知ってるの・・・?」
「同一の固体が同じ世に生まれ出れば相反するのは周知の事実。
人は影を光を制御する事も出来ずに何かから逃げている。そして憎んでいる。」
「・・・。」
「しかしお前にはそんな人間を理解してもらいたいと思っているよ。」

アンダーソンはそのまま背を見せてどこまでも続くような草原の緑の中に消えていった。
一人残されたアイリス。
緑のざわめきだけが耳に入ってくる。

「あのハゲのオッサンにはかなわないなぁ・・・。」
太陽の光がアイリスの新たな人生の第一歩を祝福するかのように彼を照らしていた。

220 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/21 00:00 ID:fvQ5qkpM
「でも、さ・・・僕は」
呟きながらアイリスは手近な石を拾い上げる。
「知らないんだよ・・・」
それを近くで呑気に昼寝していたポリンに投げつけた。
幸せそうに涎をたらして眠っていたポリンは何も知らないまま弾けて昇天する。
「僕はケイオスの闇の部分なんだ。僕が知ってるのは・・」
「人間がどんだけ愚かだってことだけなのにさ」
ファブルやプパも容赦なく倒していく。
「不公平だよな。ケイオスばっか」
アイリスの脳裏にふと、1人の女性の姿が思い浮かぶ。
確かセシルとかいったか。
「あの女・・・僕がどうして生まれたのか知ってる・・・」
「会ってみようかな。気に入らないけどさ」

221 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 12:56 ID:tYIwaUQa
一方こちらは精錬所
修理工がせまりくる男達に怯えていた・・・
「で・・・ですから修理できるのは武器だけだと・・・」
「ゴタクはいいからさっさと直しやがれええええ!」
「死ぬ気でやれば何だってできるだろう!」
「必死で掻き集めた俺たちの苦労をわかってくれないか・・・!」
「ストロンガスさんもランディさんもジャハルさんも落ち着いてくださいよ・・・・・・ハァハァ」

「な・・・何なんだこの人達は〜〜〜〜〜〜〜!!」
修理工の悲鳴は、長々と響き渡っていた。

222 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 17:17 ID:tuIPr8l4
ケイオス達がプロンテラで修理工ともめてる最中、同じ時刻。
ジュノーの北に位置する廃墟。
そこにあの男はいた。
一緒にウィザードも同行している。

「ヤーウェ様。」
「執行機関総司令アンダーソンとアイリスの接触を確認いたしました。」
「そうか。」
「ヤーウェ様はあのままアイリス様をお遊びなさるつもりで?」
「エロヒムよ。」
ヤーウェは辺りの無残にも破壊された神殿の柱を見る。
「知っているか?
獅子は2匹の子を崖から突き落とし、這い上がってきた方を子として認める。」
「私の場合も然り・・・だ。」

223 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 17:20 ID:tuIPr8l4
「ダークロードの復活にはケイオス、アイリスのどちらかが消える必要がある。
片方がどちらかに吸収される。それによりアイリスかケイオスの存在が消える。」
「・・・。」
「片方の存在が消えてこそ、我がダークロードの復活の偉業は成し遂げられる。そして・・・。」

「這い上がって来た者が私の『息子』である事でもある。」

エロヒムはその言葉を黙って聞いていた。
「妻は・・・カレンはこの行為をどう見てるのだろう。」
「エロヒム、お前は私を滑稽な男と思うか?」
「私には理解にまで及びません。」

224 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 17:20 ID:tuIPr8l4
「・・・感情が無いというのもまた幸せなのかもしれないな。」
ヤーウェは近くに落ちていた戦士の亡骸であろう頭蓋骨を手に取る。

「人間は同胞を殺し、山を裂き、地を削り、海を汚し、風を腐らせる生物。
破壊衝動を持て余し、ただ生きるという欲望が、己と、己を取り巻く生態系に向けられる生物。」
「それ故に、人は自然から逸脱した存在。その暴虐も自然の摂理と言わざるを得ないのが今の状況だ。」
ヤーウェは拳に力を込めると髑髏を砕く。
砕かれた髑髏の欠片が砂塵となって荒野に舞う。
「この世界は・・・変わらなければならない。」
エロヒムは目の前で淡々と語る男の声を一つずつ聞き、そして口を開く。
「・・・ここは冷えます。参りましょう。」
「無口なものだな。」
ヤーウェは苦笑するとエロヒムに先導されるように歩き出した。
夜空の星々が煌びやかに輝いていた。

225 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 17:30 ID:tuIPr8l4
話は戻りプロンテラ精錬所。
「おい!てめぇみたいな若造じゃ話にならねぇよ!!」
ドンドンとカウンターの机を叩くストロンガスさん。
「ホルグレンはどうした!? ホ ル グ レ ン !!」
「ああああ・・・えっと・・・そのぉ・・・」
「奥か?奥にいんのか??ちょい邪魔するぜ!!」
ストロンガスさんはカウンターを飛び越し奥の扉の方へ行ってしまった・・・。

その扉の奥。
「10、20、30、40、50・・・240Mゼニーっ!!」
その一室にはアロハシャツを着てまさに出かけ途中といった男がいた。
ホルグレンだ。
有り余る大量の札束、金貨を数えている。
「ウホホホホホっ!こんだけありゃあ当分遊んで暮らせるぜぃ!!」
「ミッドガルドの国税局もまんまと騙せたし、過剰精錬ジャンキーからがっぽり儲かるし!」
「さて、コモドのお姉ちゃん達とたむろってハーレムと洒落込みますかな♪」

ガンガンガン!

「!?・・・だ、誰だ・・・?」


226 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 17:58 ID:tYIwaUQa
ドアの向こうから、恐ろしく低い声がひびいてくる。
「ひと〜つ・・・人の世の生き血を啜り・・・」
「!?」
「ふた〜つ・・・不埒な精錬詐欺・・・」
「な・・・何者だっ!?」
困惑するホルグレン
しかし、謎の声はどんどんボルテージをあげていく!
「みっつぅっ・・・!!!」

227 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:13 ID:2hI5BZo+
「うわあああっ!まさかああ!!」
「みぃっつ!人より力もち!この俺の顔を忘れたとは言わせねぇぞこのしょんべん坊主!」

・・・・・・
                                    ´
「ちょっと待ってそれ大ちゃんの数えう ボ   ∵
                              グ   *
                          ・      シ
                                  ャ  ∴・
                              、
                                  ア
            ・
                               ァ

                         ァ


痛烈なハンマーの一撃で、放物線を描きながら空を舞うホルグレン。
薄れ行く意識の中に、懐かしい己が師の声がこだまする・・・

228 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:30 ID:2hI5BZo+
〜〜〜

「・・・いいか坊主、客の持ってくる品物はどれだって、そいつら一人一人の
 とびきりの思い出が詰まってるもんなんだ。
 俺ら職人はそいつをこの鎚で出てこれねえように閉じ込めるのが仕事なんでえ。」

「はぁ・・・」

「お前のやってんのは、鎚で客の思い出ごと品物をぶち壊してんのと同じなんだよ
 もうちっと仕事を丁寧にしろい」

「はぁ・・・でも親方・・・」


229 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:30 ID:2hI5BZo+
「馬鹿野郎!弟子が親方の言うことに口答えすんじゃねえ!見ろ手前の仕事!
 こんなもん後二回炉に通したらポギンっといっちまわあ!いいかダガーっつのは
 十回炉に通せるもんなんだよ!それを雑に叩いてりゃあこうやって」

ポギン

「見ろ馬鹿野郎!どうすんだ手前!折れましたすいませんって客に謝んのか!
 んな侘びが通じるか馬鹿野郎!」

「すんません!すんません親方・・・!もう一度やり直します!」

「精錬仕事にもう一度はねえんだ馬鹿野郎!」

〜〜〜

230 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:32 ID:2hI5BZo+
・・・懐かしい夢を見た気がして、ホルグレンは目を覚ました。
目の前にはさっきと同じ仁王立ちの男。


「そらあ!俺の名前を言ってみろお!」
・・・
「だ、誰だ──!知らねぇ──!」


                        ボ   ∵
                              グ   *
                          ・      シ
                                  ャ  ∴・
                              、
                                  ア
            ・
                               ァ

                         ァ

231 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:40 ID:2hI5BZo+
・・・


「でよ、コイツを直してほしいんだわ。精錬職人さんよ。」
ホルグレンが先ほどまで数えていた札束でぺちぺちと頬を叩きながら、ストロンガスさんが凄む。
「あ、ああ。やる。やるから待ってくれ。何を精錬するんだい?」
「精錬じゃねえ修理だ。こいつをいっちょ、ぽぽーんと直しちまってくれよ。」

ひらり。
数枚の紙くずを取り出して見せるストロンガスさん。

「・・・?」
「写真だ。頼んだぜ精錬職人さんよ。」
「いやちょ・・」
「 頼 ん だ ぜ ! 精 錬 職 人 さ ん よ 。」

232 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:51 ID:Jo9WFn3c
「まま待ってくれ!無理だ!こいつは俺の仕事じゃねぇ!」
「できねえってのか?!てめえそれでも職人か!何遍待ちゃあいいんだ馬鹿野郎!」


馬鹿野郎!
馬鹿野郎・・・!
馬鹿野郎・・・・・・!


呆けたように、ストロンガスさんの顔を見つめるホルグレン。
「な、何だ?急に何かが去来したような顔しやがって・・・」

「・・・馬鹿野郎、か・・・

 全くだ。俺は一体今まで何をしてきたんだろう・・・
 手前の足りない脳みそを精錬することもしねえ、いつまで経っても馬鹿野郎だ・・・」

「な、何だよ・・・怒ったのか?悪かった言い過ぎ・・・」

233 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/22 18:59 ID:Jo9WFn3c
「いや、悪かったのはこちらの方だ。是非やらせてくれ。」
「・・・??」

ぐしゃ。
ホルグレンは瞳を輝かせて、写真ごとストロンガスさんの手を握った。

「ああっ!」
「大丈夫だ。俺が責任を持ってこいつを精錬する。」
「・・・」
「見ればうらやましい写真じゃねえか。
 二度とこんなことで台無しにしないよう、ばっちり焼き増しとくぜ・・・。
 ああ金はいらねぇ。俺を目覚めさせてくれたせめてもの礼だ。」
ひときわ瞳を輝かせるホルグレン。まぶしくてもはや正視できない。

「あ、ああ。よく分からんが出来るのなら頼むぜ!焼き増し分のひとつは手前の取り分だ!」
「おうよ!そら仕事の邪魔だ邪魔だ!出てってくんな!」

234 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/22 23:58 ID:cxVatrD8
私達は3人で夜のプロンテラへ買い物に出かけていた。
さすが首都、こんな夜中でも露天はいっぱい開いている。
・・・店主がみんな寝ているけど大丈夫なのかしら。

途中ケイオスからやたら頻繁にwisが来たけど当然無視した。
逆に嫌なことを思い出させただけ。
「あああああああむかつくっ・・・・ヽ(`Д´)ノ」(←23回目)
「ガリィ、そろそろ落ち着いたら?('A`;)」
そうはいっても思い出すだけで腹が立つんだからしょうがない。
よりにもよって・・・よりにもよって胸を見られたんですよ!
しかも2回目_| ̄|○
「まあガリィちゃんの気持ちもよく分かりますし」
巨乳のエミリアさんに私の気持ちがわかってたまるか・・・。
フレイヤさんやヒメさんに至っては爆乳の域に達しているし・・・。
神様人間は何故こうも不公平なのですかっ!!
「いやいやガリィ殿、自分はアレもアリかと思うのであります」
「レイド・・・フォローになってないわよ…てレディに対してなんじゃそりゃああああ!!」
容赦なくレイドをぶっ飛ばす。

235 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/22 23:59 ID:cxVatrD8
「まあゴミはしっかりお仕置きしておいたんだからさ、今日はぱーっと散財して遊ぶわよ〜!」
そう言いながらフレイヤさんはどんどん露天から色々買い漁っていく。
「そ、そんなに買って平気なんですか!?」
「まーね、あいつらの金だもん('∀`)」
ピカーン。・・・そういうことね!
「じゃあ私このプレートとマントと大リボンと・・・」
「せっかくだから、私はこっちの+7タイツを選びますね!」
「ええい!せっかくだから精錬祭りしちゃえ!!」
「(・∀・)イイ!ですね!クホ祭り!!」

散々趣味装備を買い漁った後、私達は精錬所へと向かう。

236 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:08 ID:G6Qdsd4P
「よし、できたぞ!」
ホルグレンはストロンガスさんに写真をどうよと言わんばかりに見せる。
「うほっ!・・・こりゃあすげぇ!!」
その写真はまばゆい輝きを放っており、丈夫にコーティングされていた。
勿論、写真の中にはガリィのむn
「しかもちゃんと精錬もしといたんだぜ?」
「こ、これは・・・」

+10 イモータル秘蔵の写真

「一応、画像が画像だから何かと第三者に破壊されるだろうと思ってカナトゥスカードも付けてやったぜ?」
「スロットなんてこの写真にあったか?」
「ん?そんなの適当にできちまうもんだよ??」
「そうなんかい・・・とは言えホルグレン、見直したぜっ!!」
「まぁな。」

237 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:08 ID:G6Qdsd4P
そこにジャハル、ランディが入ってくる。
「話は聞いたが実はだな・・・すまないが俺もお願いしたい写真が・・・」
ジャハルは顔を真っ赤にしてホルグレンにとある写真を手渡す。
そこには、お風呂でくつろいでいるフレイヤの・・・
「あ。俺もいいかね?アンタの腕を見込んでこいつを・・・頼むっ!」
続いてランディがエミリアが着替え真っ最中の画像が見える写真をホルグレンに渡す。
「よし、お二人さん!特別サービスだ!!
安くしとくぜ!?」
ホルグレンは早速この2つの写真の精錬(?)を始める。
「っとカナトゥスカード2枚必要だな。」

238 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:09 ID:G6Qdsd4P
  2時間後

「そ〜ら、できたぞ?」
「うむ・・・引っ張っても破こうとしてもビクともしないな。素晴らしい!」
「さすがホルグレンの旦那!ひいきにしてまっせ!!」
二人は精錬費用40kを置いてくと無邪気な子供のように店を出て行った。
「まぁ、なんだ。こんな事できるんだからもっと前向きに商売してけや。
・・・って俺ぁこんな技術持ってないから云々かんぬん言えねぇんだけどよ。」
「まぁな。初心を思い出させてくれたお礼だと思ってくれ。」
「へへ・・・。そんじゃ達者でな!」
「おうよ!」

239 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:10 ID:G6Qdsd4P
写真を持っていた3人。
彼らは知る由もなかった。
この写真を装備(所持)していると・・・

特定の女性の攻撃に120%追加ダメージを受ける

効果がある事を。

女性陣とケイオス達は精錬所にて間一髪すれ違いで終わったが

恐怖は今晩訪れる。



ジャハル・ランディ・ストロンガス「うわああああああああああああああああ」


240 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:14 ID:s2IiGLb5
まず、鷹の目が光り輝いた。
矢が飛んだ。

叫び声と気合が死の恐怖を煽った。
縦が飛んだ。

それらに呼応するように周囲の魔力密度が上昇した。
まるで駄洒落のような威力だった。

そして最後に。

宿屋の主人の悲鳴が上がった。

241 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:27 ID:s2IiGLb5
「んもぅ!あんたたちィ!アタシの宿を何だと思ってるのサ!」
あぁお腹減ったな。
「来るたび来るたび何かしら騒動を起こしてくれちゃってェ!」
そういえば夕ご飯まだだったっけ。
「まぁお祭り騒ぎはいいのよ!お祭り騒ぎは!アタシも好きだけどね!」
それにしても良く喋るおっさんだなぁ。
「アタシモこんなナリしてるけど流石に宿屋に大穴開けるようなことしないわよ!プンスカガミガミ、プンスカポン!!!」
ところで何で僕一人が正座しているんだろうか。


242 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:27 ID:s2IiGLb5

・・
・・・
・・・・
朝日が、眩しい。
窓の外にとてもいい天気が広がっている。
生命が起きだしてるということが肌で直接感じられるようないい天気。
今日は何かいい事がありそうだ。いや、あるに違いない。

「そうよォ〜まぁ分かってくれたならいいけどネ。」
                     ・ ・ ・ ・
「ありがとうございます…綺麗な、お姉さん……」
「やァーだァ〜!もうこの子ったらオマセさんなんだからァ〜
 イイワ、イイワよ〜。冒険なんかしてないでいつでもウチの宿にいらっしゃいな!面・倒ミ・テ・ア・ゲ・ル☆ミ」
クネクネしたおっさんは恥ずかしそうに顔を赤らめると手を振り上げた。
そして「キャッ☆ミ」と照れ隠しに一撃、僕の背中を叩く。

今日はいい事があるに違いない。違いないんだ。
そう信じて意識を手放した。万歳しながら。


243 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:40 ID:s2IiGLb5
あっれ〜ここどこなのかなぁ?
おとうさーん。おとうさ〜ん。せっかくおはな、つんだのに…
あっ。おかあさんだっ!

たったったったっ

はぁはぁはぁ。ねぇおかあさんぼく。おはなをつんだんだよ!あげるよ、とってもきれいだよ!

…あれ。おかあさん。そのおはなだれにもらったの?
…あれ。おかあさん。そのこだあれ?
「僕の事かい?僕はお前の

244 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/23 17:49 ID:s2IiGLb5
・・・・
・・・
・・

あっれー。ここどこだろう。
僕なんでこんなところで寝てるんだ?
「ふぅー……」
体を起こした。何だか背中が痛い。
えーと、昨日の晩はいつものドツキ漫才が始まって―――
あ、この痛みはその時のかな…。えーあー、うーんと、それから…?

あ。重大なことに気づいた。

何だか、僕ってにぶいんだろうか。盗賊の端くれのくせに観察力が足りてないっていうか―――
ともかく。
今更になってガリィを。僕の腰の辺りに寄り添って寝ているガリィに気づいた。

245 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/23 22:54 ID:Au2z1/EL
ガリィにボコボコにされてアイリスと戦って精錬所で大騒ぎしてこの宿舎でさらにボコボコにされて
宿の お 姉 さ ん の説教疲れでぶっ倒れたのは覚えてる。
・・・すごいハードスケジュールな夜でした・・・

で、何で起きたらガリィが横にいるんだろうか。
というか床で倒れたとはずなんだけど何でベッドに移動してるんだろうか。
ガリィは僕の疑問などものともせずすやすやと眠っている。
時々むにゃむにゃと口がポリンのようになる。
肉食べてる夢でも見てるのかな・・・
なんとなくガリィを観察する僕。
鎧を着ていないと結構華奢なのが分かる。
あの馬鹿力やらすごい戦闘力はどこから湧いてくるんだろうかって
不思議に思うくらい細い。ついでに胸は小さい。
さらさらの銀髪が窓から零れる陽を反射して輝いている。

246 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/23 22:55 ID:Au2z1/EL

ぶっちゃけ可愛い・・・

ちょっとどきまぎしながらもうちょっと観察しようと顔を近づける(*´Д`)
そこでぱちりと目を開けるガリィ。
だからどうしてそういうタイミングで・・・。
「何してんのよ!!」
「あべしっ!!」
僕の顔面に素手バッシュ(LV10)が炸裂した・・・。

247 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/23 22:56 ID:Au2z1/EL
「床で寝てるから運んであげたってのにこのスケベ!!ドスケベ!!」
あ、そういうことなのか・・・。
ガリィも疲れてそのまま寝ちゃったのかな。
「ごめん!昨日はほんとごめんなさいガリィ!!」
とりあえず僕は土下座して謝る。
・・・なんか前にも同じような事があった気がする・・・
ガリィはムスっとしたまま何も言わない。
「・・・」
「・・・」
気まずい沈黙が流れる。
と、
ぐぅ〜〜〜〜っと僕とガリィのお腹が同時に鳴った。

・・・・ぷっ

「「あはははははは!!」」

僕達は同時に笑い合う。
「ご飯食べよっか」
「うん、そうだね」

248 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 11:54 ID:CsY1g8rd
僕らはプロンテラの屋台で朝食をとっていた。
ガリィは朝っぱらからステーキをたいらげている。これでもう5枚目だ。

「これで腹八分目って感じかな?」
「それ有り得ないから・・・。」
ガリィの恐ろしい食欲に引いてしまう僕。
「いやはや、腹が空いては戦はできぬと言いますが、さすがガリィ殿でありますな!」
何がさすがなのか僕には分からない。
「あっ!すいません〜!!デザートにひとくちケーキ5個お願いできますか〜?」
追加オーダーを取るガリィ。
今回は全部御代は僕持ちだったりする。その辺も心配でしょうがない。
心配といえばジャハルさんやランディさんも昨晩から行方不明だ。

249 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 11:55 ID:CsY1g8rd
ストロンガスさんは松葉杖をついて帰還してきた。
本人曰く「道で転んだ」そうなのだが、どうも何か違うような・・・。
「ところでケイオス?」
「え・・・な、何?」
ガリィはケーキを口に頬張りながら僕に話し掛ける。
「知ってる?
昨晩ね。高僧のセージの人をたくさん引き連れていた悪魔の翼を持った美形の青年が目撃されたんだって〜!」
「悪魔の翼・・・美形・・・?」
「うん、そう。目撃者の人は女の人だったらしいんだけどその人曰く魅了されちゃう寸前だったみたいなの。」
「へぇ・・・。でも何でセージの人なんか連れてたんだろうね?」
「うんうん。何なんだろ?」
「う〜む、もしかしてセージの召還能力を利用しようとする者の企みか何かもしれませんな。」
「レイド、何か知ってるの?」
「いえ、セージのスキルというものにアブダカダブラというものがありましてそれにより稀に強大な力を持つモンスターを召還できてしまったりするのです。
高僧となれば任意でそのようなモンスターを召還できると言われてます。」

250 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 11:57 ID:CsY1g8rd
「ふ〜ん。レイドって博識だねぇ〜♪」
「いやいや、勿体無いお言葉でありますよ・・・。」
赤面してるかどうかは分からないが照れるレイド。


このガリィがチラッと触れたニュースは一部の人は誰も危惧を感じていなかった。
しかし、この情報に一番注目したのがフレイヤである。

フレイヤはジャハルに「お仕置き」を施した後、プロンテラ王国図書館でずっと書物を読み漁っていた。
片目眼鏡を付け古代の文献の一文字一文字を注意深く凝視し、ページを進める。



251 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 18:02 ID:61xPKbC9
「くぁー……」
思わずあくびが出てしまった。もう探し始めて3時間程は経っただろうか。
メモはたんまり溜まったが、核心には全然迫れない。呪文から魔力発現の法則も掴めない。
「アブラカダブラについて。」
ぼそぼそとメモを読み上げてみる。わかんなくなったときはこうするのが私の癖。
「・セージが習得し得る最終魔法。その難易度は高くかなり高位の賢者のみ習得を許される。」
例え魔術書が見つかったって私には理解すら出来ないのだろう。賢者は基礎は同じでも魔素組立方式が異なるんだったっけ。
「・ツデローヘデムベトーン2個を触媒として発現する。」
ツデローって公用語だとイエロージェムって言うんだったかなぁ…。
「・名前の由来については諸説。曰くAbraxasという神の名から取ったとか、『父・子・聖霊』を魔術理論に基づいて発音した、等。」
そういえば最近流行った小説では即死の魔法だったっけ。あ、あれはアバダ=カダブラだったかな。

252 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 18:06 ID:61xPKbC9
結局これくらいかぁ。あれだけ調べてこれだけ情報が錯乱してる魔法なんて聞いたこともないよ。
それだけヤバいものだってことなんだろうけど…。
「手がかりが無いんじゃなぁ〜」
目の前に詰まれた本の山にもお手上げである。
「もうやめちゃおっかな〜。ケーキとか食べたいな〜。ジャハル反省したのかな〜。」
すっかりやる気は消えうせた('A`)
ぽてっと机に頭乗せて窓の外を眺める。すると何だか団体さんがこちらへ向かってくるのが見えた。
入り口の方を覗いてみると羽の生えた男が受け付けを通っている。
「…美形だけど、変態くさいなぁ…」
男の後ろをついて来る団体を見て驚いた。
「…け、賢者の団体…!?」

253 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 18:13 ID:61xPKbC9
おかしい。いくら国交が復活したからってそれもつい最近のことだ。
この国には賢者の研究機関は無いから自力での研究材料採取(それもまたありえないことだが)以外で団体行動をとるなんて…!
しばらくすると男が何か指示を出す。賢者達が散開した。
(…わざわざこんなところにまで、調べ物を?ジュノーにはキャッスルがあるのに?…)
思考を張り巡らしていると男の一人がこちらへ来た。こうなりゃ直接聞いてみるか…?

あ、そうだ。こういうときに使うんだった。
ごそごそと胸元をまさぐってクリップを一つ取り出す。じゃじゃーん。よっし!
クリップに精神力を集中する。カードに秘められた魔術回路が発動する。今だ唱えろっ
「ハイディング!!」

衝動買いも役立つものである。今度はジャハルにも何か買ってあげようかな。


254 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 18:19 ID:61xPKbC9
賢者の男は棚を舐めるようにこっちへやってきている。いつのまにかすぐ側まで来ていた。
(…ひどくやつれてるな…)
「ふぅ…」
男がため息をつき、ふと机の上の山に目をやる。
「ひどいなぁ…この国の知識人のマナーってこんなもんなのかぁ…」
(…ミッドガッツの人ごめんなさい('A`;)…)
言いながら男は本を手にとり棚に戻し始めた。こういうのが許せない性分なのだろう。
「…ぅん?」
開きかけの本を手にとって呟く。

ぺらっぺらっ。

本を横に置き、山から一つ取り出す。

ぺらっぺらっ。

「…」
「…誰かが、調べていた…?」

255 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 18:23 ID:61xPKbC9
調べていた、何を?
アブラカタブラ。
この男は何故驚いている?
この国にはセージの研究機関がないから。
いや、違う。その程度ならこんな顔はしない。

…男の目的も、アブラカタブラだったから?
きっと、そうだろう。
でも、団体でアブラカタブラをわざわざこんなところに調べに来るなんて!
状況が奇異すぎる!

256 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 20:42 ID:YHBkxQkd
--プロンテラ大聖堂
「死ね!」
「ぐあっ・・・」
アイリスの短剣がプリーストの心臓を貫き落とす。

そこにはたくさんの腐臭と死体が存在していた。
そこに立っているのはアイリスとセシルだけであった。
「アイリス・・・なんでこんなことを・・・」
「ボクに襲い掛かってきた奴らが悪いだけだ、今回は殺すつもりは無かった。」
アイリスは血に染まった2刀をしまうとセシルに詰め寄る
「聞きたいことがあるんだ、ボクはどんなふうに生まれたかを」
「そのことですか・・・」
セシルがぽつぽつとつぶやき始めた。
「私は数年前、弟・・・ケイオスの分離をある方に頼みました。」

257 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/24 20:43 ID:YHBkxQkd
「ヤーヴェ様の旧知の仲である錬金術師の方に会いに、アルベルタ近郊の島キュプロスに向いました。」
「そしてその方は、ケイオスの心臓の半分をベースにあなたを作り上げました。」
「それからあなたはそれからずっと地下室の中にいたのです。」
「たしかに、ボクはケイオスの半身なわけだ。」
「ボクを生み出した錬金術師に会いたい、名前を教えろ。」
「私は名前を知りません。」
「ふざけるな、お前はボクのことを何でも知っている筈なんだ!」
アイリスが激怒しながら再び短剣を抜く
「下手なことを言えば殺す」
「でも、私は本当に名前を知りません、ただ・・・」
「ただ?」
「あの方は既にこの世には居ないでしょう。」

258 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/25 11:41 ID:Ik2WI2EE
「どういう事だ・・・?」
「あの時・・・その錬金術師のリーバス様はヤーウェ様の無罪を主張して異端者扱いされ絞首刑にされたのです。」
「ふん、そんな死んだやつの事だってどうでもいい。僕は事実を知りたいんだよ。」
「私は・・・その事をあなたに教えるつもりはありません。」
「まぁ、いいや。錬金術師ならアルデバランの錬金術師協会に行けば分かるんだろ。
もうここには用は無いね。」
アイリスは血に染まったカタールをしまうと聖堂の扉を開け放ち出て行った。

アルデバラン錬金術師協会。
そこにはアルケミストになる為に商人が集まっていた。
アイリスは屋敷内を見渡すと受付の男に話し掛ける。
「リーバスって人の詳細を教えてもらいたいんだけど。」
「ん?リーバス様のお知りあいだった方ですか??」
「リーバス師の娘様のミント様は現在ジュノーで暮らしております。
もし、父親の知り合いであるというならば是非会ってみてください。きっと彼女も貴方を温かく迎えてくれるでしょう。」
「・・・十分だ。」
「え・・・?」
しどろもどろする受付の人を尻目にアイリスは屋敷内にいる商人達を見回す。

259 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/25 12:04 ID:Ik2WI2EE
「あ、アサさんだ〜。」
「こん〜^^」

アイリスは感じていた。
自分の中で何かがくすぶり出されている事を。



僕はアルデバランの騒然となっている群集を掻き分けランディさん、ガリィ、レイドと共に進んでいく。
10分前僕と同じ顔のアサシンがアルデバラン錬金術師協会に入っていったのを目撃されたというのだ。
アルデバラン錬金術師協会。僕は人だかりができているのも気にせず屋敷の扉を開く。
アイリス・・・今お前は・・・何をしている・・・?
そして僕の目に飛び込んできた風景。

260 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/25 12:04 ID:Ik2WI2EE
「な・・・!」
床にはまだひきひくと蠢く胴体。ずるずると伸びた腸。
傍らには転がった赤毛の商人の首が、恨みを呑んだ目で窓を見つめていた。
あたりに立ち込めているのはむっとする血と生肉の匂いだ。
「ケイオス、中で一体何が・・・?」
「ガリィ。見るな。」
ランディさんは唾をゴクリと飲みガリィを制止させる。
どさりと音をたててもう1個、金髪の首が転がり落ちる。
首無しの胴体が勢いよく血を吹き上げた。
シャンデリアに釣られた死体は、まだ激しく痙攣していた。
床には他に多くの「肉」が転がっていた。
刻まれて跡形もないものもあれば、腕から先がついているものもある。

261 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/25 12:05 ID:Ik2WI2EE
「酷い・・・。」
まるで肉屋のようなその光景は地獄絵図であった。
合計40人ぐらいのマーチャントとその付き添い、受付要員のものであろうバラバラになった死体。
僕は背筋が凍りついた。
その時、奥の扉から若い商人の少女が現れる。
「・・・た、助けて・・・・」
のろのろと扉から必死に出ようとするもその努力は空しく終わる。
「あぁっ・・・・」
その少女の胸からは短剣が生えていた。両腕が短剣の柄にかかっている。
平らに刺さった短剣の刃は肋骨の間を抜けており、鼓動と共に赤い血が噴き出る。
どう見ても心臓にまで刃は達していた。
そして刃の持ち主が姿を現す。

「ケイオス・・・またこんなに殺しちゃったよ・・・ヒヒ・・・ウフフフ・・。」
アイリスは短剣を引き抜く。絶命した少女はドサッと口をパクパクさせながら絶命する。
アイリスの首元には『縛』という烙印は消えていた。
「き、気持ちいいんだよぅ・・・本心は殺したくなくても・・・殺すと気持ちいぃんだよ・・・。」
僕は感情を抑える事などできなかった。

「・・・・アイリスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!」

262 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/25 20:33 ID:62EQ2uo2
ほとばしる感情は、僕の枷をはずす・・・!
「アイスウォーーールゥ!」
「!?」
氷の壁が幾重にも展開し、アイリスを囲む。
が・・・
「・・・失望させないでくれケイオス」
アイリスの″ソニックブロー″で、砕け散る氷片
「血になんかたよらず自分の力で戦えェ!!!」
血を吐くようなアイリスの叫び・・・!

263 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/25 23:57 ID:hGK4N9I5
アイリスに何があったんだろう。
一瞬だけ考えようとしたけど、やめた。
ただどうしてだろう。どうしてもアイリスに応えなければいけないと思った。
「ケイオス!支援するぞ!!」
「ランディさん、支援はいりません。僕1人でやらせて下さい」
「え、ケイオス…?」
僕はファイアスティレットを抜き放った。
「…ハイディング!!」
そのままアイリスの背後に回りこむ。
「バックスタブ!!・・・え?」
必中攻撃のはずなのに手応えがない。そこにアイリスの姿は無かった。
思わず動揺した隙を狙ってアイリスが僕の目の前に姿を現す。

264 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/25 23:58 ID:hGK4N9I5
「お見通しだ!!インベナム!!」
「うぁ・・・!!」
有り得ないほどの衝撃に一瞬意識がを手放しそうになる。
床がぐるぐる回ってまともに立てない。
「スタンインベさ。強烈だろ?…死ねよケイオス…ッ!!」
「させるか!キリエエルレイソン!!」
ランディさんの声が響き、僕に振り下ろされたナイフが見えない壁に弾かれた。
「……てめ…邪魔をするんじゃねえぇぇぇぇぇ!!!」
アイリスの殺気がランディさんに向かったのが分かった。
…まずい!
僕は咄嗟に力を振り絞ってアイリスの服を掴む。
「インティミデイト!!」
その瞬間、僕とアイリスはその場から姿を消した。

265 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/26 00:00 ID:n9dB3uTu
「あ、おいケイオス!?」
「ちょ、ちょっとランディさん何があったのー!?こらレイド放せー!」
レイドに手で目隠しされてじたばたもがくガリィ。
「駄目であります!ガリィ殿、見てはいけないのであります!」
その時。
「…すみません!通してください!」
群集を掻き分け、1人の女アコライトが息を切らしながらランディ達の前に進み出た。
「…セシル!?」

266 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 11:52 ID:YT1AbYs8
セシルは目の前に広がる死体の海に十字を切る。
「・・・こうなってしまったのも私のせいなんです。」
目に涙を浮かべながらセシルは淡々と語る。
「アイリスとケイオスを戦わせ片方の存在を消しダークロード復活を達成させるのがヤーウェ様の目標。
しかし、フレイヤさんのお兄様、テスタメントはそれを利用しているに過ぎないのです。」
「話が複雑でよく分からないが、真の敵はテスタメントなのかい?」
「ダークロードも確かに強大な力を持ち合わせていますが、テスタメントの復活させようとしているロードオブデスはそれを凌駕しています。
ロードオブデスは『死』を糧としています。結局は死人が出る事には変わりなくロードオブデスは更なる力を手に入れダークロードですら取り込むでしょう。」
「えんらいこっちゃな・・・。」


267 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 11:53 ID:YT1AbYs8
「だから、まずはダークロードの復活、ケイオスとアイリスを接触させてはならないのです。」
「でもよ、アンタ、ケイオスの姉ちゃんなのにさ。何か無責任じゃないかな?」
「・・・。」
「まぁ、深く追求しないけどさ。あんま思いつめるとよくないぜって事ね。
んじゃまぁ、俺はここの死体処理をやっとくから、先にジュノーに行ってな?」
「・・・・助かります。」
セシルはその後は何も喋らずにテレポを唱え消えていった。

「ケイオス・・・死ぬなよ。」


一方、ケイオスとアイリス。
彼らはただ何もない、薄暗い建物の中で対峙していた。



268 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 12:03 ID:YT1AbYs8
「どこだ・・・?ここ?」
アイリスが辺りをキョロキョロと見回す。
「アリーナ・・・ここなら周りにも被害は出ない。」
アイリスが邪笑する。
「つまり、誰もお前を助けにきてくれないって事だよな?」
「いや。」
「・・・誰も巻き込まないって事だよっ!!」
以前、今は閉鎖されて進入禁止となっているアリーナという場所を聞いた事がある。
特に正確な場所とかは知らなかったがうまくこちらの方に移動できたようだ。
僕とアイリスは再び刃を交える。
「くっ・・・。」
激昂した僕の方が僅かにアイリスを押している。畳み掛けるなら今だ。
「アドレナリンラッシュ!!」
僕はそのままアイリスの胸に短剣を突き刺し、力押しで吹き飛ばす。
「フフフフ・・・そろそろ・・・かな。」
「なんだ・・・?」
「僕の真の力をそろそろ見せてやるよ。」
「え・・・?」
アイリスは不敵な笑みを浮かべると、体全体を震動させる。
彼の手が・・・異形の形に変わり、肉体が引き締まっていく。
半人間、半モンスター。それがアイリスの変身した姿だった。
もうアサシンの姿ではない。


269 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 21:59 ID:y8Z5F+Un
僕はなんだか分からない禍々しさに気おされ3歩後ろに下がる。
そして、注意深くモンスター情報のスキルを使用した。
そして、・・・結果が出た。不思議なことに
アイリス
Lv79 HP??? atk1948 def50+45 aspd190 agi??? int??? dex??? Luk??? 闇4
どうやら、僕はとんでもないものを相手に回したらしい。
アイリスの振動が止まる。
異形・・・にふさわしい4本の腕、攻撃的な体の刃、そして圧倒的畏怖
間もなく突進したアイリスの2刀とジュルが同時に襲い掛かる。
僕はそれを避けて間もなく襲い掛かる短剣をかわす。しかし、完璧にはよけ切れなかった、頬に傷が付く
ブシュゥゥ・・・
激しく血が噴出す。ほんの小さな傷痕から血がどんどんでる。
「くっ」
間を取ってすばやく短剣応急処置をする。止血には成功した物のダメージは大きい。
ボスモンスター以上の強さ、そして人間の武器、2つの威力が襲い掛かる。
だが、僕は活路を見出していた。



270 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 22:08 ID:y8Z5F+Un
驚異的な攻撃速度、圧倒的攻撃力。
しかし、変身後のアイリスには命中率が伴って居ない。
付け入る隙はそこにある。
「ハッハ、ドウシタケイオスゥゥ!!!」
「バッシュ、バッシュゥ!!!」
2つの強打が襲い掛かる。僕は後ろに軽く飛び、そして体を右に倒し2連激をかわす。
そして、行き先を失ったエネルギーがアリーナに襲い掛かる。
ズゴォォォン・・・
打点であった床は1mほどえぐられている。食らえば死ぬどころか体があるかすら分からないだろう。
だが、これではダメだ、早すぎる。
もっとディレイが無ければアイリスを急襲することすらできない
僕は挑発をすることにした
「アイリス、変身したら急にリアルintが下がったねwWw」
「ボクヲ、ボクヲグロウスルナァァァーーー」
本当にintは低かった。
チャンスだ。僕は振り下ろされる腕の間に飛び込む。

271 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 22:25 ID:y8Z5F+Un
「ソニックブロウ!!!」
「ストリップウエポン!」
爆音とともに再び床が舞い飛ぶ。破片が埃のごとく舞う。
そして、主人を失った短剣がヒュンヒュンと回転しながら床に突き刺さる。
煙が晴れ、カタールが吹き飛んだ。
ストリップウエポン・・・武器を装着解除し、しばらく装備不可能になる。モンスターの場合、atkが10%下がる
成功率はお互いのdexの差に依存する。

アイリスは半モンスター、半人間であるがゆえに両方の効果を受ける。
相手の命中率的に、dexはほぼないと考えていた。
「ググ、ケイオス・・・ケイオス・・・」
アイリスが唸るがごとくつぶやき、僕は自慢の拳を顔面にお見舞いしてやった。
「はあっ!」
顔面がぐにゃりとへこむ。
「・・・ッッ!!!」
声にならない叫びを上げながらアイリスが拳を振り下ろす。
しかし、アイリスの拳は地面に打ち付けられる。
(どこだ・・・)
(アレはどこだぁ!!!)
「アイリス、さよならだよ」
ハイドを解除した僕は僕が持ちえる最強の技を叩き込み始めた
「バックスタブ!」「バックスタブ!」「バックスタブ!」


272 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 22:36 ID:y8Z5F+Un
・・・
「グガァァ・・・」
アイリスが力なくうなだれる、やったか?
僕は1歩間合いを取ってアイリスを眺める。
1秒か・・・2秒か・・・、長い長い硬直だった。
アイリスが不意に立ち上がる。
「・・・」
化けもの・・・、にふさわしい耐久力確実に10000以上は与えている。
こりゃもう今の戦法を使うのは無理だ。しかしかなりの手傷は負わせたし、しばらくは馬鹿見たいなaspdは無い。
アイリスはゆっくり、ゆっくりと肩を鳴らしながら近づく。僕はアイリスの止めを刺す手段を思いつく。
奴は頭が悪い。つまり魔法でかなりのダメージを受けると見て間違いは無い。
「バックステップ!」
間合いを取る。アイリスは不適に笑いながらゆっくりと接近を続ける
「ブラギの歌!」
「ストームガスト!」
大魔法にも関わらず詠唱が早い、いける!
アイリスが不意に足を踏み込み突撃を開始する。

273 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 22:40 ID:y8Z5F+Un
僕は体を振り皮一つでアイリスの突進を避ける。詠唱が終わる。
「終わりだ!アイリス」
「ストームガスト!」
だが、アイリスはダメージが無く、吹雪すらものともしない。
僕は重大なミスを犯していた。
Mdefが見えていなかったのだ。
・・・Mdef100+100
吹雪の押し出しもものともせずアイリスは突撃する。
そして、体が中に浮いた。僕の体は宙を舞い、激突した。
「が・・・」
口から血が出る。アバラもばらばらだろう。

ボクハミスヲオカシ、ソコデシヌンダ

アイリスの突撃、僕は目を閉じ冒険が終わったことを理解した。
だが、これでは終わらない

274 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/26 22:49 ID:y8Z5F+Un
暗い・・・、暗い・・・闇
僕の小さな視界に二人の男が移る。
銀髪錬金術師が笑い、黒い装束クルセイダーが魔法を撃った。フロストダイバだ。
避けなくては、「ス・・・
スキルは間に合わず、僕は氷付けになった。そして、真に暗き時間が始まった。
胸がえぐられる。臓器が血潮を上げる
暗転する。僕はアイリスに殺されたことを理解した。
が、目を開けると苦しむアイリス、そして、へこんだ銀の指輪で作ったペンダント
揺らめいているそれは頭髪のようにすら見えた気がした。
まさかマーに貰った転職祝いがこんな所で役立つとは思わなかった。
人から貰ったものは大事にするものだ。

苦しむアイリス、つぶやく言葉、戻る体。
「ィャダ、コロサナイデ、パパ、リーバスオジサン・・・」
リーバスおじさん?、あの銀髪の男なんだろうか・・・?

275 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 11:02 ID:OPumV1E8
縮み続けるアイリス、その体はもはや4〜5歳の子供の大きさになった。
うずくまり、すすり泣き続けている。
僕はため息をつこうとしたが、それはできなかった。
僕の体中身はすっかり外に出きっていた。
たくさんの臓器が氾濫する中・・・ぼくは心臓を見つけてしまった。
「止まらない心臓」を
僕は、未だ死なない、それは何故か、考えても分からない。
だが、一つだけ理解したことがある

ボクハ、ケイオスジャナイ。ニセモノナンダ・・・

不意に意識が飛びそうになる、死にたくない。
最後の力を振り絞って臓器を体に戻そうとする。
しかし僕の体は動かない。


276 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 11:09 ID:OPumV1E8
僕の体が消滅していくのが分かる。視界が定まらない・・・
今度こそ僕は死ぬんだろう。
きっと神様がお別れの時間をくれたんだと思い込む他に無かった。
揺れる銀の指輪をあしらったペンダント、僕は不意にガリィの姿を思い浮かべる。
ガリィの後姿には無駄な肉が無い、ある種の美しさがあった。
そして小さな胸を思い出して僕は顔が赤くなった気がした。こんなときに・・・
そしてイメージは銀髪の男に代わる。
男にしては長い髪、靡くマント。
そのイメージは僕をあざ笑ったかに見えたが、なぜか悲しげに消えた。
そして、取りとめもなく僕が会った人が次々に現れる。
ジャハルさん、フレイヤさん、ランディさん、マンクさん、ヒメさん、サリエルさん・・・
僕の意識は其処で途絶えた・・・

277 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 11:18 ID:OPumV1E8
アリーナから先ほどまでの轟音は消えうせる。
残ったのはすすり泣きと被造物(エンプリオ)だけだ。
目の焦点が定まらないアイリスがつぶやきだす。
「ぼくは誰?パパはどこ?ママは・・・」
アイリスの声がアリーナにこだまする。
「リーバスおじさん、ゴメンなさいゴメンなさい・・・」
「だから、もう痛くしないで・・・」
答える物は存在しない。
「ぼくは、ただミントお姉ちゃんとガリィと遊びたいだけなんだ・・・」
頭を地面に打ち付けるアイリス、その額から血が出る。
カラン・・・と音がしてエンプリオが倒れる。アイリスがそれを見つけた。
「ね、ねぇおじさんあれを持ってくるから許して、お願い。」
「分かったよ、すぐ行くよ」
アイリスは自問自答は、つぶやきにしかならなかった。

278 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 12:38 ID:TOABIVM6
「さて、結着(けっちゃく)だ。」
黒装束のクルセイダー、ヤーウェはアイリスと僕に語りかける。
「この勝負、自我を崩壊させた者が『敗者』なのだよ。」
「なぁ、アイリスよ・・・。」
アイリスはその優しくも冷徹な言葉を聞き放心状態になる。
「ぼ、ぼくは・・・消えちゃうの?嫌・・・嫌だよぉっ!!」
「アイリスよ、教えただろう?『敗者』こそ悪なんだ。
パパは悪い奴が嫌いなんだ。パパは悪い奴を消さなきゃいけないんだ。」
「まだ、僕は・・・うわ・・・うわぁぁぁぁぁあっ!!」
アイリスの皮膚が老朽化していく。
皮膚はしわくちゃになり目じりは生気を失っている。
僕と同年代の男とは思えないしわくちゃに歪んだ顔。
僕は薄らいでいる意識の中でその光景をぼんやりと見ていた。
「お前の存在は私には消す事ができない。しかしケイオスならそれが可能だ。」
「リーバス、頼んだ。」
「いやはや。久々に面白い趣向を見せていただきましたよ。
とはいえヤーウェさんも人が悪い。」

279 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 12:39 ID:TOABIVM6
微笑しながらリーバスと言われる銀髪の中年の男はもはや生きているか死んでいるかも分からないアイリスに近寄る。
「リ・・・・バス・・・おじ・・・・さん・・・。」
アイリスはまるで助けを乞うような子犬のような弱々しい目でリーバスを見つめる。
「大丈夫だよ。ほんの一瞬の事だからね。」

ザシュッ!!

「あああああああああああああっ!!」
リーバスはアイリスの胸を貫き何かをえぐり取る。
それは持ち主から離れても尚、ドクンドクンと鼓動を続ける心臓。
アイリスは激しい痙攣を起こし、それからピクリとも動かなくなった。
「さて、こいつを・・・」
リーバスは床に散らばった僕の臓器を拾い集める。そのような光景が目に入るなんて何とも滑稽な話であろうか。
動くことすらままならない僕に近付くリーバス。
僕はされるがままに「2つ」の心臓を体内に押し戻される。
「・・・・。」

280 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 12:40 ID:TOABIVM6
僕がはっきりと意識を取り戻した時には僕の傷は完全に癒えていた。
ただ変わらない事は僕の目の前に二人の男がいる事だ。
「おめでとう、ケイオス。お前が勝者だ。」
ヤーウェがこちらを見て二コリと笑う。
「ふざけるなっ・・・!・・・なんなんだよっ!!」
「おやおや、ケイオス君には嫌われているのかな?察するぞ、ヤーウェ。」
リーバスはクククと笑う。
「お前が自分の存在を勝ち得たのだ。もっと喜ぶべきだと思うのだが?」
「誰が・・・!」
「まぁ良い。我等の第一条件はパスした。
お前はこの世直しの一環の最大の功労者だ。カレンもきっと喜んでいるだろう。
・・・・おや?」
ヤーウェは何かに気付き、後方を見る。
「・・・・な・・・・・で・・・ヤ・・・ェ・・父・・・ん・・・」
そこには口をパクパクとさせ瞳から血混じりの涙を流しているアイリスがいた。

281 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 12:42 ID:TOABIVM6
「私達はこの場で去るが、アイリスと最後に話していったらどうだ?
仮にももう一人のお前。情けも必要だろう。」
「情け?馬鹿にするのもいい加減にしろっ!!」
しかしヤーウェには僕の言葉は伝わっていない。
「リーバス、アイリスはあとどれぐらい持つ?」
「そうだな・・・4分持つか持たないかだな。」
「だそうだ。それまでアイリスの話し相手になってやれ。
・・・知りたいんだろう?過去を。」
そう言うと二人の男はアリーナの闇に姿を消す。

僕ともはや死人に近いアイリスだけが残される。

282 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 16:45 ID:OPumV1E8
僕はアイリスの前に近づいた。
「ハハッ・・・」
アイリスが乾ききった笑いを上げる・・・
「憎いよ、ケイオス」
「お前さえいなければ!!!」
僕はアイリスの頬を叩く、アイリスはなにが起こったかを理解するのに数刻の時を要した。
「ううっ・・・」
その目から涙は出なかった。会話することすら奇跡に近い行為ですらある。
「僕は、負けた。サリエルに、お前に、そしてボクに・・・」
「悔しい、悔しいよ・・・」
「僕が全ての決着を付ける。」
「この屈辱は、ボクが晴らさなければ意味が無いんだ。」

283 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 16:51 ID:OPumV1E8
「君と僕が一つになればいい。」
「ハハッ、どうするのさ?」
「こうすればいい。」
僕は腰の短剣を抜き、アイリスの臓物を、肉を細かく切っていった。もはや血すら出ない
「止めろ!イタイ!、イタイ!」
僕は細かく切った、アイリスだったものを食らい出した。味はしなかった。
「そうか・・・そうか・・・」
1分ほどして、アイリスは首だけになった。
「お別れだ、アイリス、もう一人の僕・・・」
「お前はボクと一つになれる、さよならじゃない」
「ありがとう・・・ケイオス」
アイリスの首を引き裂き、食らった。
グチャグチャした音が響く。

284 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/27 16:59 ID:OPumV1E8
僕はこうして一つになった。ファンファーレが頭で響く
2つの力が充実してるのが分かる。体は前よりずっと軽く、美しく、引き締まった。
地面の2刀とカタールを回収した。僕は両手に短剣を持てることに気づいた。
僕はもう一つの力の目覚めとともに、全てを思い出した。
数刻のち僕は沈黙し、頭を整理し始めた・・・
--------------------------------
(テスタメント・・・)
(はい)
(時は満ちた。憎しみを集めよ)

プロンテラが赤く染まる。
未曾有のテロが巻き起こり始める・・・

285 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/28 04:51 ID:fKBuEePs
僕は光の中にいた。
出会った人達はみんな優しくて、強くて、まっすぐで…
苦しいことも、辛い事もあったけど、この世界が好きだと思ってる。
これが僕の、ケイオスの記憶。
全て消されて、何も知らないまま世界に降り立った僕の。

それまで僕はずっと闇の中にいた。
自分に無いものを妬んで、ただそれだけで僕達家族の幸せを奪った人間達。
人を憎めとずっと言われて、ただ憎み続けた。
この世界を、人を壊したい。自分だけいい思いをしているケイオスを…
それがアイリスの記憶。

アイリスの記憶が僕に流れ込んでくる。
でも不思議と怒りは湧いてこなかった。
アイリスは1人で辛い記憶を押し付けられたんだと、無性に悲しくなって、泣いた。

(ケイオス…どこ!?どこに行ったのよ!!)
ガリィから涙交じりの声音でwisが飛んでくる。
その声をとても心地いいと思いながらも、応える気にはなれなかった。
とにかく飛んでくる。やたら飛んでくる。ログが埋まるくらい飛んでくる。しつこいくらいに飛んで…
(・・・・・・ガリィ・・・・・・('A`;))
さすがに根負けした。

286 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/28 18:56 ID:NAyizs6M
だがその後に飛んできたWISに、僕の血は凍り付いた・・・


プロンテラが・・・ダークロードに落とされたの・・・

たすけて・・・

「ガリィィィ!!」
瞬時にポータルを開く。
今の僕に、触媒など必要ない。
僕は、大魔法を詠唱しながら、光の門を踏み締めた。

287 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/28 22:37 ID:H8E3Gfg/
プロンテラの噴水広場はあるべき姿を失っていた。
壊れた町並み、散らばる死体、生気を失ったセージ達の呪いの声が響く。
どんよりとした暗雲が立ち込めている。

そしてそこに立つ、暗黒の君主DARKLOAD・・・

僕はそこに降り立った。
「良く来たな・・・勝者よ」
僕は奴をキッと睨み付ける。
「おやおや、ずいぶんと嫌われた物だ・・・」
「お前に見せるものがある。」
奴は、気絶したガリィを突き出した。
「ガリィィィ!!、貴様ァァァ!!!」
「憤るな、ケイオスよ。」

288 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/28 22:57 ID:H8E3Gfg/
「この娘は我には必要ない、お前に返してやろう。」
奴はガリィを地面に投げ捨てた、ゴミのごとく。
「ガリィィィ!!」
僕はボロボロのガリィの元へ駆け寄った。
「たす・・・けて・・・」
泣きっ面のガリィ、いつもの強気な姿は面影すら無い。
僕の中で何かが切れた。
「さあケイオスよ、我の元に来い。」
僕はガリィをポータルで飛ばし、アイリスのカタール・・・TCジュルを装着した。
準備運動代わりに各種支援スキルを一式自分に掛ける。
「うるさい、僕は本気で怒っているんだ・・・」
一つになった僕は、LV80まで上昇していた。
それでも勝てる相手では無いだろう。だが、僕はやらなきゃいけないんだ・・・
僕は、カタールの切っ先を向け、脚を強く踏み込んだ。

289 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 00:19 ID:LiZTZIAG
ギッ!
定まりきらない初撃は弾かれる。
(焦るな・・・予想できたハズだ・・・僕らの決着がつくのを、ヤツらは待ってたんだから・・・)
そうだ、予想できたハズなんだ。
僕らの決着は、新たな何かの始まりになるってことは・・・!
「ちくしょうッ!」
チッ・・・ギッ・・・!
2、3撃目も軽くいなされる。
これは、浅はかだった僕への罰だ。
この可能性を考慮しなかった、僕への罰だ!
責任を・・・コイツを倒すことで責任をとらなくては・・・!
「すまない、みんな・・・責任は・・・"俺"が必ずとる・・・ッ!!」
悲壮な決意を込めて、TCジュルが風を斬る。
明日への障害を、薙ぎ払うために。

290 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/29 03:22 ID:jk8O7IGo
「ちょっと待たんかいそこの羽男!」
轟音の鳴りひびく首都の図書館も、他の建物同様にあちこち壁が破壊されている。
今にも崩れそうな建物を去ろうとする羽の生えた男を、フレイヤは呼び止めた。
「こいつから聞いたわよ。アブラカタブラについてね。」
片手には、泡を吹いて股間を押さえながら気絶している男セージ。
「何が起こるか分からない魔法なんですって?で、あんた達が調べにきたのは。
その発現内容を自在に操る技術!そしてDARKLOADの召喚を行う!そうでしょ!!」
男は無言でフレイヤの言葉を聞いていたが、やがて口を開いた。

291 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/29 03:23 ID:jk8O7IGo
男は無言でフレイヤの言葉を聞いていたが、やがて口を開いた。
「…その通りだ、我が主の妹君よ。」
「はぃ?」
(…こいつ…テスタメント兄さんの・・・!?)
驚きを隠せないフレイヤを前に、男は淡々と言葉を紡ぐ。
「そして今やそれは実現した。だがまだ完全では無い。まだ血と死と憎しみが足りない。
今呼び出したそれは、完全ではないのだよ。」
(街をこんなにしといてまだ完全じゃないって…)
「贄は一つになった。だがこれもまだ力が足りない。よって今回のそれは失敗といえる。」
(こいつ少し自分に酔ってない…?('A`))
「よく分からないけど、じゃああいつはぶっ倒せるってことね。」
「これからも血は捧がれ続ける。君たちが敵うものか。それに、貴女はここで死ぬ。」
「何ですって?」

292 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/29 03:23 ID:jk8O7IGo
「我が主は貴女のことで心を痛めていらっしゃる。」
「…テスタメント…兄さんが…?」
「故に我が主の障害となりえる貴女はここで消しておく必要がある。」
男が言うや否や、フレイヤは突然その場に座り込んだ。
「あ…力が…入らな…」
「私はインキュバス。貴女が女性である以上、私には勝てない。」
インキュバスはフレイヤの前で腕を振り上げる。
「貴女の死もロードオブデスの復活に捧げられるがいい!」
「させるか!!」
聞きなれた声がした。背後からの攻撃を振り向き受け止めるインキュバス。
「ジャハル…!!」
「すまん、スマキから抜け出すのに時間がかかってな。」
「…('A`;)」

293 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 10:21 ID:QmfsIYfv
「ちっ、増援か。」
髪をサラリと靡かせ、インキュバスは舌打ちをする。
「まぁいい。今は生憎忙しい。お前達の相手はこいつらさ。」
インキュバスの目が光ると、どこからともなく女性の戦士、術士、そして街人もが集まる。
「な、なんだ・・・この女性の大群は・・・!」
「たぶん・・・インキュバスの術に・・・キャッ!」
インキュバスの目が妖しげに光る。
「例外に漏れず貴女も私に魅了されるがいい!」
「あああ・・・・ッ!」
「フ、フレイヤ!!
・・・・貴様っ!!」
「さて、そろそろ完了か。フレイヤよ。目の前の男をお前の術で駆逐するがいい。」
「・・・・インキュバス様・・・。」
「フ、フレイヤ・・・。」
「詠唱するのだ。その男をお前の手で滅ぼすがいい。」
「・・・・・・・('A`)詠唱スルノマンドクセ。 」

294 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 10:22 ID:QmfsIYfv
「・・・は?」
唖然とするインキュバス。
またか・・・といった感じで諦めの表情のジャハル。
フレイヤは体育座りしながら、ぼ〜っとしてしまった。

('A`)y-~~ ハァ…
 ノ(ヘ ヘ

「こ、このドク・・・・尼がっ!訳分からないぞ・・・。」
「まぁ、なんだ。色々な意味で諦めてくれ。」
ジャハルはちょっと同情しつつもインキュバスに告げる。
「ま、まぁいい。お前の相手はこの女共だ。それと冥土の土産に教えておいてやる。
ダークロードの復活は我等の目標であるロードオブデスの復活の『通過点』に過ぎないって事をな!!」
「通過点・・・?ダークロードがお前らの真の目的じゃあ・・・」
「はっ、せいぜい悩んでいるがいい。」
インキュバスは真っ赤に染まった空へと飛び立っていく。
そして、ジャハルの周りを目の色を変えた女達が取り囲む。
「ふむ・・・・まずいだろこれ。」
とりあえずジャハルは剣を構える。
フレイヤはまだぼ〜っとしていた。




295 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 15:12 ID:H1rWzwzO
「困っている様子だね?」
宿屋の屋上から聞こえる陽気な声・・・・・。
「そんなにいっぱいのレディに囲まれて、据え膳喰わぬはなんとやらじゃないの〜?」
ジャハルは声の正体に気が付き、黙って剣を収める。
「そうそう。男が女性に手を上げるのは大反則だからね!」
そして、華麗な身構えから一気に宙に舞う声の主。
微かな砂埃と共に、ジャハルの隣に舞い降りたるは・・・・。
「華麗に参上!全ての女性(デブ・ブス・年増除く)のTheBestOfLoveFriend!」
さっきのインキュバスを超える自分酔いだ。
「その名は麗しのランデx」
殺気迅った「デブ・ブス・年増」にあっというまにボコボコにされるランディ。
「惜しいな。後一文字発すれば完璧だったのだが」
やれやれ。と剣を再び構えながら冷静に分析するジャハルであった。

296 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 18:03 ID:gro83OVx
「あいも変わらぬ騒がしさ・・・」
不意に、後ろから声がした
「誰だ!」
尋ねるは聖職者、答えるは闇・・・
「テスタメント」
「な・・・何!?」
そこには、
闇がたたずんでいた。
「物事の動静も判らぬ下級妖魔が失礼をした」
「どういうことだ・・・?」
「こういうことだ」
声と同時にフレイヤ以外の女達が吹き飛ぶ
「て・・・テメェェェ!!」
「何故怒るのだ?せっかく私が、ロードオブデスの復活を阻止した君たちに、敬意を表しているというのに・・・」

297 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 18:39 ID:0pk8+6qe
フレイヤはテスタメントの姿が目に映るとはっと我に返る。
「に、兄さん・・・・っ!!」
「妹よ、ようやくお目覚めか。」
「寝顔も昔のままだ。変わっていないな。」
「兄さん!今すぐ街のモンスターを沈めて!!」
「ほう、何故だい?」
「これ以上、犠牲を出したくないの!!兄さんだって昔は・・・」
「こういう事か?」
テスタメントは逃げ惑う民間人を見つけるとキッと睨む。
人が次々にまるで風船のように破裂していく。五臓六腑が市街の至る所にばら撒かれる。
「貴様っ!!」
ジャハルは怒りのあまりに剣を抜き斬りかかる・・・がテスタメントは何事もなかったようにヒラリと避ける。
「くっ・・・!」
「ぬるいね。そんなものでは下級悪魔が精一杯だろうな。」
フレイヤが兄の邪笑を遮るように叫ぶ。


298 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 18:39 ID:0pk8+6qe
「貴方は・・・私の知っている兄さんじゃないっっっっ!!」
「ファイヤウォールッ!!」
フレイヤが叫ぶと、炎の壁が渦を巻いた。
壁は見る間に成長していきやがてテスタメントより巨大になる。
眼前に掲げられた迫りくる炎の壁を、テスタメントはうっとりした目で見つめた。
彼の瞳が赤銅色に照らされている。
「その程度か?いいや、まだまだだ。もっとだ・・・私を燃やしてみせろ!」
「うわあああああああ!!」
フレイヤは半泣きになりながらも法力を高め炎の壁を大きく成長させる。
いまや、家ほどの大きさになった炎をそしてテスタメントに叩き付けた。
巨大な火柱がテスタメントを隠した。

299 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 18:39 ID:0pk8+6qe
濛々たる煙の中で兄と妹が対峙する。
火柱が消えると、フレイヤの炎を浴びたテスタメントが姿を現す。
テスタメントの髪は無残にも焦げ、半分真っ赤になった顔の皮膚がプスプスと音を立てていた。
「がっかりだ・・・。」
「お前の炎は少しも熱くなかった。熱さってものが分かると思っていたんだけどな。」
「く・・・・。」
テスタメントの焼け落ちた唇からは歯が見え隠れしている。
兄のそんな姿をフレイヤは誰よりも恐怖していた。
「兄さん・・・死にたいの・・・?」
「違う。私は生きたいのだ。降り注ぐ陽光を・・・吹き抜ける風を・・・この肌に感じてみたいのだ。」
しゃべるうちにテスタメントの肌は生え、白い皮膚、煌びやかな長い白銀の髪が元通りに復元される。
「この身では叶わぬ願いだがな・・・。」
ガクリと項垂れるフレイヤを見て、テスタメントは言った。
「忠告だ。お前はこれ以上私のやる事に首を突っ込むんじゃない。」
「そんな・・・そんな事・・・・!!」
「・・・下手な幻影を追うという事は自分を見失うぞ?」
テスタメントは業火で赤く染まる景色の中に姿を消していく。


300 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/29 19:38 ID:jk8O7IGo
プロンテラ上空にテスタメントとインキュバスは浮いていた。
「インキュバス。」
インキュバスが返事をする前に、その顔面を掴むテスタメント。
「フレイヤの事はボクの問題だよ。余計なことはするな…殺すぞ。」
ミシミシと手がインキュバスの皮膚に食い込んでいく。
「も、申し訳…ッ!」
テスタメントは苦悶の表情を浮かべるインキュバスから手を放した。
その顔はもういつもの無邪気な笑顔に戻っていた。
「アブラカダブラの制御方法は分かったんだろう?なかなか上出来だ。それで許してやるよ。」
「・・・はっ・・・」

301 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/29 19:39 ID:jk8O7IGo
「テスタメント…まさかあれほどとは…」
「闇夜の暗殺者・・やっぱダテじゃないな」
ジャハルとランディはただ呆然とするばかりだ。
その後ろでフレイヤは肩を震わせて呟く。
「引け、ですって?できるわけないじゃない!私は兄さんを助けるって決めてるのよ!」
「フレイヤ…」
と、彼らの前に突然ポータルの光が出現したかと思うと、そこから人が転がってきた。
プレートは粉々に砕け、顔は血と涙で汚れた銀髪の少女…
「ガリィ!?」
慌ててランディが助け起こしてヒールをかけた。
ガリィは目を開けると息も絶え絶えに呟く。
「…ケ…オス…がダーク…ロードと…助け…」

302 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/29 19:42 ID:jk8O7IGo
「何だって!?」
「ケイオスはどこにいるの?」
「…噴水…」
ジャハルとフレイヤが即座に立ち上がった。
「分かった。ガリィはここで休んでいるんだ。」
「嫌。私も行く…」
「駄目だ。そんな状態で」
「連れて行ってやろうぜ?」
ランディが言う。
「でも近くまでだからな。っとレイドは?」
「多分…まだ噴水…やられちゃって…心配…」
「んじゃ、ケイオスとレイドを助けにいきますかっ」
ランディもガリィをおぶって立ち上がる。
4人は図書館から噴水広場へと走り出した。

303 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 21:13 ID:4kFeTDqi
劣勢だ。
俺は肩で息をしながら呟いた。
「化け物め・・・」
辺り一面に漂う泥の海のせいでなかなか距離を詰められない。
ランドプロテクターで除去しつつも、精神力は無限というわけではない。
唯一の、泣き所であった。
「さて・・・そろそろこちらも本調子を出させて貰うよ」
ダークロードが詠唱に入る、俺の足下に大袈裟な魔法陣が描かれる!
大魔法、俺を舐めているのかMAXLV詠唱だ。
やってやる。
「サフラギウム・・・!」

304 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 21:32 ID:4kFeTDqi
無力化させる・・・氷だ。
イメージ。
俺は詠唱に入った。
大魔法の詠唱は基本的に数秒・・・数十秒取られるものである。
だが俺と奴は、詠唱に一秒も取られることはない。
全身に通う血が逆流してくる事が心地よかった。
かざした手から白銀色の綺麗な光が漏れる。
視界には、血を連想させる真っ赤な、真っ赤な光。
プロンテラの上空に隕石が降り注ぐ。

「ガストッ!」
「メテオストーム!」

俺の方が数瞬先だ!体内の気を爆発させる!
「---金剛ッ!!」


305 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 21:41 ID:4kFeTDqi
壊滅的な魔力が溢れる。
冷たい、白銀の吐息が・・・!
熱い、深紅の火球が・・・!
「やっべ、凍った」
ダークロードの邪悪な波動が白銀に押し返される。

306 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 21:56 ID:4kFeTDqi
凍る。
カチカチと耳障りな音を立てながら。
俺の体は降り注ぐ隕石の衝撃をもろに受けつつも、まだ機能を保っている。
辺り一面が俺の血で染まる。
魔力による暴力。
つかの間の静寂が訪れ、氷像と血だるまをその場に残した。
奴が行動不能になったのなら、畳みかける!
「ソニックブロウ!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!
氷の破片をまき散らしつつ、俺の十六連打が炸裂する!
「ガァァァッ!」
仰け反りつつもダークロードは怯まない、ノータイムでのファイアウォール!
仕切り直し、多量の精神力と引き替えに奴の生命力を大きく奪うことに成功した。

307 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 22:17 ID:1JdAT8Mm
DL「ケイオス・・・おのれェッ!侮っておったわ!」
俺「はん、もう少し・・・手抜いてもいい・・・ぞ」
さっきの攻防での消耗が馬鹿にならない。
金剛でダメージの90%をカットしたといえどもこの様だ。
だが・・・勝つのはどうやら俺のようだ。
俺はおもむろに座り込み、チャットを開いた!
「一人GSPAFK 1/20」
DL「・・・ガアアアアアアアアッ!殺す!」


308 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/29 22:17 ID:1JdAT8Mm
ダークロードが俺目がけて突進してくる!
だが、俺はこんな事もあろうかとアンクルスネアを仕掛けておいたのだ!
DL「ギャァァァァァ!」
俺はすかさず立ち上がり体内の気を集結させる!
DL「外れた!」
甘いぜ!こんな事もあろうかともう一個仕掛けておいたのだ!
DL「ギャァァァァァ!」
地面が揺れる、俺が集結させた気弾が暴走を始めた。
俺「悪いな、チェックメイト、だ。てめぇの命を盗る」
連続する爆発音、壊滅した噴水広場に響き渡る!
DL「ま、まさかぁぁぁぁぁぁ!」
俺「あばよ」

    阿 修 羅 覇 凰 拳  !

ドガアァァァァァァァァッッ!!!
俺の全精神力を込めた正拳突きがダークロードを正面から貫いた!!

309 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/30 00:40 ID:NxJFTeBc
とどめ格好いいなぁおい

310 :309は脳内あぼーん推奨:03/10/30 00:40 ID:NxJFTeBc
 

311 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/30 00:56 ID:r2H3bJE4
ダークロードはゆっくりと崩れ落ちていく。
「く…はははは…素晴らしいぞケイオス…!!その力、その力があれば!!ははははは…・・・」
奴の姿が消え、言葉も途中で掻き消えた。
やった…のか。
俺はそのまま倒れ込んだ。やばい、もう動けない…。
「ケイオス!!」
聞きなれた声がした。頑張って顔を向けると、ジャハルさんたちがこちらへ走ってくるのが見えた。
「ケイオス、無事か!?」
「ダークロード…倒した…」
「ああ、見ていた。すごいぞケイオス!タイマンで倒すなんてな!」
ランディさんに背負われたガリィが嬉しそうに微笑む。よかった、無事で…。
と、フレイヤさんがすごく言いにくそうに切り出した。
「…ケイオス、あれ、まだ完全じゃないっぽいのよね…('A`;)」

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まじ?」」」」

俺とランディさんとジャハルさんとガリィの声がハモった。
「まじ。カタコンのDL並みかちょっと強いくらいよ。」
うそーん…。

312 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/30 00:57 ID:r2H3bJE4
助け起こされて、座って精神力の回復を待つ。元々が魔法職じゃないから回復に時間がかかるなあ…。
その間に、アイリスと一つになったことをみんなに話した。
記憶の事は、まだ整理がつかないことが多いから言わなかったけど。
「…そうか。ところで急に男らしくなったと思うのは気のせいか?」
「一人称変わってる('A`)」
「あ…もう『僕』だけじゃないから…」
「アイリスと一つになって『僕』は『僕』だけじゃなくなったんだ…ごめん、まだ整理できないや」
「でも、ケイオスは…ケイオスだよね?」
不安げな瞳で俺を見るガリィ。
「うん。俺はケイオスだよ」
僕は精一杯の笑顔で言った。

313 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/30 00:58 ID:r2H3bJE4
「ガリィ殿ぉ〜〜〜……」
壊れた噴水の中から赤茶けた甲冑…レイドが出てきた。つうかよくそこにいて無事だったね…
「レイド!!無事だったのね!!」
「いやはや不覚。・゚・(ノД`)・゚・。。ガリィ殿をお守りする事ができずに崩れてしまいましてな。復活に時間が…」
「ううん、いいの。こうしてまた会えたじゃない?ね?」
「ガ、ガリィ殿ぉぉぉ!!不甲斐ない自分にこのように優しくして頂けるとはッ!!」

ふと、ランディさんが思い出したように言った。
「あ、っとエミリアちゃんとヒメ達がまだ宿にいるさ。そっちも気になるな」
「じゃあ帰ろうか。立てるか?ケイオス?」
ジャハルさんに引っ張られて俺は立ち上がった。

314 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/30 11:26 ID:sFOuQqPx
そんな光景を見ている影が一つ、二つ。
彼らは音を立てて消えていくダークロードの姿を見つめる。
そして黒い煙が消えた後に残る空き瓶。
「ヤーウェよ。我がホログラム、上手くできていただろう?」
「さすが世紀の錬金術師リーバスだけあるな。残像を立体的に再現し戦闘行為すら可能にしてしまうとは。」
「どうやら我が子は激昂する事により2倍以上の力が出るようだ。」
「とはいえダークイリュージョンに近い強さがあの『幻影』にはあったのだぞ?」
「もっとも・・・声は私が担当させてもらったがな。」
「断末魔の叫びも再現するとは随分お遊びが好きなのだな。俳優志望だったのか?」
「人聞きが悪いぞ?ヤーウェ。融合化したケイオスの力を試したいと言ったのはお前だろう?」
「まぁな。・・・しかし思った以上の戦闘能力だ。長らく待った甲斐があったというものだ。」
「長らくと言われても困る。私の唱えていた『融体論』を再現してくれたとはいえ私は現世にいられる時間は限られている。」
「おっと、そうだったな。それまでにダークロード復活はお目にかけよう。」
二人は顔を見合わせプロンテラの市街から去る。



315 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/30 11:34 ID:sFOuQqPx
帰路でヤーウェがリーバスに問う。
「お前には確か一人娘がいただろう?気にはならないのか?」
「いや、特に未練も情も今はない。それより・・・。」
「例の娘か。」
「あのガリィとやら、とても気になるサンプルだ。」
「大丈夫だ。奴の身元は既に洗ってある。それがだな。」
「何だ?勿体ぶらずに早く言え。」
「そう、せかすな。実に興味深い事実だぞ?」
ヤーウェは何かの人体構図の図表をリーバスに見せる。
「これは・・・面白い。・・・読みの通りか。」
まるで子供のような興味深々な目で図表に魅入るリーバス。
「現在ツァバトに元を取らせている。楽しみにするがいい。」

(ツァバト、聞こえるか?)
(はっ。)

316 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/30 11:51 ID:sFOuQqPx
(指定された場所まで辿り付きました。)
(よし。見付からずに例のものを見つけ出せ。)
(承知いたしました。)

ツァバトは誰もいない事を確認するとジュノーのホムンクルスの研究所の最深部に足を忍ばせる。
最深部には大きな試験管のようなカプセルが並んでいる。
丁度、人間1人が入るぐらいの大きさであった。
ツァバトは更に奥に進む。
奥の部屋のカプセルの中には20cmぐらいの胎児と思われる生き物がカプセルの液の中で寝息を立てている。

317 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/30 11:52 ID:sFOuQqPx
「気味悪ぃな。」
そんな中、ツァバトは随分古い時代に破壊されたようなカプセルに目がいく。

『失敗作品 apocalypse』

「こいつか・・・。あとは・・・。」
それに引き換えまだそんなに古くなく破壊されてもいないカプセル。
ただ中には何もいない。
ツァバトはそのカプセルのラベルに目を凝らす。
「これは面白い・・・!あの小娘が・・・そうか・・・。」
「譲り受け先・・・アルベルタキュプロス島・・・?」
その少し古ぼけたラベルは他のラベルとは少し違っていた。

『Prototype No.00 Gally』

「プロトタイプか・・・。」
ヤーウェはラベルを力任せに剥がすと光の柱へ消えていった・・・。

318 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/31 13:35 ID:lbyOHwpN
ジュノー市街地。
衛兵と思われし男が他の家と比べ華やかな屋敷に慌てながら押し入る。
「ミ、ミント様!大変です!!」
「な〜に?」
緑色の髪をした、19歳ぐらいの女性が鏡の前で髪を梳いている。
風貌から察するにアルケミストというのは一目瞭然だ。
だが・・・如何せんスカートが短過ぎる。かなり露出度が高めな服装とも言い切れなくは無い。
「ミント様・・・何者かがホムンクルス研究所に侵入しサンプルの幾つかを持ち出したようです!」
「うっそぉ〜!信じらんない〜!!そんで被害は?」
「アポカリプスの素材、未知の金属多数・・・それとプロトタイプのラベルと報告書・・・」
「あ〜あ・・・。」
ミントは手を仰ぐ。
「つきましてはミント様に被害状況を確認していただきたく・・・。」

319 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/31 13:36 ID:lbyOHwpN
「分かったよぉ・・・行けばいいんでしょ?行 け ば !」
ミントは瓶を懐から取り出すと部屋の前のドアに投げる。
するとその瓶から見た目がなんともおぞましい人面花が現れる。
「ベッキーちゃ〜ん、そういうことだからお留守番よろしくっ!」
「キシャァァァァ!!」
「ご飯はここに適当に化け餌置いとくからお腹減ったら食べてね?」
「キューン、キューン♪」
ベッキーと呼ばれるその人面花は嬉しそうに化け餌を頬張る。
「そいじゃ行きますかぁ〜。」
ミントと研究所の衛兵は屋敷の扉を開け放ち外に出て行く。


320 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/31 13:38 ID:lbyOHwpN
二人が急ぐ中、何かを探しているようなアコライトの女の子にジュノー街広場で出会う。
「あ、あの・・・」
「ち、ちょっと・・・きゃあっ!」
ミントとその少女はぶつかってしまいお互いに尻餅をつく。
「いたたたたた・・・ごめんねぇ〜、ちょっと急いでたから・・・。」
「あ、いえ・・・こちらがちゃんと前見て歩いていなかったので・・・。」
「ミント様、大丈夫ですか?!」
「ん・・・私は大丈夫だけど〜ってアコさん擦り傷できちゃってんじゃん!あららら・・・。」
「あ、大丈夫です。これぐらいヒー・・・」
「ポーションピッチャー!!・・・っと。」
「え・・・?」
そのアコライトの少女の前にポーション瓶が投げつけられたと思うと目の前で液だけが散開する。
その液はキラキラと光りながらアコライトの体を優しく包み込む。

321 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/10/31 13:38 ID:lbyOHwpN
アコライトの少女の体は疲労もすっかり消え、かすり傷も何もかもが消えていた。
「んじゃね!」
指でVサインを作ると、再びアルケミストの娘は衛兵と共に駆け出す。
「あの人・・・もしかして・・・。」
そのアコライト。・・・セシルは何か確信を持った。
この人が・・・もしかしたら故リーバス氏の一人娘、ミントなのではないかと・・・。

322 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/31 23:42 ID:v2tfa6Mp
「こりゃまた色々持っていかれたわねえ」
「うわ〜エルニウム製の資料庫壊されてるじゃん!すっごい馬鹿力ねえ」
「うひょ〜!秘蔵のガン●ニウム合金がっ!何に使う気よ!?」
部屋中駆け回っては叫び声を上げるミント。
「ミント様…一体誰がこんな事をしたと思われますか」
「…」
「…ミント様?」
「悪いけどさ。ちょ〜っと外に出ててくれる?」
「は?」
「お願い」
「…わ、分かりました…」

誰もいなくなった部屋でミントは目を閉じてしばらく黙考する。

カタカタカタカタ・・・(脳内整理中)
チーン!(脳内整理完了)

「私はとんでもない事に気がついたのかもしれない…」

323 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/10/31 23:44 ID:v2tfa6Mp
いちいち声に出すのがどうもクセらしい。ミントは1人でひたすら呟く。

「倉庫の壊され方から察するにこれは発勁…モンクの仕業ね。
ここまでの域に達していてなおかつこんな事する悪党っていったら…あのツァバトくらいかな。
だとしたら犯人は闇夜の暗殺者…。
アポカリプスの素材と資料とプロトタイプのラベルを持っていくということは
ホムンクルスの知識があるか少なくとも興味を持っている…。
となると父様の友人のヤーウェのオッサンならやりかねないわ。
問題はプロトタイプのラベルまで持っていったこと。
成長の度合いを調べるのに外に出したっていうプロトタイプ:ガリィ…ガリィ…
そういやどっかで聞いたなぁ…そんな名前の…」

324 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/01 19:17 ID:xyjh+laF
「確かパパの助手の人の・・・え〜と誰だっけ?
・・・あ、そうだ!バンシュタイン博士だったよねぇ〜!
パパが死んでからあの人って今何やってんだろ・・・??」
ミントは首を傾げながら古い埃だらけの報告書を手に取る。
「うわっ、埃まみれっ!やっだなぁ・・・」
ミントは渋々とページを開きお目当ての箇所を見付ける。
「ん〜と、何々?」

『9月21日 バンシュタイン

ホムンクルスの研究を突き進み、遂に私は心を持った人間型ホムンクルスを誕生させた。
遺伝的構造にもよるが、難儀な道ではあった。しかしそれが可能になったのだ!
このホムンクルス・・・いや、立派な人間だ。そして私の娘。
彼女にはガリィ(GALLY)と命名しようと思う。
彼女の育つ姿、そして彼女の親として私はガリィをこれからも見守り続けたい。』


325 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/01 19:25 ID:xyjh+laF
「続きがまだあるみたいだねぇ〜。」
ミントは更にページを開く。

『10月5日 バンシュタイン

リーバスが聖十字騎士団の友人を庇い異端者扱いされ絞首刑にさらされた。
何という事だ。
親友を失った悲しみは今の私には大きすぎる。心から冥福を祈りたい。
リーバス、君は英雄だ。時が過ぎれば君は異端者でも何でもない。
この科学力があるのも全ては君のおかげなのだから・・・。』

『10月15日 バンシュタイン

リーバス、君は天国で一体何を思っているのか?
私は君と私の最愛の娘、ガリィの事ばかり常日頃想っている。
今日、自らを執行機関と名乗る者達から人間型ホムンクルスの造成について教授してくれと頼まれた。
君と私で成し得た成果が遂に世に広まるときが来たのだ。
リーバス、君は・・・社会に貢献したのだ!』


326 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/01 19:45 ID:xyjh+laF

『12月12日 バンシュタイン

嗚呼、何という事だ・・・。
私と君とで完成させた人型ホムンクルスが街を、自然を荒らしている・・・。
しかもその人型ホムンクルスはまさに人形のようなものだ。
主人の命令を忠実に聞き、感情を持つ事もなくただ行動する。
蜜月の時とは短いものだ。夢が。私達の夢を超えて独走してしまったのだ・・・。
独走は暴走に姿を変え、悪魔の領域に足を踏み入れてしまった。
しかし、ガリィは他の人型ホムンクルスとは違い、感情がある。
彼女だけは・・・平穏に「人」として育って欲しい。
しかし彼女は他の人型ホムンクルスとは違う別の能力がある。それを昨日知ってしまった。
嘆くべきなのか喜ぶべきなのか、一体何という親だろう。
生命というものを冒涜した自然界の反逆者。今の私はまさにそれだ。



327 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/01 19:48 ID:xyjh+laF

『1月5日 バンシュタイン

ガリィも言語を解せるようになった。一人で歩ける。
こんな私にも無邪気に笑顔を作ってくれるガリィを見ると嬉しさと謝罪の気持ちで一杯になる。
私はもうホムンクルスの研究はやめる。
そして、私は表舞台から立ち去る。
リーバス、君の一人娘のミントは研究員の仲間が面倒を見てくれるだろう。
ガリィはアルベルタの知人の老夫妻に預ける事にした。私との記憶は全て消す。
それぐらいしか私はガリィにしてやれる事がない。他に何があるだろうか?
ガリィには・・・人知を超えた能力が備わっている。
それがこの世界を変える事ができるのならば・・・。

・・・私はこれ以上神と喧嘩はできない。』

バンシュタインのガリィに関する日記はそこで終わっていた。
古い本のページには何かの水滴だったような染みができている。
他にはアポカリプスについての見解のような書き込みが幾つか見受けられる。

「・・・意味深〜。」
ミントはそう言うと報告書を閉じる。


328 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/01 23:53 ID:PZy/P9Fm
「アルベルタのガリィかあ。本人に自覚が無いんじゃ調べてもしょーがないと思うけどなー。
でも、その子が狙われてるかもしれないのよね。
この人知を超えた力なんたらを悪用しようってつもりかしら・・・」
ふと、扉を叩く音がして衛兵が入ってくる。
「ミント様、ミント様にお会いしたいという方が…」
「え〜?誰だろ。ま、いいや。通して」
「はい」

「あの、さっきはどうもありがとうございました」
「さっき…?あ〜!あの時のアコさん!お礼なんかいいのに〜」
「はあ…あ、いえ。他にも理由があって来たんです」
「ん?な〜に?」
「闇夜の暗殺者はご存知ですか」
途端にミントの顔が険しくなる。
「…ん。まーね、これでもそこそこ偉いもんですから。で、アンタ誰?」
「私はセシルといいます。ダークロードの復活を阻止したいと思っている者です。」

329 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/02 18:13 ID:8/rxuIn/
〜プロンテラ宿屋〜

「ん・・・」
眼が、覚める。
「ここは・・・?」
うすぼんやりとした意識で、ガリィは目覚めた
あれからもう、何日も経っている
ここ最近、目覚めが悪い気がするのだが、さほど問題だとは思っていない
軽く上体を回してけだるさを払い、勢い良く起き上がる
と、ドアが鳴った
「・・・ガリィ、起きてるかい?俺だけど・・・」

330 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/03 04:17 ID:WIWCXHZ+
「うん、起きてるよ。どうぞ〜」
声をかけるとケイオスが入ってきた。
「おはようケイオス君」
「おはようガリィ・・・って顔色悪いよ」
「え?!そう?」
言われて慌てて鏡を取り出して見る。
げ。目の隈すご・・・・。
「まだ怪我が治ってないとか?」
「ううん怪我は平気だけど・・・なんか、最近目覚めが悪いっていうか・・・」

夢を見る。でも起きると中身が何だったかさっぱり忘れている。
そういえば最近ずっとそうだ。
こんな消化不完全な状態が続くから目覚めが悪いのかしら。
必死に思い出そうとしてやっと思い出せたのは、
誰かが、・・・たぶん女の人が私に話しかける夢だってこと。
なにかとても重要なことを言っているみたいだけど・・・

「ガリィ?」
「・・・ほぇ?あ、ごめん!いつも通りピンピンしてるから平気!」
どうやらぼーっとしていたみたい。駄目だますます心配させてるし・・・。
大丈夫なのをアピールすように、私は勢いよくベッドから降りた。

331 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/03 04:18 ID:WIWCXHZ+
「あ、そうだガリィこれ」
ケイオスは懐からチラシを取り出した。
「今ゲフェンに変なピエロが来てるんだって。なんかカボチャがどうこうって」
「…なにそれ」
「えっと。『聖カピトーリナ修道院主催!魔法のかぼちゃ交換イベント!!』だってさ。」
カピトーリナ修道院…確か私がツァバトに連れてこられて…
脇腹が疼く。
顔に出たのかケイオスも私が考えた事に気がついたみたい。
私は慌てて取り繕う。
「あ…大丈夫!気にしないで」
「う、うん。そっか。って、これもうすぐ終了しそうだ」
「・・・行ってみようか?気分転換に外に出たいし」
「うん!そうだね」
やっぱしケイオスが行きたかった訳ね。(・∀・)ニヤニヤ

・・・

ってこれデートのお誘い!? Σ(゜Д゜;≡;゜Д゜)

332 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/03 23:34 ID:Vb3xm4eW
「「ま た ピ エ ロ の 鼻 か・・・」」
結局、僕の手元には50個近い鼻が残ってしまった。
修道院に着いた僕らはポータルを乗り継ぎ、プレゼントボックスを貰えると言う噂を試してみたけど
結果は、たくさんのピエロの鼻が残っただけだった・・・
これじゃあ、ガリィに申し訳が無い。
「ねえケイオス、私疲れたんだけど・・・」
う〜ん、と僕は悩む。
「じゃあ、トリックの方で行こうか」
「どんなことが起こるの?」
「いろいろな所にいけるらしいよ」

333 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/04 09:49 ID:Vq73Av6M
「やあやあもうすぐお祭りも終りさ!!ボクもうキャンディ食い飽きた(・∀・)」
なんかピエロが勝手な事を言っている。
「さあもう並んでいるキミたちだけさ!どうするんだい?」
「これでお願い!」
ガリィと俺は慌ててKIMUCHI入りカボチャキャンディを渡す。
・・・どうでもいいけどこれエミリアさんも喜びそうな気がする。

「Trick or Treat ?」
「「トリック!」」

ピエロの瞳が妖しく光る。
待て。なにを企んでるんだ!?
ポータルに似た感覚で飛ばされる。
ピエロが無邪気にニタニタした顔で何か言っていたけど聞き取れなかった…

「ここ、どこさ…」

334 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/04 17:06 ID:z2X1qhC4
僕とガリィが転送された先。
それはどこか古代の魔法都市だった趣があるダンジョン。
周りにはヴァイオリンを奏でている少女、何か怖い顔つきの天使、黒い小悪魔、サリエルさんが倒していたカード・・・JOKERだっけ?と剣士と馬。
JOKERと剣士がこちらに気付く。
「あら?」
「あれれ?」
JOKERはフワフワとこちらに寄ってきて、剣士は後ろの数体の馬を引き連れこちらにやってくる。
「な、なんかかなりまずい悪寒・・・」
「う、うん・・・ヤバイよねぇ・・・。」
僕等はとりあえず構えた。
しかし寄ってきたモンスターと剣士は僕らを訝しそうな目で見つめていて一定の距離から動かない。
「全く、キャンペーン期間も終わりましたのにまた人間のお客さんですか?
今から私達打ち上げですの。お引取り願えます?」

335 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/04 17:07 ID:z2X1qhC4
「・・・は?」
「んとね、僕と会うのは初めて?」
「え、えぇ・・・。」
「僕はドッペルゲンガー。普段はゲフェニアダンジョンの3階にいるんだけど、今回は4階に特別出勤さ。」
そのドッペルゲンガーと名乗る剣士の金髪の少年は後ろの馬に牧草を与える。
「もう、ナイトメアも働きたくないってさ。というか餌の時間もあるから相手にできないんだよ。」
「そういう事ですのよ。ご理解いただけたかしら?」
ケイオス・ガリィ「は、はぁ・・・。」
そこにちょっと気味が悪い天使がこちらに寄ってくる。
「しょうがねぇなぁ。ほら?これやるよ。天使のHB。お土産に取っておきな?」

336 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/04 17:08 ID:z2X1qhC4
「あ、どうもです・・・。」
「若芽マダー?(チンチンチン」
小悪魔が駄々をこねている。
「まぁ、そういう事だからここはもう一旦閉鎖するから帰ってもらえないかな?
僕達ヘトヘトなんだよ。」
「あ・・・はい・・・。」
「ヴァイオリーさん?出口まで案内してあげてくださいな。」
「は〜い。」
金髪の剣士の少年が付け足す。
「また君達が来る時はたぶん僕らも容赦しないと思うけど・・・また会える日を楽しみにしているよ!」
「あと、そっちのクルセイダーさん。自分の本来の力に気付いたらもっと強くなれると思うよ?」
「・・・え?」
「それは自分で気付くんだね。僕はそれぐらいしか助言できないけど。」

337 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/04 17:08 ID:z2X1qhC4
「あ、そうでしたわ。最後にちょっとお聞きしたいのですけど。」
「な、何ですか?」
「若い男性と女性の容姿の背中に翼が生えた悪魔って見ませんでした?」
「あ・・・女性の方なら知ってるかもです。」
「そうですか・・・。人間界で何しているのやら・・・。」
「まぁ、何はともあれまた機会がありましたらお会いしましょう?」
「そういうことだね。」
ヴァイオリンを持った少女が手招きをする。
「出口はこっちですよぉ〜!」
「それじゃね。」
「ごきげんよう。」

僕とガリィは訳が分からぬまま出口へ案内され、ゲフェンに戻される。



338 :PITELLA:03/11/04 22:53 ID:bPEZ0RbH
保守age

339 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/04 23:45 ID:6bK58kQC
「へっくしっ・・・う〜っ」
翼の生えた少女・・・いや女性がくしゃみをする。
鼻を噛み、鼻の頭をなでる。
(誰か噂でもしてるのかなぁ・・・)
そこへwisが飛んでくる
(サキュバス、仕事を頼みたい)
(今度はなんですか?)
(ちょっと野暮用を頼まれてね、ケイオスとガリィを連れて来る必要があるんだ。)
(インキュバスはゲフェン東で待機しているから、そちらで詳しいことは聞いてくれ。)
(あとでご褒美くださいよ〜)
(わかったよ、考えておく。)
(♪〜)
フンフンと鼻歌を鳴らしながら少女は支度を始めた。

340 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/05 15:33 ID:9ItuPJsN
「やっほ〜インキュバス〜♪」
「来たかサキュバス」
ゲフェン東で2人の悪魔が落ち合った。
ケイオスとガリィを少し離れた所で見張る。
「アンタに詳細聞けって言われたんだけどさ〜どゆこと?」
「ホムンクルスについては知っているだろう?」
「…ホムンクルス?ま〜ね〜テスタメント様も死体くっつけて作れるじゃん」
「それとは違う、まったく新しいタイプというものがあるそうだ。
通常のホムンクルスは死体をベースに作る故に生前の影響を受けたりするだろう?」
「あの、フェンダルクとかリビオとか…」
その醜い顔を思い出して不愉快そうな表情を浮かべるサキュバス。
「それにリーバスとかいう錬金術師もそうだ」
「ふ〜ん。で、テスタメント様の造るのとはどう違うの?」

341 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/05 15:34 ID:9ItuPJsN
「人間と全く同じ構造のものなのだそうだ」
「! 人間を造るってことぉ〜?」
「そうだ。だが成功したのは未だ一人だけらしい。そいつにはどうも不思議な力があるそうだ。
それがダークロード、しいてはロードオブデスの復活にどう役立つのかは知らないが」
「ふぅん。そんでぇ〜それとあの2人を連れていくのとどういう関係…あ」
サキュバスはガリィを見てピンときたらしい。
「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーあの娘がねぇ! んで、とりあえず連れて行けばいいわけね★」
「そうだな。どうすればいいか考えるのは我々ではない」
「使いパシリは辛いっすねぇ〜」

342 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/05 19:59 ID:wY3FInDY
「その話、もっと詳しく聞かせてもらっていい?」
「「!?」」
突如背後でした声に、悪魔達は振り返った・・・のだが
「誰も・・・いない?」
だが、返事は空中から返ってきた
「あ、ごめんごめん・・・クローキング!」
「な・・・」
「お前は、確か・・・」

343 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/06 23:38 ID:EppuBe37
そこにいたのは作り物の悪魔の羽を頭につけたアサシン・・・
「お前・・・確かGHに・・・」
「?・・・誰だっけ?」
「あ、あたしを覚えてないわけぇ!?」
「会ってないし」
「・・・そ、そうだっけ?」
「うん」
「おいサキュバス!乗せられるな!」
話についていけないインキュバスが慌ててツッコミをいれる。
「我々の後ろを取るとは・・・貴様は何者だ」
「アサシン」
「そりゃ分かってるわ!!」

344 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/06 23:43 ID:EppuBe37
「と、とにかくだ…我々の邪魔をするな。命が惜しければな」
「どっちが?」
「お ま え が だ !!ヽ(`Д´)ノ」
叫ぶなりそのアサシン…サリエルに向かっていくインキュバス。
サリエルはその攻撃を見切り最小限の動きで避け続ける。
傍から見ていると滑稽ですらある。
「うーん、こっちは話を聞きたいだけなんだけどな」
「黙れ!」
「イ、インキュバス〜!」
「何だ!?こっちはこいつを…」
「ケイオス達帰っちゃうよ!!」
「な、何だってー!!(AA略」
それを聞いたサリエルはほんの少し唇を釣り上げた。ように見えた。
「そろそろこっちから行くよ。話ちゃんと聞かせてもらうから」

345 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/07 08:18 ID:kNNXHx+z


346 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 01:20 ID:ajZ0lV3a
「んじゃ、このことはしっかり伝えておくから〜」
サリエルは起用にそのまま走り出し始める。
「ちょ、ちょっと待ってよ〜」
「糞、早い・・・」
「お〜い、ケイオス〜」
「「あ、サリエルさん!」」
ケイオス達に追いついたサリエルが話しかける。
「久しぶりですね」
「まあね」
ガリィもケイオスもあの時より強くなっているな〜、なんて思ったり。
「早速だけど、伝えることがある。」

347 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 01:24 ID:ajZ0lV3a
「何ですか?」
「コラ〜、それを言われちゃ困るのよ〜」
「そうだそうだ!」
2人の悪魔がぜえぜえと息を吐きながら言った。
「別にいいじゃん、問題ある?」
「「ありまくりだ!」」
2人がハモる。
「あ、ケイオスこの悪魔って」
「うん、バッチシ該当してるね」
(なんか、既に手遅れっぽいねぇ)
(仕方が無いが、ここは武力行使だな)
(無理でしょ。このアサシン変だけど強そうだし)
(う〜ん)

348 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 01:38 ID:ajZ0lV3a
「やれやれ・・・、これだから使い魔は・・・」
悪魔達の後ろからアサシン、ルナが現れた。
「ル、ルナ様!」
「ルナ!」
「テスタメントに頼まれたんだよ、お前達の監視としてね」
ルナは不敵に笑う。足元には邪悪なオーラが噴出している。
「で、コイツ誰?」
「闇夜の暗殺者のギルドメンバーの一人です!」
「ふ〜ん。」
「お前に邪魔はさせない。」
「そして私は私の為にもお前を殺す。」
「怖いこというねえ。」
2人の暗殺者は武器を抜く。
僕らはとりあえず離れていっしょに座っていた。

349 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 12:20 ID:LqT+1UrW
(ねぇねぇ、インキュバス?私達このまま待機ってやつ??)
(し、仕方ないだろ・・・殉死だけはゴメンだからな・・・。)
(だよねぇ・・・。)

「さてっと。」
サリエルさんは買い物袋を地面に置く。
中にはプロンテラファッション通信増刊号、お酒、伊豆名産マルスの燻製、化粧品、治療用マステラドリンクが詰まっている。
「随分と変な買い物ね。」
ルナは呆れながらもカタールをスッと取り出す。
「じゃんけんで負けた。買い物係になった。」
「ヒメの注文が多くて・・・あ。」
「ルナってヒメの知り合いの人?」
その言葉を聞いた途端ルナの形相が著しく変化する。
「言うなぁっ!!」
ルナは手に持ったカタールでサリエルの首元を狙う。
しかし、サリエルはその攻撃を正確に何なく避ける。
「/aura。」
サリエルが呟くと青白いオーラ・・・いや、正確には紫色のオーラが彼の周りを包み込む。
「そのオーラ・・・ただのオーラじゃないみたいね・・・。」

350 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 12:21 ID:LqT+1UrW
「そんなことより。」
「ヒメの友人だったら俺はアンタを傷付ける事はできない。」
「馬鹿め!私はお前を躊躇なく殺すわよ?」
「う〜ん。」
決まりが悪そうに首を傾げるサリエル。

そんなやり取りを見ている2匹の男女の悪魔達。
(じっとしてるのもかなり暇なんですけどぉ〜。)
(かといって動く訳にもいかないだろう・・・。)
(あ、テスタメント様から耳打ち〜。)
(何だって?!)


351 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 12:32 ID:LqT+1UrW
(やれやれ。どうやら招かれざる客が数人紛れ込んだようだね。)
(私達動けないんですよぉ〜。どうしたらいいですかね?)
(ガリィは既にこちらの手に落ちた。お前達の仕事は終了だ。)
(え・・・?)
ケイオスとガリィのいた場所を見てみると、熟睡しているケイオス、そしてお目当てのガリィの姿は見当たらなかった。
インキュバスはそれを見て驚く。
(だ、誰が・・・気配も感じさせずガリィを先に・・・。)
(錬金術師様。とだけ言っておこうか。)
(えっとぉ・・・リーバスでしたっけ?でもでもヤーウェサイドの人じゃありませんでしたっけぇ?)
(この世にいられる時間が彼は限られていてね。私が『ヴァンパイア』としての能力を与える代わりに一働きしてくれたんだ。)
(もっとも、彼もガリィに興味があるからこそ協力的だったんだけどね。)
(( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー 買収ってやつですか?)
(フフ・・・かもな。まぁいい。一旦お前達は引き上げろ。)
(「了解〜♪」「承知いたしました。」)


352 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 12:41 ID:LqT+1UrW
サリエルはこの事実にいち早く気付く。
「あのさ、他に仲間いた?」
「私はあのテスタメントの使い魔の見張・・・え?」
ルナがキョロキョロと辺りを見回す。彼らの姿はどこにもない。
視界に映るのは何者かによって熟睡させられているケイオス、そして目の前にいる男サリエル。
「利用されていたのか・・・私は・・・。」
「ん〜。まぁともかく俺急ぐから。」
「あ・・・待てっ!!」
サリエルはルナの声を耳にせず熟睡したケイオスを担ぎ上げ瞬時に視界から姿を消す。
取り残されたルナは思いっきりカタールを地面に投げつける。

「いつもそうだ・・・。私は捨て駒でしかないんだ・・・。」
怒りとも思え、悲しみとも取れる口調でルナは言葉を漏らす。


353 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 19:24 ID:uBHbZfmx
一方その頃、どこかも分からぬ古い廃墟。
そこに映し出される影。

「リーバス様、この度はご協力いただいて誠に感謝しております。」
「礼には及ばんよ。何せ現世で永久に生きえる体、ヴァンパイアとしての能力をいただいたのだからな。」
「テスタメント、感謝するぞ。」
貴族のような服に身を纏ったリーバスは襟を整え、青白い指で岩の破片をバターのように削ぐ。
「実にこの体はよく馴染む。力が胸の底から溢れ出てくる感じだ・・・。」
「日光もそちらの錬金技術を以ってすれば問題は無いでしょう。まさに不老不死です。」
「全く、頭が上がらんよ。」
「出来る限りの事は私も手を貸そう。一応ヤーウェ側の者だが恩義もあるからな。」

354 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 19:25 ID:uBHbZfmx
「興味のある研究対象なら尚更だが。」
微笑する2人。
「有難い事です。」
テスタメントはソファーの上で眠るガリィを見る。
「ダークロードを制御するのにこの娘が鍵を握る。」
「世の中巧くできてるものです。」
「ヤーウェはその事を知っているのか?」
「知らないでしょう。ただ力を秘めているという事は御存知かと。」
「何故そこまで詳しく話す?そんな事を私に喋っていいのか?ヤーウェ側の私に。」
「貴方は私を裏切らないでしょう。それだけです。」
「はは・・・大した器だ。」
リーバスは興味深げにガリィの首元の烙印のようなものを凝視する。

355 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 19:25 ID:uBHbZfmx
「バンシュタインめ、凄いものを創り上げたものだ。」
「ここまで『人間』に限りなく近いホムンクルスは異例といっていいでしょう。」
「ふむ・・・解体してみたいものだが、今は時ではないな。」
「我々の計画が成功まで辿り着けば用済みです。お好きにどうぞ。」
クスクスと笑いながらテスタメントは手を仰ぐ。
「あとはそちらの例の依頼だな・・・?」
「ですね。人型ホムンクルスの量産。」
「承知した。素晴らしい人形を作ってさしあげよう。」
「それでは後日。」
「うむ。」
リーバスの黒いマントが風に靡くと蝙蝠の群れが彼を包み込む。
喧騒と共にリーバスは消える。
残されたテスタメントはガリィを見る。

「下準備もそろそろ出来上がる頃だな。」


356 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 19:32 ID:uBHbZfmx
ジュノー。
アコライトの少女とアルケミストの少女がとある一室で談話している。

「へぇ〜。んで、アイリスってのが私を狙っている訳??」
「いえ・・・アイリスの気は消えました・・・。」
「ん?たんまたんま。それって死んじゃったって事?」
「ええ。・・・正確には融合したという感じかなと・・・。」
コップを手にしようとしたミントの手が止まる。
「・・・それってパパの提唱していた『融合理論』・・・。」
「御存知なのですか?」
「あのパパの娘よ?そ〜れくらい知ってるっての!」
ミントはセシルに強気で発言したがどことなく不安そうな一面も感じ取れた。
「んで、その融合した相手は今どこにいるの?ていうか生きてるの??」
「ちょっと凄く興味あるから、その彼に会ってみたいんだけど・・・だいじょぶ?」
「あ、はい・・・!」


357 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/08 19:32 ID:HvCXvEFc
http://jbbs.shitaraba.com/music/6029/yasuko.html

358 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/08 23:06 ID:RrP4nxO6
そしてプロンテラ宿屋―

「キ、KIMUCHIをキャンディに入れるなんて…ッ!!チョコに混ぜる以上の侮辱ですよ!!」
「エミリアちゃん…そろそろ…落ち着いて…」
どうやらこちらもイベントに行っていたらしいランディ&エミリア。
宿に戻ってからもKIMUCHIの扱いに怒り冷めやらぬエミリアを、ランディが宥めていた。
ジャハルとフレイヤはその隣でサンタポリンCを手にしてニヤニヤしていた。

そこへケイオスを抱えたサリエルが入って来た。
おかげでエミリアの気がそれた事に感謝しつつランディは声を掛ける。
「あ、久しぶりだな」
「うん。ヒメいる?」
「ああ、いるけどよ。…っとケイオスどうしたんだ?」
「寝てる」
「いや…そりゃ分かってる…(´∀`;)」

359 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/08 23:07 ID:RrP4nxO6
「あれ?ガリィは?」
「んーと。誘拐されたっぽい」
「ふーん」

一瞬の間。

「「「「Σ( Д) ゜   ゜ 」」」」

「おおおお前それって」
「ケイオスのほうが分かると思うよ。俺見てなかったし」
そう言ってサリエルはケイオスを降ろす。
「ヒメに会ってくる。後で話すけどいい?」
「あ、ああ・・・?」

360 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/08 23:08 ID:RrP4nxO6
「ヒメ、買い物してきた」
「・・・あ、あらサリエル?ありがとう・・」
ベッドに突っ伏して眠っていたヒメは、サリエルが来たことに気がついて目を覚ます。
そんなヒメを見ているのかいないのか、ぼーっとしたままのマンクを見てサリエルは口を開く。
「まだ治んないの?」
「え?ええ、そうですわね・・・」
相当疲れてるな、とサリエルは思った。
この調子だとプロンテラファッション通信増刊号も酒も伊豆名産マルスの燻製も化粧品も使わないんじゃないか。
案の定ヒメはマステラドリンクだけを取り出していたりする。
「本物のマンクにでも会えばなにか変わるかも知れませんけど。どこにいるやら・・・」
「本物かぁ」
サリエルはちょっと眉をひそめる。
「俺たちが知っているマンクはこっち。偽物だと思う?」
ヒメははっとしたような顔で、そして即答する。
「思いませんわ」
「マンクがそれに気がついてくれればいいんだけどね」
「そう…ですわね」

361 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/11/08 23:33 ID:RrP4nxO6
『な、なんだってー!!』
突然部屋の外から叫び声が聞こえた。多分ランディの声だ。
「あ、そういえば」
「何ですの一体?」
「ヒメ。ガリィが大変なんだけど話するからちょっと来て」
「ガリィが・・?」

宿の外にアルケミストとアコライトの少女が立っていた。
「へーこんな簡単に会えちゃうんだー。私ってば運がいい!(/最高」
「待ってください・・・何かあったみたいですけど・・・」

362 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/11/09 01:21 ID:87QTGu9Y
あげー

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